ショートカバーで急騰    11月17日(月)分より

先週の金曜日、そして先々週の金曜日と大きく上がったわけですが、両日とも大きな出来高を伴っており、良くある「流動性不足で大きく上がった」というわけではないです。また同じく両日ともそれほど大きくドルインデックスが下がったわけでもありません。そして実需もこの両日に大きな買いを入れたというわけでもないので、これはまさに先物の(ペイパーゴールド)のショートの買い戻しであると考えるのが妥当でしょう。ゴールド、プラチナ、シルバーそしてユーロはマーケットが大きなショートであったことはCFTCの数字をみても明らかです。このショートカバーの根底にあるのは先日から書いているようにタイトになっているフォワードマーケット(現物の不足)、そして11月30日のスイスのゴールド保有に関する国民投票があるのかもしれません。マーケット(いろんな銀行のコメントをみていると)は、「まずこの法案がyes voteにはならないだろう。でもちょっと注意はしておこう」というスタンスです。オプションマーケットではout of the moneyのcall optionを宝くじで買ってみるなんてことをやってる人間も増えている気がします。(僕もそうしたいくらい。たとえば1,300ドルのcall option買い。)そして実際1,200-1,250ドルではfutures とoptionsの建て玉は8million onz(249トン!)もあり、ゴールドが1,200ドルに近づくとoptionがらみの動きがあり上昇にさらに弾みがつくかもしれません。

ということで一方的なゴールドの下げから、明かにマーケットの雰囲気が変わって来ました。とりあえず1,130ドル近辺が今年の底値になるでしょうか。円建てでは116 円台のままのドル建ての急騰で一挙に今年の最高値に近づきました。久し振りに東京ではスクラップの売り戻しが増える可能性があります。またTocomからもまずは利食いの売りが出るでしょうね。その売りをこなして上がっていくかどうか、ですな。

NY金 先物 2014年12月限 60分足 2014年11月4日~11月17日

チャート出所:楽天証券の商品先物取引ツール「Formula(フォーミュラ)」

東京金 先物 先限 60分足 2014年11月4日~11月17日

チャート出所:楽天証券の商品先物取引ツール「Formula(フォーミュラ)」

CFTC commitments of Traders Report as of 11 Nov 2014    11月17日(月)分より

167トンロングから153トンへロングが減少。昨年の7月以来の低水準。大きな買いの後の来週発表の数字が気になります。

チャート出所:池水氏執筆11月17日(月)付けBruce Reportより抜粋

ドルとゴールドの相関関係    11月14日(金)分より

ゴールドとドルの相関関係は現在2012年以来の強いものになっています。90日ベースでは-0.96で2012年11月以来、30日ベースでは2012年10月以来の最高値となっています。これだけ相関が強いと今ゴールドを動かしているのは「ドル」の動きであり、ほかのものはほとんど材料となっていないということになりますね。

チャート出所:楽天証券作成

リースレートの上昇    11月14日(金)分より

実需的にはインドのDiwaliが終わり結婚シーズンも終了し、インドは落ち着いていますが、この安値に他のアジアの需要はしっかりしています。供給側はリースレートの上昇(フォーワードレートの下落)が明らかな状況になっており、トータルで考えると需給がタイトになってきています。これはゴールドを支える要因になりそうです。

ドルの買われすぎ感    11月13日(木)分より

昨日は全体的に静かなマーケットでした。ドルの買われすぎ感が強くなってきたこと、ゴールドフォーワード(GOFO)の3ヶ月までの短期物がこのところディスカウントになっていることが、過度のゴールドを売ることに躊躇させます。フォーワードがディスカウントということはリースレートが上がっているということ、そしてそれはすなわち現物が不足しているということがいえます。(物がないからリースレートが上昇する。)先日来JP MorganのLoco London Accountのゴールドの量が激減しているというニュースもあります。今年は中国は買ってないといいますが、やはりここ数年の彼らの買いの量がボディーブローのようにじわじわと効いてきているのではないか、と今朝うちのトレーダーとも話しをしていました。なんせ、入ったものが基本的に出てきませんからね。アメリカの金融緩和の終了、アメリカ経済の復調、そして金利の上昇というシナリオでゴールド(そして他のメタルも)売られてきましたが、ゴールド自体のファンダメンタルズが、この金融要因よりも重視されるようになってくるとちょっと絵が変わってくるかもしれません。このあたりで底値を打ちそうなそんな気がしてます。確信はありませんが。ゴールドフォーワードの動き、要注意です。

そろそろ大底を意識か    11月12日(水)分より

ニューヨークは休みでしたが、Globexは動いており、ドル高円安の動きが116円まで夕方にありましたが、ゴールドはその割にはしっかりでした。そして日本の夜中にドルが下落したときには反応してゴールドは1,155ドルから1,173ドルまで上昇しました。どうも、金曜日の動きでゴールドのショートに対する警戒感が出てきているようですね。これまでのようないけいけどんどんの下への動きではなくなってきた気がします。そろそろ大底を意識するようなときが近づいているのかもしれません。

ルーブル急落から変動相場制へ    11月11日(火)分より

ロシアのルーブルが大きく下落しています。貴金属での絡みでいうとロシアからのメタルの売りが出やすい状況であると予想されます。