先週は14,000円を守って、4月SQ値を上回って引ける

先週は、ゴールデンウィーク明けで3営業日しかありませんでしたが、そのゴールデンウィーク明けの7日(水)は、前日のアメリカ株安と1ドル=101円台半ばまで進行した円高を受けて▼424円の14,033円と14,000円すれすれまでの急落となりました。為替からみると、1ドル=101円が今年の円のフシですので、この101円を突破する円高にならなければ、日経平均は14,000円水準で止まり、14,000~14,500円のもみあいが想定されるとしました。

その後は、NYダウが終値ベースで史上最高値を更新する動きとなり、為替も円高進行が止まったことで自律反発の動きとなり、8日(木)は△130円の14,163円、9日(金)は△35円の14,199円と反発するものの、為替の円安への戻りも101円台後半程度でしたので、2日間で165円の戻りしか達成できませんでした。但し、週末9日(金)は、4月SQ値14,104円を終値で上回る14,199円で引けていますので、SQ値を守ることができれば、14,104円が目先は下値抵抗ラインとして作用することになります。

 

ウクライナ情勢やアメリカの景気指標で不安定な値動き

今週も引き続き14,000~14,500円の中でウクライナ情勢やNYダウの動きで不安定な動きが想定されます。ウクライナ情勢は、ウクライナ東南部での住民投票の延期をプーチン大統領が要請しましたが、親ロシア派は無視し、政府側との緊迫度が高まり、大統領選挙への警戒感がリスク回避の円高となれば、先物主導による売り仕掛けが出やすく14,000円攻防の動きとなります。又、NYダウが終値では史上最高値を更新するものの、ザラ場の高値を更新できずにいますので、このまま更新できなければ、いったん調整に入る可能性もあり、そうなると日経平均も影響をうけることになります。一方で、6月発表予定の成長戦略への期待や6月から本格化すると予想される年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額期待やPERが14.7倍まで低下して割安感もあり、14,000円以下へ下ブレする場面があれば押し目買い、待ち伏せ買いが入る可能性が高いといえます。

本日12日(月)は、NYダウの3日続伸や為替の円安基調ながら、先週末のシカゴ日経先物が▼35円の14,175円で引けていたことでこれにサヤ寄せする形で14,173円で寄り付き、その後は先週末の終値を挟んだもみあいとなっていましたが、マザーズ市場の急落を嫌気して▼50円の14,149円で引けました。

 

 

(指標)日経平均

先週は3営業日しかなく、前週に引き続いて14,200~14,500円のもみあいの継続が想定されるが、ウクライナ情勢の緊迫化によってはリスク回避の円買いとなって日経平均のもう一段の下値(14,000円水準)が出る可能性があるとしました。

結局、ゴールデンウィーク明けの7日(水)は、アメリカの長期金利の低下からのドル売りとウクライナ情勢によるリスク回避の円買いで1ドル=101円台半ばまで円高が進行し、▼424円の14,033円と14,000円を試す動きとなりました。その後2日間は反発するものの、2日間で166円しか戻ることができず、弱い自律反発となっています。但し、週末9日(金)の終値は14,199円となってSQ値14,104円を上回って引けました。

今週は、ウクライナ情勢とNYダウの高値圏から上に抜けることができなければ短期の調整も考えられ、日経平均は国内的に買い材料に乏しく、海外要因で不安定な値動きが想定されます。そうなると、14年3月期の決算発表が続いていますので、好決算株を14,000~14,500円の中で個別に物色する流れが続くことになります。

週明け12日(月)は、NYダウの続伸や円安基調も、先週末のシカゴ日経先物が▼35円の14,175円で引けたことで▼14,173円で寄り付き、その後は方向感の乏しいもみあいが続きましたが、結局マザーズ市場の急落につれ安する形で大引けは▼50円の14,149円でした。柴田罫線では、終値で14,000円を切ると短期の売り法則が追加されますが、その場合は下値は13,800円台もしくは13,600円台で、そこは好業績銘柄の待ち伏せ、もしくは追加の買いチャンスとなります。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週は、ウクライナ情勢と好調な景気指標との綱引きで高値圏のもみあいを想定しました。

週前半は、保険大手AIGの決算を受けて金融株が下落し大幅安となるものの、FRB議長の証言内容を好感してすぐに反発し、週後半は上値を試す動きとなって、9日(金)は△32ドルの16,583ドルと終値ベースでは史上最高値を更新するものの、4月4日のザラ場での最高値16,631ドルは1カ月以上も抜けないでいます。

今週も経済指標を睨みながら高値圏でのもみあいが想定されます。終値ベースでは史上最高値を更新するものの、4月4日の16,631ドルを更新できないでいます。ここを終値で抜けると一段高の期待ができますが、そうでなければいったん短期調整の場合も考えられます。

 

(指標)ドル/円

先週は、当面は三角保ち合いの中で101.5~103円のレンジを想定していました。

2日(金)はアメリカの4月雇用統計の予想以上の改善を好感し、ドルは一時1ドル=103.02円まで買われましたが、ウクライナ情勢の緊迫化を受けてリスク回避の円買いとなり、102.24円で引けました。その後はアメリカの長期金利の低下からドル売りが進み、リスク回避の円買いもあり、7日(水)は101.43円まで円高が進みました。想定したレンジの101.5~103円の下限から上限までを動いたことになります。

今週は、ウクライナ情勢の緊迫化から円安には動きにくく、101~102.5円とレンジがやや円高方向に動くことが想定されます。ウクライナ情勢の緊迫化が高まれば安全資産としての米国債が買われ、米金利や低位安定が続き、日米の金利差が広がらずドル買い・円売りの動きは出にくいと思われます。

ドル/円