図1:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス
雇用統計でドル売り、Goldは1,215ドルオープン(2015年4月6日(月)掲載分より)
金曜日はEaster Holidayで、日本のTocom以外の主要なマーケットはすべて休日であり、東京でも基本的には動きがない一日でした。しかしこのEaster Holidayの金曜日は雇用統計の発表でした。発表時間である東京時間の21:30はロンドンからニューヨークへの時間帯ですが、ロンドン、ニューヨークともゴールドのマーケットはお休み。(米国市場では株式と為替はやっていましたが、商品取引所は休みでした。)過去こういうことがあった記憶がありません。
そして発表された3月の雇用統計のNFPは24万5000人増の予想(Bloomberg)に対して12万6000人増と大幅に少ない数字となり、2013年6月以降最小の増加幅となりました。これによりユーロは1.088から1.10越えまで跳ねて、ドル円は119.70レベルから118.70レベルまでほぼ1円の円高となり、ドルが売り込まれました。水曜日の民間の雇用統計に続いて、こちらも悪い数字となり、アメリカの金利上げは遠のいたというマーケットの意識が一層つよくなりました。問題はマーケットがなかったゴールドです。今朝の日本時間朝7時にオープンするGlobex(CMEのシステムです。)が最初のマーケットとなります。今朝のオープンは1,215ドル近辺でした。円建ては4,645円くらいのオープンになり、これは金曜日のTocom night sessionのレベルです。Tocomの金曜日の夜の価格が正しく、それを反映したオープンとなったのか、それともそれとは関係なしにオープンしたけど、マーケットの総和はまさにそんなものであったということですね。土曜日に書いたweekly report では以下のように書きました。まさにみんなそういう感じでみていたのでしょう。
「このドル安が反映されるとすれば、ゴールドは大きく上昇して始まることとなります。おそらくは1,210ドルを越えての月曜日のオープンになるのでは。さらなるドル高の修正、そしてドル建てのゴールドにショートカバーが入る地合いになりそうです。下値がより固くなりそうですね」。
ということでこのレポートを書いている現在ゴールドは1,218ドルまで上昇しています。
今日はGlobexは普通どおりに取引。地域的には日本とシンガポールそしてニューヨークがオープン。その他の地域、豪州、香港、ロンドン、欧州はまだお休みです。Globexがやっているので価格はあるはずですが、東京・シンガポールのあとはNYのオープンまで人はいなくなります。要注意。
CFTC Commitments of Traders Report as of 31 Mar 2015(4月6日(月)掲載分より)
図2.NY金価格と投資家ポジションの推移
投資家ロングは230トンから280トンと50トンのロングが増えました。ロングが増えたのは1月末以来9週間ぶりのことです。ここにもマーケットの売り尽くし感が出ています。やはりトータルロングが200トン近くにくると投資家ポジション的に底値感が強いですね。天井1,000トン、大底200トンというのがComexの投資家のポジションです。1,000トンを超えるとマーケットは過熱しすぎ、200を割り込むと逆にインタレストが逃げすぎということです。ロングが1,000トンを超えると売り、200トンを割ると買い、という単純な方式で勝てる気がしますね。過去のレコードを見ていると。
Happy Easter! 今日はTocomだけ!(2015年4月3日(金)掲載分より)
一昨日の大きな上昇の後、昨日のアジアはほとんど動かず非常に静かな一日でした。ゴールドは1,204ドル近辺で一日中。欧米ではもう少しレンジがありましたが、やはりEaster前で静かなマーケットでした。今日のEaster Fridayは一年で一日だけ、Tocom以外のすべてのinternational market はクローズ。世界の中心であるCMEのglobexも今朝の東京時間6:15にクローズして、普段なら7:00に再スタートなんですが、今日はお休み。つまり、9時にオープンするTocomが次のマーケット、唯一のマーケットとなります。ということで、今日はおそらくほんんど動かないということになりそうです。この状態(Tocom だけオープン)が欧米時間帯も続きます。Globexは一日中やっていません。夜はTocomのナイトセッションだけ。(たぶん世界のトレーダーたちはそれを意識していません。)そして今夜21:30には雇用統計の発表があります。米国の株式市場と為替市場はやっていますが、商品先物市場はお休み。ゴールドをはじめとする貴金属をやっているのはTocomのnight sessionだけです。平穏無事ならいいのですが、もしこの雇用統計が驚きの数字で為替や株が大きく動くことになれば、ゴールドも大きく動く可能性があります。その動きが出るのは、Tocom night sessionが無視されるとすると、月曜日東京時間朝7時にオープンするGlobexということになります。うーん、考えるだけで恐ろしい。。Easter の休みと雇用統計が重なることが、おそらく初めてのこと。(僕の記憶にはありません)ちょっとどうなるか気になりますね。Tocomのnight sessionもほかのマーケットがない状態ではおそらくほとんど何もできないと思います。
Bloomberg集計の雇用統計の予想は、3月のNFPは24万5000人の増加(2月は29万5000人増)、失業率は先月と変わらず5.5%ということです。
ゴールド1,200ドル超え(2015年4月2日(木)掲載分より)
アジア時間は1,180ドル台半ばで静かな動きでしたが、ニューヨークで発表された民間雇用者数と製造業景況指数がともに予想外に弱い数字になったことからドルが売られ、メタルにはショートカバーが入り、ゴールドは1,200ドルを超えました。結構な予想外ということだったようで、大きく反応しました。民間雇用統計3月は189,000人増と過去1年でもっとも少ない伸びでした。市場予想は227,000人増でした。FRBの金利上げが遠のくという想像からのショートカバーですが、上昇への反応が思ったより大きく、マーケットにはまたショートがたまりつつあったのかもしれませんね。
プラチナ急反発(2015年4月1日(水)掲載分より)
昨日はアジアは弱含み。1,186ドルで始まり、夕方には一時1,180ドルを割り込みました。安値は1,178.50で、ここからは今度は上昇、ニューヨークでは1,190ドルをタッチしましたが、それからまた下がり最終的には1,180ドル台前半で一日が終わりました。ドルはじわじわと戻しており、ドルインデックスはまた上昇して98.4まで来ており、また100を目指す動きとなっています。その割にはゴールドはそれほど下落していないという感じです。やはり1,150ドル辺りの底値の意識がマーケットにだいぶ浸透してきたのではないでしょうか。昨日はプラチナだけが大きく上がりました。ちょっとその理由がわかりません。
ドル上昇でメタルに売り(2015年3月31日(火)掲載分より)
昨日は静かな一週間のスタートとなりました。FOMC以来アジアと欧米の行動が逆になりました。アジア時間帯は1,180ドルを超えたレベルでは買いなくなり逆に若干売り戻しの動きがあります。そのため昨日もオープンが高値の1,187ドル、その後はじわじわ下げて引けは安値に近い1,182ドルでした。しかしその後欧米ではじわじわ上がる展開。ドルのLong liquidationがやはり続いており、ドル売り・メタル買いの動きとなりました。ユーロは1.95を超えて上昇、ゴールドも今朝方1,192ドルまでありました。昨日書いたとおりまだ、積み重なったドルロング・メタルショートのポジション調整が続いていますね。ドルインデックスが97を割り込んでいます。まだまだ続きそうですね。これがマーケットの中期的なトレンドの変化につながるかどうかはわかりませんが。ゴールドは今回の上げで、もっとストップがヒットされると1,200ドル回復も可能性ありと思います。
図3:NY金(左軸)とドルインデックス(右軸) 15分足
期間:2015年3月17日(火)から4月6 日(月)まで
単位:NY金 ドル/トロイオンス ドルインデックス ポイント
パラジウムが続落し、昨年2月以来一年ぶりの安値となりました。需給の状況を無視したポジション整理の動きだと思います。それだけロングがたまっていたのでしょう。自動車の需要は堅調、供給に不安があり、いろいろな会社のアナリストが大幅な供給不足が予測しています。それだけにこの売りはポジション調整ということなんでしょうが、そもそもそのきっかけがよくわかりません。不思議。中国の輸入量が今年に入ってから激減しているということはありますが。
図4:NY金・NY銀・NY白金・NYパラジウム 日足の2015年1月2日を100として指数化
期間:2015年1月2日(金)から4月6日(月)まで
単位:ポイント
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