【米ドル/円 米貿易収支の悪化などを受け米ドル/円は一段安】

昨日までの動向

米ドル/円は13日、陰線引け。12日の上昇分を削り、再び89円台なかばレベルにまで下げる展開となりました。

東京市場では米ドル/円は90円台前半でのもみ合いに。12日のNY市場での急伸を受け、価格調整による米ドル売り・円買いが優勢となったようです。米ドル/円は12日NY市場後半に付けた高値90.50-55レベルよりじりじりと値を下げ90円台前半にまで下げ、その後は同レベルでのもみ合いとなりました。

欧州市場序盤、米ドル/円が急落。90円台を割り込み、89.65-70レベルにまで下げ幅を拡大する動きとなりました。欧州勢参入後の急激な円買い戻しの背景として、人民元切り上げ観測が一因となっていたようです。対中貿易赤字の拡大を背景に今週予定される米中首脳会議を控え、中国政府から人民元切り上げを容認するといった方針が示されるとの思惑が広がったもよう。人民元の切り上げ観測から、米ドルの対人民元先安感が米ドル/円・クロス円に波及。アジア通貨である円に対する需要が高まり円売りポジションの巻き戻しを後押ししたようです。

NY市場に入り米ドル/円が続落。この日発表された米9月貿易収支、11月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が共に事前予想を上回る悪化となった事が嫌気されました。また、NY時間午後にはエヴァンス・シカゴ連銀総裁が「政策金利は長期間低水準で推移」とコメント。米国の低金利政策の長期化を再確認する形となり、米ドル売り要因として寄与したようです。米ドル/円は一時89.40-45レベルにまで下落。その後も戻りが重く89円台なかばレベルでNYクローズを迎えました。

本日の展望

米ドル/円は一目均衡表の雲の下限が位置する89.90-95レベルを再び下抜く動きとなりました。米ドル/円は11月2日の安値、89.15-20レベルと一目均衡表の下限に挟まれる動きとなっています。11月12日の上昇で、この雲の下限を一時上抜き上昇期待が強まったものの14日の下落で再び雲の下限を下抜く動きとなりました。今後は、一目均衡表の雲の下限を維持し下落を継続するか、または雲の上下に挟まれたゾーンへの再度進入となるかを見極める局面にあるようです。下値では直近サポートとして寄与している11月2日の安値89.15-20で下げ止まるかが焦点となりそうです。上値では一目均衡表の雲の下限が位置する89.90-95を上抜け同ライン上をしっかりと回復できるかに注目が集まりそうです。

本日の主な指標

東京時間22:30:(米)小売売上高-10月 予想0.9% 前回-1.5%
東京時間22:30:(米)NY連銀製造業景気指数-11月 予想30.00 前回34.57

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。

【豪ドル/円 高値圏でのもみ合い継続】

昨日までの動向

豪ドル/円は13日、小陽線引け。
欧米市場では豪ドル/円は軟調に推移。中国政府による人民元切り上げ観測から円を買い戻す動きが強まったもよう。また、銀行関係者によると11月の本邦からの米国債券償還・利払いに絡む円買いも観測されたようです。12日に米ドル/円、クロス円の急伸時に円売りに傾いていたポジションを手仕舞う動きもあいまって豪ドル/円も急落。83円台後半レベルから83.15-20レベルにまで急激に下げる動きとなりました。

欧米市場に入り豪ドル/円は一段安もその後、急激に値を戻す展開に。 一連の弱い米経済指標を受けリスク回避の動きから円買い戻しが強まり、豪ドル/円も直近での安値圏83.00割れを一時、窺う動きとなりました。ただ、その後、NYダウが上げ幅を拡大したことから、リスク選好によるドル・キャリトレードが活発化。豪ドルが対米ドルで上昇すると豪ドル/米ドルの上昇に牽引され豪ドル/円も安値圏より切り返し83円台なかばレベルに再び戻す動きとなりました。

本日の展望

直近上値では84円台が抵抗線として寄与しており、豪ドル/円の上値を阻み続けているもよう。直近では83.00から84.00と高値圏で約1円のレンジでもみ合う動きを継続しています。今後、上昇トレンドを継続するにあたり、まずは84円台を上抜け定着となるかが焦点となりそうです。なお、一目均衡表の転換線は上向きに転換。基準線を下から上抜きゴールデンクロス=買いシグナルを示唆しています。

一方、一目均衡表では目先、「変化日」を示唆する雲のネジレが観測されていることが気がかり。11月2日価格がこの雲のネジレを通過した際には79.40-45レベルにまで急落する動きが観測されました。目先、豪ドルの買われ過ぎ調整を示唆するような雲のネジレが観測されたことから、現段階からの高値売り抜けのタイミングが意識されやすいもよう。また、豪ドル/円の価格は一目均衡表の雲が位置するレベルから大きく乖離する動きとなっており、今後この乖離を埋めに行くもう一段の調整的な豪ドル反落リスクにも注意を払いたいところです。

本日の主な指標

主な豪州の経済指標の発表は予定されておりません。

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。