【米ドル/円 円買い優勢もトリシェECB総裁発言を受け反発】
昨日までの動向
米ドル/円は昨日陽線引けとなりました。
東京市場序盤では前日の海外市場の流れを継続し、89円台前半レベルでの上値の重い状態を継続しました。バーナンキFRB議長が16日の講演で慎重な経済見通しを示し、超低金利政策の継続を改めて示したことや米中首脳会議で人民元の切り上げが議論されるとの観測にクロス円の調整売りがあいまって米ドル/円は東京市場終盤に再び軟化し一時88.70-75レベルにまで下落する動きとなりました。
欧米市場に入り米ドル/円はトリシェECB総裁の発言などをきっかけに小幅に上昇。
欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は17日、フランクフルト市内の会合で行ったあいさつの中で「強いドルは国際社会すべての利益」との見解を示しました。また、同氏は「バーナンキFRB議長による昨日のドルに関する発言は極めて重要である」などと発言。前日、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長もドル相場の動向について「ドルの価値の変化に注意している」と異例の懸念を示しおり、米欧中銀が米ドル安を牽制する姿勢を示したことが米ドルの下支えとなったようです。また、米中首脳会談では人民元の切り上げに関して踏み込んだ議論がなされなかったことで目先の米ドル安の人民元高の思惑が後退。対円でも米ドルが買い戻される動きとなったようです。
本日の展望
一目均衡表の雲の下限を上抜け失敗となったのち、米ドル/円は下げ幅を拡大。昨日、再び88円台を示現したことなどから引き続き下値リスクを警戒しての取引となりそうです。直近の下値目途として16日と17日に下げ止まった88.70-75レベルがあげられます。同レベルを下抜けた場合、次の主だったサポートは見当たらず10月7日の安値88.013を下値ターゲットとして捉えることとなりそうです。一方、上値では11月2日の安値89.15-20レベルをしっかりと回復できるかが焦点となりそうです。目先、一目均衡表の雲の下限は緩やかな上昇に転じており、88円台で底入れした場合、雲の下限が位置する89.70-75レベルまでの反発上昇も念頭に置いての値動きとなりそうです。
本日の主な指標
東京時間22:30 (米)消費者物価指数-10月 予想0.2% 前回0.2%
東京時間22:30 (米)住宅着工件数-10月 予想60.0万件 前回59.0万件
東京時間22:30 (米)建設許可件数-10月 予想58.0万件 前回57.5万件
参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド
※当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。
【豪ドル/円 利益確定の売りに押され一時79.40-45レベルを示現】
昨日までの動向
豪ドル/円は2日続けての陰線引け。
東京市場では豪ドル/円は軟調に推移。オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は17日、今月3日に発表された豪金融政策決定会合の議事録を公表しました。議事録では「追加利上げのペースは引き続き決定していない」とし、時間をかけて徐々に利上げしていく方向を示したものの、来月の会合での判断をめぐっては、裁量の余地を残す内容となり、追加利上げに関し喫緊の必要性を訴えないとの見解が示されました。これを受け利益確定を伴った豪ドル売りが優勢となり、豪ドル/円も東京市場を通じ、上値の重い展開となりました。
欧米市場に入り豪ドル/円は一時下げ幅を拡大。
クロス円でのポジション調整の円買い戻しが円一段高に拍車をかけたもよう。豪ドル/円はテクニカル要因などから下値トライの様相となったもよう。目先サポートであった83円台を下抜けると下げ幅を加速し、一時82.45-50レベルにまで下落する動きとなりました。その後、トリシェECB総裁の発言などを受け米ドル/円が反発。豪ドル/円も83円台前半まで値を戻す動きとなりました。
本日の展望
84円台に上値を阻まれたことなどから、利益確定の売りに押され下げ幅を拡大。目先サポートとして寄与した83円台前半レベルを一時下抜く展開となりました。82.45-50レベルを付けた後、反発上昇に転じるも、目先サポートであった83円台前半レベルが下抜け後は抵抗になりつつあるもよう。83円台前半レベルに到達後、同レベルでは上値が重い動きとなっています。
また、一目均衡表では19日前後にかけて「変化日」を示唆する雲のネジレが観測されます。なお、11月2日価格がこの雲のネジレを通過した際には79.40-45レベルにまで急落する動きが観測されました。目先、豪ドルの買われ過ぎ調整を示唆するような雲のネジレが観測されたことから、現段階からの高値売り抜けのタイミングが意識されやすいもようです。豪ドル/円の価格は一目均衡表の雲が位置するレベルから大きく乖離する動きとなっており、今後この乖離を埋めに行くもう一段の調整的な豪ドル反落リスクにも注意を払いたいところです。ただ、雲の上限は先行き82円台前半にまで切り上がる形となっており、調整一巡後、豪ドル/円は下値を切り上げ上昇に回帰する可能性も示唆しています。
本日の主な指標
東京時間08:30:(豪)ウェストパック先行指数-9月 結果0.9% 前回1.3%
参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド
※当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。
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