先週は、14,000円割れから好材料続出で、薄商いのなか想定を超える14,500円台回復

先週の予測として、テクニカル指標は割安感が目立ち「14,000円以下は売られ過ぎ、弱気になるのは禁物」としました。中長期的には、円安トレンドも日経平均のトレンドも崩れておらず、目先の動きだけみると14,000円を割って「さあ大変だ」と思い、損切りする投資家が多くなるところですが、そんな弱気になったところで反転する場合が多く、そのため弱気になるのは禁物ですよというメッセージを出しました。

ただし、目先は日米の決算を控えて上値を試すのは難しく、上にブレても14,200円ぐらいを想定していましたが、結果的には14,500円を上回って引けました。その背景は、14,000円を切ったところで好材料が続出したことによります。まず、アメリカの決算でインテルやヤフーが予想を上回り、特にヤフーの決算でアリババの好業績が確認され、これを受けて大株主であるソフトバンクが急騰し、相場を牽引したことによります。更に国内では、安倍首相と黒田日銀総裁の会談が報じられて追加の緩和策への思惑が広がり、又麻生財務相による年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による株式運用に絡んだ発言もあり、16日(水)は△420の14,417円と今年2番目の上昇幅を記録しました。ウクライナ問題も、アメリカ、EU、ロシア、ウクライナの4者会議で緊張緩和に向けた枠組みを作ることが合意されリスクが後退したこと、アメリカの経済指標や企業業績の好調な発表が続いたこともあり、週末18日(金)は今年最低水準の売買代金の中で△98の14,516円と25日移動平均線(18日14,493円)を上回って、14,500円台を回復して引けました。

 

戻りを試しても市場ボリュームが増加しなければ要注意

先週は、前週の1,100円近い下げ幅のほぼ半値戻しの556円を達成し、いったん目標達成になるかどうかは別にして、さらに戻りを試す形となりました。ただし、戻りを試すにしろ上値は重く、企業決算をみながら一進一退の動きとなる展開が想定されます。下値をサポートするのは日銀の金融政策決定会合での追加の金融緩和策への思惑やオバマ大統領訪日でのTPPへの期待があります。相場環境を考えると、消費増税の影響や中国経済の景気の不透明さがありますが、ウクライナ問題の緊張が後退しているので、リスクはとりやすい流れとなっています。 問題は、海外投資家が日本株買いに戻ってくるのかどうかが注目となります。先週の18日(金)は、海外市場が休場とはいえ、売買代金は1兆1,502億円と極端に減少しており、市場ボリューム減少の中での株価の上昇ですので、安心して追随買いできる状況ではありません。何度も言いますが、今は14,000~15,000円の基本レンジ(上下に200円ずつくらいブレますが)であり、14,800円を上回ると再び15,000円に向かう展開となる可能性が高いので、ここからは14,000円水準で買った銘柄の利食いを考えるところです。市場ボリュームが増加しないまま戻りを試せば15,000円に戻す過程ですぐに下落に転じやすくなります。

チャートからは、25日移動平均線(20日14,504円)を上回ったので、次は75日移動平均線(20日14,904円)を目指す動きとなりますが、その前に14,650~14,800円が抵抗ゾーンとなり、14,800円を超えると15,000円台の可能性もあり、その場合は短期のカラ売りを考えていい状況になるかもしれません。

本日は、先週の週末海外市場が休場で買い材料が少ない中、日本の3月貿易収支が予想を上回る赤字幅となって、円が売られて多少円安となったことで日経平均が連動し、前場は14,649円まで上昇して、△91の14,607円で引けました。しかし後場になると先物に断続的に売りが出てマイナス圏に転じ、大引けは▼3の14,512円となりました。薄商いの中ですので、これまでのように先物主導でボックス圏の中を上下動が繰り返されているだけだといえます。

(指標)日経平均

前週末の11日(金)は、13,885円まで下がって13,960円と14,000円を割れて引けましたが、チャートでは13,600~13,800円は抵抗帯であり、低PERや為替が101円を切らなければ14,000円を大きく割り込むことは考えにくく、先週の予測としては安値圏での一進一退の動きを想定しました。

結果的には、週前半は14,000円を上値にもみあっていましたが、16日(水)はアメリカのネット株の上昇を受けてソフトバンクが急騰となって相場を牽引し、財務相発言によるGPIFでの株式投資の運用発言も加わって△420の14,417円の大幅高となりました。17日(木)に一服したあと週末の18日(金)は、今年最低の売買代金で閑散相場の中を△98の14,516円と反発し、25日移動平均線(18日14,493円)を上回って引けました。

先週は週間で556円上昇し、その前の週の週間で1,100円近い下げの半値戻しとなりましたが、市場ボリュームは盛り上がらす、一段の上値追いは難しいかもしれません。今週は、チャートをみてもフシのところにあたっており、企業決算を睨み一進一退の展開が想定されます。一段高には日銀の金融緩和策の思惑やオバマ大統領の来日が期待されるところです。

週明け21日(月)は手掛かり材料が少ないなか日本の貿易赤字の拡大で円安に振れたことで、前場は14,649円まで上昇し△91の14,607円で引けました。しかし市場ボリュームは低水準のままで、後場になると先物主導で売られ上げ幅を縮小してマイナスに転じ▼3の14,512円で引けました。25日移動平均線(20日14,504円)をかろうじて守りましたが、明日も守れるかどうか注目となります。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、決算発表を睨みながら16,000ドル水準でのもみあいを想定しました。結果的には経済指標の改善が続き第一四半期決算も予想を上回る企業が多く、11日(金)の16,015ドルを安値に下値を切り上げる展開となり、週明けの14日(月)から16日(水)までは3日続伸で16,424ドルで引けました。3連休前に17日(木)は方向感のない動きとなって▼16の16,408ドルで週の大引けとなりました。

今週は、主要企業の1-3月期決算発表のピークを迎え、アップルやフェイスブックなど注目企業の発表が相次ぎ、結果によって一進一退の動きとなりそうです。経済指標では、回復が鈍い住宅分野の結果が注目となります。チャートの形としては、4月4日の16,631ドルの史上最高値を抜くことができなければ、三尊天井の形になりやすくなります。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、ドル/円相場はドルの安値を2月5日の100.8円とし、高値を4月3日の104.1円とする三角保ち合いとなっており、徐々に煮詰まってはいるものの今のところどちらか一方に傾きにくく、101~103円の中のもみあいが続くとしました。

結果的に、14日(月)の101.4円を安値に徐々にドル買いの動きが高まり、16日(水)は102円台前半のドル高・円安となり、3連休前の17日(木)は102.57円まであって102.4円台で引けました。

今週は、4月29日~30日のFOMCで100億ドル規模の量的緩和の縮小の継続見通しであり、一方では日銀の追加緩和の思惑があるところから、日米金利差拡大観測によりドル買い・円売りの基調となりそうです。101.5~103円のレンジを想定。

ドル/円