図1.NY金 先物 (期近)日足チャート
期間:2014年10月10日から2015年3月2日まで
単位:ドル / トロイオンス

チャート出所:マーケットスピードより楽天証券作成

パラジウム続伸(2015年3月2日(月)掲載分より)

金曜日もレンジ内の取引に終始でした。アジアは1,209-1,211のとても狭いレンジで静かな金曜日。ロンドンではオープニングに1,205ドル近辺まで下げましたが、その後じわじわと買われ、ニューヨークのオープンでは逆に1,216ドルまでジャンプその後1,219ドルまで上がってから一週間の終わりは1,213ドルとなりました。相変わらずドルがしっかりですが、ゴールドもしっかりですね。ドル高要因のみでは下がらなくなりました。1,200ドルが堅くなってくるかもしれませんね。他のメタルも堅調ですが、特にPGM、やはりパラジウムが上昇を続けています。現在820ドル。昨年のドル建てでは8月末に900ドル超えの場面がありましたが、円建てではもはや2001年2月以来のレベルまで上昇してきています。

2001年といえばあの「Tocomパラジウム危機」の時です。あの時以来のレベルまでもはや上昇してきています。でもこの先、あの時のピークを抜くのではないかと思っています。

図2.東京パラジウム(期先)月足チャート
期間:1992年8月から2015年3月まで
単位:円 / グラム

出所:楽天証券作成

CFTC Commitments of Traders Report as of 24 Feb 2015(3月2日(月)掲載分より)

図3.NY金価格と投資家ポジションの推移

出所:筆者執筆「Bruce Report(ブルースレポート)」3月2日掲載分より

投資家ロングは497トンから468トンへ29トンの減少となり、5週間で241トンもの売りが出たことになります。価格的には1,192.5ドルと昨年11月以来の1,200ドル割れとなりました。しかしその後の戻しでおそらく来週の数字は久しぶりにショートの減少、ロングの増加になっているはず。

ドル高でゴールドは1,220から1,210へ(2015年2月27日(木)掲載分より)

行って来いって感じですね。昨日はアジアから欧米を通して1,205ドルからじわじわと上がり続けアジアの引けは1,210ドル、ロンドンでは一時1,220ドルまで上昇しましたが、その後のニューヨークではドルが買われ、ユーロが下げるのと同時にゴールドもアジア・欧州で買われた分を売り戻されて結局1,210ドルを割り込んだところでゴールドは戻ってきました。ドルが大きく上伸、ドルインデックスが94.1から95.3まで上昇、年初来の高値に並び、12年ぶりの高値でもあります。ドルユーロも1.12を割り込み1月26日以来のレベルまでドルが急進しました。ただ特にこの動きの目立った引き金は見当たりません。昨日発表の経済指標もこれだけのドル買いを誘発ようなものは見つかりません。なぜ急にこんなにドルが買われたのかちょっと不思議です。ドルが買われること自体は何も異議はないんですが(笑)、ただどうして昨日、それもこんなに、っていうのが不思議です。

1,200ドル台での小動き-中国・インド要因で堅調(2015年2月26日(木)掲載分より)

何度も1,200ドル割れを跳ね返されて、frustrated shorts coverがあるかもと昨日書きましたが、まさにそんな感じの動きとなり、昨日は一日を通じて1,200ドルを割り込むことなく、一時1,212ドルまでゴールドは上昇しました。その後は引けにかけて売られてニューヨークは1,201ドルくらい、アフターアワーで1,205ドルくらいまで上げて終わりました。1,200ドル割れはサポートされるけど、上がってもたいしたことないという狭いレンジとなっています。昨日は中国が旧正月明けとなった最初の日ですが、SGEもオープン。プレミアムは4-5ドルと旧正月前よりも高めで推移、旧正月前から40ドルも下がったレベルではやはり買い意欲が強いようでした。またインドもゴールドの関税撤廃とのニュースもゴールド上昇の背景にあったのかもしれません。(まだあまりニュースには出ていませんが。)ただそれもゴールドを大きく上がるには力不足。しばらくはFRBの金利上げとバーゲンハンティングの買いの綱引き状態が続きそうです。

パラジウムがまた上げ足を強めています。昨日800ドルを越えて今朝は810ドル。やはり今年はパラジウムがもっとも強いのでは、とこれまで何度となく繰り返してきてますが、改めてそう思います。LBMAの相場予想でもゴールド、シルバー、プラチナの今年の平均価格予想が昨年よりも弱いのに対して、パラジウムだけは昨年よりも強い数字の予想が出ています。これがマーケットの見方を端的に現していますね。中国・米国・日本を始めとしてガソリン車の売れ行きは好調であり、混乱の中にある欧州のディーゼル車に主に用いられるプラチナ触媒の需要はやはり、パラジウムと較べると弱くなるでしょう。マーケット参加者がプラチナよりもパラジウムを好意的にみる最大の理由ですね。

図4.LBMAの相場予想

出所:筆者執筆「Bruce Report(ブルースレポート)」2月26日掲載分より

インドがゴールド輸入規制を撤廃(2015年2月26日(木)掲載分より)

2月28日に予算委員会があるようで、その場でゴールドとシルバーの関税の撤廃がなされ、翌3月1日からゴールドの輸入が正常化されるということです。

イエレン証言でまた1,200ドルへ戻り(2015年2月25日(水)掲載分より)

昨日もまた同じような動き。アジアはとても静かでしたが、東京が引けてから1,200ドルを割り込みました。ニューヨークではFRB議長のtestimonyがありましたが、

the Fed's pledge to be "patient" on starting to tighten policy means an increase in interest rates from near-zero levels is unlikely for "at least the next couple" of meetings.

ゼロ金利解除は少なくともあと2-3回のFOMCミーティングの間にはないという意図の発言で、Fed Fundの金利上げは早くても今年後半ということであり、それによってゴールドは若干買われて再び1,200ドルへと戻ってきました。下げそうで下げきらない、下に抜けそうだけど抜けきれない、そんなマーケットになっています。これがまだ続くようだと投資家もまた見方を変える可能性がありますね。Patientではないshortがカバーをするようなことになると上昇ということもありえますね。

今日もまた円建てでもドル建てでも昨日のアジアとほぼ変わらずのレベルです。静かそうですね。正式には今日から中国の旧正月の休暇明けとなります。なにかあるでしょうか。

1,200ドル割れもすぐ戻し(2015年2月24日(火)掲載分より)

明けのアジアは1,200ドル台前半での小動きでしたが、欧州に入ってからギリシャの公約リスト草案送付のニュースでギリシャのユーロ圏離脱「Grexit」の可能性が低下したということから下げ始め、1,200ドルを割り込み、このところの安値であった1,197ドルを割ったところで、初値の予想通りのストップが出て一時1,190ドルまで下落しました。しかし、やはり1,200ドル割れには需要があるようです。ニューヨークでは大きく買い戻され、1,200ドルを回復、一時1,210ドルまで上げた後、結局アジアとほぼ同じレベル1,200ドル台前半で終わりました。今日のニューヨークではイエレンFRB議長の議会証言があるようです。下がりそうで、下げをトライしながら下がりきらないマーケットですねえ。アジアも1,200ドル割れには実需の需要が結構あり、なかなかこのまま一辺倒に下がるマーケットではないようです。

PGM低迷は投資家の無関心と増加した鉱山生産が重しに(2015年2月24日(火)掲載分より)

プラチナは1月の高値1,285ドルから1,165ドルへほぼ9.2%下げ、パラジウムは760-820ドルの間で方向感のない動きとなっています。ETFは今年に入ってからプラチナは2.7%、パラジウムは2.9%の残高減少となっています。2014年のプラチナETFの残高の増加はわずか107,000オンスであり、すべての現物需要のわずか2%でしかありませんでした。2013年はこれが90万オンスあり、現物需要の14%を占めていました。今年に入ってからの残高減少は、昨年のような長期的なストライキ(プラチナで32%、パラジウムで24%の鉱山生産が減少しました。)が無い分、増加する鉱山生産に対する嫌気(Societe General は今年はプラチナ23%、パラジウム18%、鉱山生産が増加と予想)、そして弱い欧州の景気、という材料によって投資家がPGMへの興味を減らした結果だと思われます。しばらくは低迷が続きそうですね。もちろんこれが永遠に続くとは思いませんが。

図5.NY白金 先物 (期近)日足チャート
日足 2014年2月3日から2015年2月27日まで
単位:ドル / トロイオンス

出所:楽天証券作成

図6.NYパラジウム 先物 (期近)日足チャート
日足 2014年2月3日から2015年2月27日まで
単位:ドル / トロイオンス

出所:楽天証券作成