図1:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス

チャート出所:マーケットスピードより楽天証券作成

インドのお祭りと中国利下げ(2015年4月20日(月)掲載分より)

まだまだレンジ内の取引。インドでのヒンズー教のお祭りである明日4月21日のAkshaya Tritiya では人々がこの日にゴールド(宝飾品がほとんどですが)を買うと縁起が良いとされ、これに向けたゴールド買いもあり、1,200ドル割れた部分ではすかさず買いも入っているようです。1,180-1,225のレンジがもはや1ヶ月以上続いていますが、あまり相場のマグマが溜まっているようには感じられず、まだしばらくはこのレンジが続きそうな気がします。来週はやはりインドの動きそして引き続きドルの動きが左右する短期的な小動きに終始しそうです。注意するとすればギリシャ情勢、そして週末にかけて下げ幅を広げている株式市場も気になるところです。また昨日中国が金融緩和を発表したこともあり、ゴールドにとっては上昇要因の方が多い気がします。

CFTC Commitments of Traders Report as of 14 Apr 2015(4月20日(月)掲載分より)

図2.NY金価格と投資家ポジションの推移

出所:筆者執筆「Bruce Report(ブルースレポート)」4月20日掲載分より

投資家ロングは368トンから354トンと14トンのロングが減少。

米経済指標不調でGold1,200ドル回復(2015年4月16日(木)掲載分より)

狭い範囲で上がったり下がったりのマーケットが続いています。昨日のアジアは1,194ドルで始まり、下落傾向で1,190ドルまで下げましたが午後になり戻して、引けは始まりと同じ1,194ドル。その後すぐにまた1,190ドル割れのレベルまで欧州のオープニングで下げましたが、そのあとはじわじわと上昇。そしてNYの朝発表された経済指標(鉱工業生産指数など)がことごとく予想よりも弱く、ドルが売られゴールドに買いが入り、1,200ドルまた超えることになりました。またギリシャの財政赤字が想定の2倍になったこと、EUとの資金支援をめぐる合意の目途である4月下旬も迫ってきており、また「Grexit」が現実的な不安として浮上してきていることもゴールドにとってはプラス要因となっていると思います。ゴールドは1,182-1,225ドルの間でもう一ヶ月。どちらに抜けるにも材料不足。来週21日がインドで「Akshaya Tritiya」 というヒンズー教のもっとも大きなお祭りであり、この日にゴールドを買うというのが習慣なので、下がるとインドの買いがしっかりと入ってきてマーケットを支えているようです。あとはやはり原油高ですかね。こう考えてみるとゴールドを支える材料が結構目だってきましたね。

ルーブルと原油が上昇(2015年4月16日(木)掲載分より)

シェール減産の見込みで原油が上昇基調になったことでルーブルが上昇しています。パラジウムにとっては強材料かな。あんまり反応はしていないようですが。

OECD事務総長の提言(2015年4月16日(木)掲載分より)

今朝に日経に出ていたOECD事務総長の提言はまったくごもっともでした。やはり海外からみると日本の財政状況は相当危なく写ってるんですね。日本の債務残高を「未知の領域」として消費税率を15%に引き上げるべきと提言しています。日本の債務はGDPの226%でOECD34カ国の中でダントツのトップ。(ぜんぜん嬉しくない)消費税10%もOECD平均19%の半分に過ぎず、さらなる増税を求めており、財政の健全化を強く求めるものとなっています。「制御不能のインフレに陥るような事態になる前に、歳入と歳出の改革を計画的に進めるように促したもの。」日本の政府はどのように対応するのでしょうか。

ドル高・ドル安でゴールドも上下(2015年4月15日(水)掲載分より)

昨日はアジアの朝で1,201ドルまで上がったあと、ユーロが弱含み(ドルが強く)月曜日につけた12年ぶりの安値レベルへ再び下落。ゴールドはそれを受けてアジア時間帯に1,194ドルまで下げた後、ロンドンでもそのまま下げて一時1,184ドルまで下落。しかそこで発表された3月の米小売売上高が市場予想を大きく下回り、今度は逆にドルがユーロに対してほぼ一週間ぶりに下落。そこでゴールドも切り返し、一時`1,200ドル直前まで戻しましたが、その後は1,190ドル台前半で小動きとなりました。やはりドルの動きだけが材料で動いていますね。

IMF世界経済見通し:通貨安が日本とユーロ圏の成長押し上げへ(2015年4月15日(水)掲載分より)

昨日IMFが世界経済見通しを発表しました。このレポートも昨日のNY時間のゴールド上げの要因になったようです。以下その骨子をBloombergから。

* 米成長率予想は2015年が3.1%(1月時点は3.6%)、16年は3.1%(同3.3%)
* 日本の成長率予想は15年が1%(1月時点は0.6%)、16年は1.2%(同0.8%)
* 英国の成長率予想は15年が2.7%に据え置き、16年は2.3%(1月時点は2.4%)
* ユーロ圏成長率予想は1.5%(1月時点は1.2%)、16年は1.6%(同1.4%)
* ユーロ圏では「民間投資を中心に、域内全体でのより力強い回復確保のためさらなる政策措置が必要」
* IMFは米金融当局に対し、サプライズや市場の混乱を避けるため「政策についての効果的なコミュニケーション戦略」の採用訴え
* 日銀は「2%のインフレ目標達成のため必要に応じて2つの側面からの政策強化」を検討すべきだ
* 新興市場諸国全般では対照的に、「15年の成長率は5年連続で鈍化が見込まれている」
* 中国の成長率予想は15年が6.8%、16年は6.3%といずれも据え置き
* インドの成長率予想は15年が7.5%(1月時点は6.3%)、16年は7.5%(同6.5%)
* ブラジルの15年の成長率予想はマイナス1%と、1月時点のプラス0.3%から下方修正
* ドル高は世界の成長のバランス回復に寄与したが、「一層の大幅な」ドル高進行はリスクとなる
* 過去にもあったように、ドル高が「続いて、ドルの持続的な上昇を引き起こす可能性がある」。
このリスクが現実化すれば、一部諸国の経済が実質的な通貨下落から得る貿易面でのプラスを上回るようなバランスシート面や資金調達面での緊張が、ドル建て債務保有者に生じる恐れがある

東京ゴールドスポット100(略称「ゴールド100」)(2015年4月15日(水)掲載分より)

5/7から始まるTocomの新たなコントラクト「東京ゴールドスポット100」の懇親会が昨日Tocomでありました。立派なパンフレットも出来上がっていました。詳しくはこれをみて欲しいですが、最初からEFPを利用して100gの現物を受けることも可能というたてつけになっており、期限を気にせずに円建てゴールドを取引できるというのは魅力的ではないかと思います。FXをやっている投資家にとっては円・ゴールドというFXが増えるということ。ぜひ盛り上がって欲しいですね。

ドル高でゴールド1,200ドル割れ(2015年4月14日(火)掲載分より)

静かなマーケットでしたが、ドル高の動きにゴールドはじょじょに売られました。1,208ドルで始まりそれが一日の高値。アジアでは1,203ドルまで下げて終わり。その後のロンドンで一時1,200ドルを割り込みましたが、その後また1,207ドルまで戻し、その後またNYで1,200ドルを割り込んで一日が終わりました。現在のゴールドマーケットはドルの動きとそれをみながらの投機筋の動きで決まっています。短期的なポジションが多いような気がします。そのため狭いレンジ内での動きにとどまっており、どちらかに大きなトレンドを作るような動きはちょっと期待できそうになりですね。

昨日はプラチナ、パラジウムとも反落。パラジウムはアジア・ヨーロッパでは独歩高を演じていたのですが、ニューヨークの午後にその分以上に売られました。

低迷する中国のPGM輸入量(2015年4月14日(火)掲載分より)

短期的な話ではないですが、PGMの頭が重たい理由の一つとして、中国の買いが昨年の後半辺りから大きく落ち込んでいるという状況があります。過去5年のプラチナ及びパラジウムの中国の輸入量チャートを見ればよくわかります。