週前半14,000円を試したあと、週後半は14,500円水準まで上昇

先週は、5月になって14,000~14,500円の中で14,000円水準を試す動きとなっていたことで、14,000円水準の攻防として現時点で考える2つのシナリオを想定しました。1つ目のシナリオは、このまま14,000円を大きく切らずに直角三角形の保ち合いが6月上旬から中旬まで続いたあと上放れとなるというものと、2つ目のシナリオは、いったん直角三角形の保ち合いを切って13,800円水準(行き過ぎれば13,600円水準)まで下げて、ここから切り返して上昇に転じていくというものでした。

先週の日経平均の動きは、週前半はNYダウの軟調な動きや為替の円高への振れから14,000円を試す動きとなり、ザラ場では19日(月)に13,991円、21日(水)は13,964円と14,000円を割り込みましたが、終値では19日の14,006円で止まり、週後半は、22日(木)には前日のNYダウの大幅反発と為替の円安への戻りを受け、又中国の経済指標の上振れ、更にかんぽ生命保険が2015年3月期に日本株と外貨建て債券の保有比率を拡大する方針が伝わり、△295円の14,337円と25日移動平均線(21日時点14,278円)を上回って引けました。週末の23日(金)は、為替が101円台後半の円安となっていることで続伸し、一時14,528円と75日移動平均線(23日14,523円)に到達するものの、終値では△124円の14,462円でした。

2日間の動きをみると、そのまま上昇し続けそうにも見えますが、売買代金が2兆円を超えない低水準ということから買い戻し中心の上昇と思われます。よって、上昇が一服すると上値はすぐに重くなります。 75日移動平均線は中期移動平均線であり、ここを上回って下値抵抗ラインにすることができれば、本格的な戻りが続くことになりますが、そのためには市場ボリュームの増加が必要となります。

当面は、直角三角形の保ち合い継続か

先週の時点では、14,000円を切るかどうかで1つ目のシナリオの直角三角形の保ち合いと、2つ目のシナリオ下放れからの反発ということを想定しました。結果的には、終値で14,000円を守り14,500円水準までの反発となり、直角三角形の保ち合いの継続となっています。4月21日の高値14,649円を終値で上回ると直角三角形の保ち合いを上放れるかどうかという水準になりますが、そうなっても本当の上放れと言えず、再び14,000~15,000円のボックス相場の上限を試す形になるだけのことです。

目先は、75日移動平均線(23日14,523円)近辺で止まってもみあうか、それとも4月21日の高値14,649円を試す動きとなるかは、海外の情勢につれて為替の変動がどうなるか、または、6月発表予定の成長戦略への期待、株式運用比率を高める方向で論議されているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)への思惑などが絡んできます。 とにかく上昇が続くには、外国人投資家の復活による市場ボリュームの増加が必要となります。14,000円水準でもみあっていた5月第3週(12~16日)は、3週間ぶりに外国人が906億円買い越してきていますので、これが続くかどうか注目するところです。

週明けの26日(月)は、先週末のアメリカ株高と1ドル=102円前後の円安からシカゴ日経225先物が75日移動平均線(26日14,522円)を上回る14,560円となっていましたが、寄り付きは更にこれを上回る△130円の14,592円となりました。日足チャートでは14,600円水準にはフシがあり、又5月21日からの上昇の仕方は、26日で窓明けの「三空」となっており、短期の過熱を示す形といえます。寄付きを高値に上げ幅を縮小する動きとなっていましたが、後場大引けにかけて一段高となり△140円の14,602円となって75日移動平均線を大きく上回って引けました。このまま14,500円水準を下値にもみあっていると、現在下向きの25日移動平均線が上向いてきて上昇相場へ転換してきます。柴田罫線では本日短期の買転換出現となっています。3日間で570円近い上昇となりましたが、本日は出来高も売買代金も更に減少しており、売り物が無い中を買い戻し中心で上昇していると考えられます。目先は、4月21日の14,649円を終値で超えられるかどうかとなり、大きく超えると三角保ち合いを上放れる形となりますが、煮詰まらない状況での上放れとなりますので、14,000~15,000円のボックス相場の上限止まりとなります。

 

(指標)日経平均

先週の予測では、14,000~14,500円の中で膠着感の強い展開が想定されるが、為替が1ドル=101.2円を上回る円高になると14,000円割れも考えられるとしました。円高が進行しなければ直角三角形の保ち合いで煮詰まりが進行するともしました。

週前半は、NYダウ安と為替の101.2円を上回る円高(一時100円台)で14,000円を巡る攻防となり、ザラ場では19日(月)の13,991円、21日(水)の13,964円と2度14,000円を割り込みましたが、終値では19日の14,006円を安値に週後半反発となり、週末の23日(金)はNYダウ高と為替の円安から△124円の14,462円と25日移動平均線を上回って引けました。

今週は、海外情勢や為替を横目に14,500円を挟み一進一退の動きが想定されます。チャートでは、75日移動平均線(23日14,523円)を上に抜けると、4月21日の高値14,649円を試す動きも想定されます。但し、先週後半の上昇も出来高・売買代金が伴っておらず、買い戻し中心での反発といえますので、市場ボリュームが増加しなければ長続きしません。まだ三角保ち合いが暫く続くことになりそうです。

週明け26日(月)は、先週末のアメリカ株高と円安基調を受けて△130円の14,592円で高寄りし、14,531円まで押し目を入れるものの、後場大引けにかけて一段高となり△140円の14,602円で引けて短期の買転換出現となりました。しかし、14,600円水準は昨年の6月13日の12,415円からの上昇ラインが上値抵抗ラインとなり、又直角三角形の上値斜線が上値抵抗ラインとなっているところですので、ここから更に大きく上昇できるかどうかは、今後の材料次第となります。ここを抜けると14,000~15,000円のボックスの上限を目指す形となります。

日経平均

(指標)NYダウ

先週の予測では、FOMCの議事録公開や住宅指標を材料にもみあう展開となり、下値では4月11日の16,015ドルを切らなければ高値圏でのボックス相場の範ちゅうといえるとしました。

週前半は軟調で、20日(火)は16,341ドルまで下落しましたが、その後は小売企業の決算が予想を上回り、週末の23日(金)は4月新築住宅販売が予想を上回ったことで△63ドルの16,606ドルで引けました。S&Pは終値ベースで史上最高値更新となりました。

今週は、住宅や消費関連の経済指標の発表があり、結果によって高値圏での一喜一憂の動きとなりそうです。今後は特に、寒波の影響から脱したアメリカの景気の回復の程度を、住宅や消費関連の統計で見定める動きとなります。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、ウクライナ情勢やアメリカの長期金利の低下から円高方向に振れやすいとするものの、下値は限定的だとして、101~102.50円のレンジを想定しました。又、今年の円の高値1ドル=101.20円を上回れば、一時100円台の円高の可能性もあるとしました。

週前半は、NYダウの軟調さと長期金利の低下からのドル売り・円買いが進行し、21日(水)は日銀の金融政策決定会合で現状維持と黒田総裁の発言で円高が進行し、引け後のアメリカ市場では1ドル=100.82円と101円を一時突破する円高となりました。しかしここからドルが買い戻され、週末の23日(金)は4月新築住宅販売が予想を上回ったことでドルが買い進まれ一時102.02円まであり、引け値は101.95円でした。

柴田罫線のチャートは、これまでの三角保ち合いからいったん下放れとなり、21日(水)に100.80円まで円高が進みましたが、ここから反発となって101.95円で引けました。101~103円のボックス相場の形となりました。