NY金 先物 (2015年2月限)
60分足 2014年8月5日から2015年1月26日まで
単位:ドル / トロイオンス

チャート出所:マーケットスピードより楽天証券作成

ギリシャ選挙前にポジション整理で反落(2015年1月26日(月)掲載分より)

週末にはギリシャの選挙を控えて金曜日は買われ過ぎからの売り戻しが目立ち、ゴールドは反落。ギリシャでは倹約に反対している極左政党であるSyriza党がその支持を伸ばしていますが、最新の世論調査ではギリシャ国民はユーロの維持を望んでいる言う結果がでていること、そしてダボス会議ではドイツの蔵相がギリシャのユーロ離脱は考えていないとスピーチし、ゴールドのsafe havenとしての役割が少し緩まったということもあったようです。ただちょうど日本時間今朝のギリシャの選挙の出口調査ではSyriza党が、圧倒的多数をとって政権を取りそうだという報道がなされています。欧州の新たな混乱に油が注がれることになりそうです。

CFTC Commitments of Traders Report as of 20 Jan 2014(1月26日(月)掲載分より)

出所:筆者執筆「Bruce Report(ブルースレポート)」1月26日掲載分より

投資家ロングは482 トンから546トンへ大幅増加。資金逃避がゴールドに向かっています。

ECB金融緩和始まる(2015年1月23日(金)掲載分より)

ECBの昨夜の発表は600億ユーロ/月で2016年9月まで総額1.1兆ユーロ、必要があれば延長も、というものでした。前日出ていた「噂」および市場予想ではこの半分の規模だったので、やはりインパクトがありました。ユーロは2%下がって1.15を割り込み、1.14ちょうど近くまで下げました。総裁会見に先立った政策金利の発表は変わらず、でしたが、ゴールドはじわじわ上がり始めていました。そして会見が始まってもそのままじわじわと上がった感じで、ユーロほど劇的な動きではありませんでしたが、1,300ドルを回復、ユーロから資金が逃避、ゴールドにも向かってきているのでしょう。ドルインデックスは94.25と上昇が止まりません。今年はやはり他通貨安。そしてその恩恵を被るのはやはりドル、そしてゴールド、そしてスイスフランでしょう。ただし、ドルはもうずいぶんと高い、そしてスイスフランはこれまで人為的に抑えられていたものの、マイナス金利で積極的には買いづらい資産となっています。とすれば、相対的に割安と思えるゴールドはまさにその逃避資金のもっとも入って来やすいアセットと言えるのではないでしょうか。とすればやっぱり最も上がるのは円建て・ユーロ建て、その他新興国通貨建てのゴールドだということになりますね。

NY金 先物 (2015年2月限)左軸 ユーロドル 右軸
60分足 2015年1月12日から1月26日まで
単位:NY金 ドル / トロイオンス ユーロドル ドル / ユーロ

チャート出所:楽天証券作成

Gold 1,300ドル超えも緩和の噂で下落(2015年1月22日(木)掲載分より)

昨日は強い強いマーケットでした。1,292ドルでアジアは始まりましたが。最初に少し下がった後はずっと一貫して上昇、午後2時過ぎに1,300ドルを突破しました。その後の欧米は上下動を繰り返しながらも基本的に強いマーケットでNYに突入し、すぐに高値の1,305ドルをつけましたが、PM Fixingの直前に「ECBの金融緩和は一月あたり50 billion Euroを2016年いっぱい」という噂が報道され、これに対して20分でゴールドは20ドル、シルバーは50セント下落しました。ECBの金融緩和に対して非常に神経質になっています。その後じわじわ戻してニューヨークは1,293ドル近辺で終了しました。ECBの発表は今晩9時45分からです。総裁会見は10時半。

今週の東京は上昇した円建て価格のため現物の売りが激しいです。結構な量のゴールドとプラチナが売られています。やっぱり上がってくると売りが出てきますね。まだまだ日本の個人投資家はゴールドを持っているのですね。

さらに上昇、ゴールド1290ドル・4900円超え(2015年1月21日(水)掲載分より)

ゴールドおよび貴金属すべての上昇が続いています。Gold ETFはまた11.35トンも残高が増加。投資家がどんどんゴールドを買うという展開になってきました。その結果ゴールドは比較的静かなアジアの時間帯のあと欧米で上昇。アジアはオープニングとクロージングが同じ1,276ドルでしたが、クローズの後上昇を始めました。ニューヨークでは一時1,297ドルと1,300ドルあとちょっとまで上がりました。ロンドンの朝に上がり始めたきっかけは中国の2014年GDP成長率が政府目標の7.5%よりも低い7.4%となり、それがゴールドの買いを誘いました。この数字は1990年以来もっとも低い成長率です。そして明日に控えたECBの政策金利発表と総裁会見を前にリスク回避の買いも入っているようです。ゴールドとユーロの動きがきれいに対称しています。明日ECBの金融緩和でさらにユーロが下がるとゴールドはさらに上昇の可能性が高いですね。

ユーロは一時1.154と2003年以来の安値まで沈んでおり、ドル高、円もまた118円後半まで円安がすすんでいます。やはりドル高他通貨安は今年の最大のテーマ。円建てのメタルは昨日は全メタル大きく上昇しました。ドル建てが上昇、その上に円安というダブルでの上昇です。(ユーロ建てゴールドも2013年5月以来の高値です。)ゴールドは4,940円と5000円まであと60円というレベル。年初からのセミナーで今年の円建てゴールドは5,000円いくんじゃないですか、といっていたのですが、まさか1月中にこんなところまでくるとは思っていませんでした。

東京金 先物 と 東京白金 先物
東京金 先物 (2015年12月限) 東京白金 先物 (2015年12月限)
日分足 2013年12月30日から2015年1月26日まで
単位:東京金・東京白金ともに 円 / グラム

チャート出所:楽天証券作成

NY休みで小動き(2015年1月20日(火)掲載分より)

昨日はNYがお休みでアジアから欧州と通じて小動きに終始しました。特に目立った動きはなし。木曜日のECBの政策金利発表待ちですね。もはやフランスのオランド大統領が、ECBは大量の国債買い入れを発表するという見方をフライング的に発言していますね。とりあえずは木曜日待ち。日本時間の夜 9:45が金利発表で10:30から総裁会見ですね。市場では600billion Euro規模の国債買い入れが予想されています。ゴールドにとっては上げ下げどっちの材料にもなりえますね。市場予想よりも大規模な緩和であればユーロはさらに大きく下落、ドル高のためのゴールド売りとなるのか、もしくはECBが欧州の先行きに深刻な考えを示したということで逆にsafe haven buyingを誘発するのか、ちょっと予想しがたいです。予想通りもしくはそれに近い数字であればおそらくゴールドは均衡を保つでしょうね。予想外に動きでどちらかに大きく反応しても、それはきっと短期間に終わりそうな気がします。