先週は、想定した14,000~14,500円のボックス圏の中で乱高下

先週の予測では、クリミア共和国におけるロシアへの編入が住民投票によって編入賛成派が95.5%にのぼる圧勝となったことで、この結果に反対する欧米とロシアの対応に注目とし、チャート的には安値圏に突入しているとしました。大きくは14,000~15,000円の中の14,000~14,500円のボックス圏の中のもみあいとなって、たとえ14,000円を割る急落となっても一時的であり、そこは買いチャンスになるとしました。買う方法としては、一段下があるのを絶えず想定して買うことをアドバイスしていますので、2回目もしくは3回目の買いとなるかもしれませんが、14,000円水準以下は需給関係の悪化による売られ過ぎと考えられます。

結局、週半ばまではクリミアの住民投票は武力衝突などなく終わり、プーチン大統領が「ウクライナのさらなる分割を目指していない」と発言したことで、ウクライナ情勢の緊迫感は後退して欧米株式は上昇するものの、為替は1ドル=101円台前半の円高水準のままであることを嫌気して、日経平均は14,000~14,500円のボックス圏を基本に下値を試す動きとなりました。連休前の20日(木)は、前日のFOMCで100億ドルの量的緩和は実行され、イエレン議長が15年春には利上げの可能性を示したことでNYダウは下落するものの、為替は102円台前半へと1円近い円安となりました。しかし、この急激な円安で日経平均は前場に寄り付きで14,500円台を回復するものの、3連休を控え先物主導で全面安となって▼238の14,224円で引けました。相変わらず薄商いの中を先物主導で乱高下する場面がみられました。

今週は自律反発の動きへ。市場ボリュームの増加が続くかに注目

今週は、為替も先週のイエレン議長の会見でアメリカの利上げの時期が想定よりも早くなるとの観測から為替が1円近く円安へ動き、日米金利差から円安の流れが続けば、好調な輸出企業の業績をさらに後押しすることにもなり、上昇要因となります。3月9日~15日に外国人投資家が1兆924億円と2005年の統計開始以来の大幅売り越しとなっており、今年になってから外国人の売り越しが続いていますが、欧米に比べて日本株式は割安感が出ており、外国人の売りもそろそろ買いに転じてくるころだと思われます。但し、反発に転じても14日時点の買い残をみると、日経平均が900円近く下落する局面で割安感から買い残が急増しており、商いを伴って反発しないと戻り売りに押され上値は限定的になってしまいます。この1~2週間の好業績の中小型株が大幅下落となったのは、売りが弱いとみた信用買いの投げが大きいと思われます。

今週は、月末までは機関投資家は動きにくいところですが、新年度入りから新規資金の流入期待や週前半は配当取りの物色が相場を支えて自律反発の可能性がありますが、それが持続するためには出来高・売買代金が増加するかどうかにかかります。増加しないで大きく上昇する場合は、これまでのように先物主導による仕掛け的な売買によるものですので乱高下する可能性があります。

昨年の12月30日の16,320円の高値から2月5日の13,995円まで下落し、それ以降は14,000~15,000円のボックス圏の動きとなり、この中で14,000~14,500円の小ボックス圏の中で下限の14,000円を試す動きとなっていました。先週は、ウクライナ問題を巡るロシアの経済制裁の動向や中国の景気減速などの海外要因を受けて、薄商いの中を先物主導で乱高下する動きとなりました。先週の日足の動きをみると、17日(月)に14,203円の安値をつけ、19日(水)には14,663円まで上昇し、翌日の3連休前の20日(木)には14,207円まで下げて14,224円で引けました。日足でみると、14,203円と14,207円とダブル底に近い2点底となっていますので、このまま14,203円を切らずに14,663円を終値で上回れば15,000円を目指す形となります。

先週は、チャート的には割安圏に突入とし、14,000~14,500円の中で14,000円水準以下あれば、まだ買いそびれている人や買い下がっていた人には2回目か3回目の買いチャンスになるとしました。結局、本日の動きをみていると、日足では先週の17日(月)の14,203円と20日(木)の14,207円をダブル底の形として反発した形となっています。 本日は出来高・売買代金を伴って上昇し、△251の14,475円の大幅高となりました。しかし、これまでのように先物主導で主力株が買われたのではなく、下げ過ぎていた中小型株の買い戻しによる全面高となっています。中国の経済指標の悪化やウクライナ情勢の緊迫化にもかかわらず上昇しましたので、買い戻しが終われば反落という可能性もありますので、高値では買わないスタンスが大事です。まずは14,663円を上回ることができるかどうか注目となります。

(指標)日経平均

先週の予測では、14日(金)に▼488の14,327円の急落となって短期の売転換が出現したことで今週は乱高下が警戒され、14,000円水準を試す局面あれば買いチャンスとしていました。

週前半はクリミアの住民投票を混乱無く終え、プーチン大統領が「ウクライナの分割を目指していない」と表明したことで緊迫感が後退し欧米株高となったことで、19日(水)は14,663円まであって△51の14,462円となりました。しかし、3連休前の20日(木)はイエレン議長の予想より早い利上げ発言でドル買い・円安となって買い先行で始まるものの、薄商いの中を先物主導で売られ▼238の14,224円と2月6日以来の安値水準で引けました。

今週は、先週の日足の動きからみると下値を確認する動きとなっており、一旦自律反発の可能性があります。自律反発が本格的な戻りになるためには市場ボリュームの増加が期待されるところです。ウクライナ問題を巡るロシアへの経済制裁の動向や中国の景気減速懸念など不透明な部分がありますが、来週の4月新年度入りや欧米株式に比べての割安感、日米金利差拡大からの円安方向を考えると、そろそろ反発してもおかしくありません。日足では先週17日の14,203円、20日の14,207円とダブル底の形となっており、19日の14,663円の高値を上回ると、目先はダブル底が確定して更に戻りを試す可能性が高まります。逆に14,207円を下に切ると14,000円水準を試すことになります

連休明けの24日(月)は、配当狙いの買いや下げ過ぎていた中小型株の買い戻しで全面高となって△251の14,475円の大幅反発となりました。一時200日移動平均線(14,505円)を上回る14,514円までありました。但し、中小型株の買い戻し中心ですので、買い戻しが終わったあとそのまま上昇が続くかどうかは市場ボリュームの増加にかかっています。

 

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、クリミアの住民投票の結果を受けて欧米とロシアの対立の行方が不透明なため神経質な展開が予測され、又FOMCで金融政策に変化があるかどうか注目としました。

結局、クリミアの住民投票が武力衝突無く終え、プーチン大統領が「ウクライナの分割を目指していない」と表明したことで緊迫感が後退し、欧米株式は一旦反発となり18日(火)に16,336ドルで買転換が出現しました。しかし、その後はウクライナ情勢を巡る欧米とロシアの対立や中国の景気減速懸念とアメリカの住宅指標の改善による景気回復期待の綱引き状況となってもみあいとなりました。FOMCでは量的規模の縮小は想定通り実行されましたが、イエレン議長が量的緩和の終了後6カ月位で利上げを行う可能性を示したことで予想より早過ぎるとの見方から株価が下落する場面があり、為替が1円近い円安となりました。週末21日(金)は▼28の16,302ドルで引けました。

今週も引き続きウクライナ情勢を巡る警戒感とアメリカの改善されてきている経済指標の発表で高値圏でのもみあいが続く展開となりそうです。上値を追うためには27日(木)の10~12月GDP速報値が注目となります。柴田罫線では18日(火)に16,336ドルで買転換となっており、14日の16,046ドルを終値で切らなければ底堅い動きが続くことになります。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、ウクライナ情勢とFOMCでのイエレン議長の「金融政策運営方針」が注目となるとしました。

クリミアの住民投票が武力衝突も無く終わり、欧米とロシアの対立も経済制裁などでの外交問題として展開される可能性が高まったことで、不透明感は残るものの緊迫感は後退し、為替も101円台前半からリスク回避の円買いとはなりませんでした。アメリカでイエレン議長が量的緩和を終了して6カ月後の来年春頃に金利を引き上げる可能性を示したことで、予想よりも早い利上げとみられてドルが買われ101.24円から102.68円のドル高・円安となりました。想定レンジを100~103円としていましたが、101~103円となりました。

今週は、来年の春にも利上げするという観測が急浮上したことで日米金利差からドル買い・円安の動きとなりやすいといえます。ウクライナ情勢が注目されますが、G7での緊急首脳会議で発表されるロシアへの制裁内容が厳しければリスク回避の円買いとなりますが、今のところ想定通りの限定的な制裁の可能性が高く、そうなれば緊張は和らいで円が買われる展開にはなりにくいと思われます。101~103円のレンジを想定。

ドル/円