NY金 先物 (2015年2月限)
60分足 2014年12月15日から12月19日まで
単位:トロイオンス / ドル

 

チャート出所:商品先物取引ツール「Formula(フォーミュラ)」より楽天証券作成

本格的にクリスマス休暇入りしたようです。金曜日は欧米もほとんど動きがありませんでした。ドルが非常に強い(ドルインデックスは過去5年で最高レベルまで上昇。)のにも関わらずゴールドは1,200ドル近辺で小動き。逆にそれがゴールドの地合いの強さを感じさせます。ドルの強さもほとんど無視、という感じです。クリスマス明け、もしくは新年までもうあまり動かないでしょう。ルーブルも原油もとりあえず下げ止まったようです。欧米の連中は今週はほとんどお休み。日本も明日がお休みということだし、来週は日本が全面的にお休みということになります。今年の相場はもうお終いにして、来年への鋭気を養いましょう。

CFTC Commitments of Traders Report as of Dec 16, 2014(12月22日(月)掲載分より)

投資家ロングポジションは前週からと11トン減少で413トン。価格は15ドルの下落。

チャート出所:池水雄一氏執筆「Bruce Report(ブルースレポート)」より

Gold 1,200ドル近辺で落ち着く?(12月19日(金)掲載分より)

FOMCの後に下がった分はやはり買い戻されました。イエレン議長の会見のあと1,197ドルから1,188ドルまで下がった後、アジアでは1,200ドルまで買い戻され、欧米では一時1,214ドルまで上昇、その後NY株価が400ドル以上もの上昇したことからゴールドは1,200ドルをふたたび割り込み1,198ドル近辺で終わりました。他のメタルもとりあえず落ち着きを取り戻しました。株価がこれだけあげて、ドルも119円まで上昇しているわりにはメタルはしっかりですね。このあたりでクリスマス休暇突入ですね。ルーブルも61近辺でとりあえず落ち着き、WTI原油も55ドルで小康状態。

FOMC終了、ドル高、メタル若干安(12月18日(木)掲載分より)

FOMCの終了前のマーケットは1,193-1,197ドルレンジの比較的静かなマーケットでした。日本時間の今朝の4時半からイエレン議長の記者会見が始まり、その内容によりゴールドは1,197ドルから1,186ドルまで下げることになりました。労働市場の状況は一層の改善が認められ、労働力不足が引き続き解消。FFレートは0-0.25%という現状は引き続き適切。また金利正常化への開始へは「辛抱強くなれる」という表現になり、これまでの「相当な期間」という表現はなくなりました。これが金利上げが近づいたという判断となり、ゴールドは若干売られ、ドルは買い戻された模様です。具体的な金利上げの時期に関してはこれまで同様、労働市場やインフレの指標、そのほかの金融指標によって検討されるということです。そこは変化なしですね。為替はドルが買われて117円前半から119円近くまで円安がすすんでおり、米10年国債の利回りは2.06%から2.135%まで上昇。円安のため円建てのメタルは上昇です。

冬時間は4時半からの会見になるので僕が走り終わって、会社に行く準備をしている時間なのでちょうど生で聞くことができました。内容自体はやはり大きくこれまでずれることがなく、会見最中はマーケットもさほど動きませんでした。終わって記者との質問に答えるときに少し動きだした感じでした。それほどマーケットを大きく動かす内容でなかったと思います。今朝動いた分はすぐに戻るんじゃないでしょうか。

原油暴落からの金融市場の乱高下(12月17日(水)掲載分より)

ルーブルがその不安定の象徴のような動きです。昨日1ドル67ルーブルまで下落した時点でロシア中央銀行が10.5%から17%へ金利を上げましたが、それでも下落の勢いは止まらずそのまま79ルーブルまで下落しました。ニューヨークは68ルーブル近辺で終わり。ドル円も一時115.60まで下落、その後117.70まで戻して116.50でニューヨークが終わりました。まったくもって上へ下へ具体的な理由なしの乱高下になりました。

本来ならばエネルギー価格の下落は経済にとってはよい材料であるはずなのですが、あまりに下落の幅もスピードも大きすぎて、逆にその一因である需要の減退からの景気後退の想像や、原油生産に依存する新興国、特にロシアなんかの通貨の下落を促し、それが世界の株式市場に売りを呼び、それがまた不安を増幅させるという悪循環に陥っているようです。

明日は日本時間早朝4時00分のFOMC政策金利発表、4時半からFRB議長記者会見があります。これに向かってアジアではそうではなくても、欧米ではまた神経質なマーケットが続きそうです。

PGMも大きく下げました。ゴールドよりもロシア・ルーブルの下落の影響、そして株価下落の影響を大きく受けているようです。特にパラジウムはロシアの売却はゴールドよりも可能性が大きいと思います。ルーブル建てのパラジウムはおそらく歴史的高値にあることまずまちがいなし。もし中央銀行がパラジウムの在庫まだあるとすれば売ってもおかしくないですね。

アサヒプリテックがJMのGold & Silver refineryを223億円で買収(12月16日(火)掲載分より)

昨日の夕方びっくりするニュースが入ってきました。Johnson Matthey社のカナダと北米のゴールドとシルバーの精錬ビジネスを買うということ。JMは確かに、オーストラリア、香港、英国での精錬のゴールドとシルバーの精錬ビジネスからは撤退しており、これでもほぼ世界的に撤退ということになりますね。これを受けてアサヒプリテックが北米においてどういうオペレーションをしていくのか、非常に興味あるところです。