2014年2月25日

先物主導で大きな上下動。週末は反発し7週間ぶりの週足の陽線

先週の予測として、当面はヘッジファンドの先物主導の動きに注意とし、2月5日の安値13,995円に対するダブル底(もしくは2番底)を試す動きになるとしました。新興国通貨安問題が再び起こる場合と起こらない場合の2つのシナリオを考え、今のところ新興国通貨安問題が起こらない前提で相場を考えるとしました。その場合は、14,000円前後でダブル底形成か2番底を形成して日柄調整に入り(14,000円台前半での下値固め)、そのあと本格的に戻りを試す動きを想定しています。又、柴田罫線では14,800円以上で引けると一段高の形となるともしています。

週明けの17日(月)は14,214円まで下げて△80の14,393円と反発し、18日(火)に日銀金融政策決定会合で金融政策は「現状維持」となったものの成長基盤強化を支援するための資金供給の規模を2倍にして1年間延長したことがサプライズとなり、日経平均は先物主導で裁定買いを誘って急伸し△450の14,843円と今年最大の上げ幅となり、柴田罫線では買転換出現となりました。しかし、出来高・売買代金が伴っておらず、20日(木)になると中国の製造業PMIが予想を大きく下回ったことを先物主導で裁定解消売りを誘って売られ、▼317の14,449円の大幅下落となりました。週末21日(金)は前日のアメリカ株式が反発したのを受けて先物主導で△416の14,865円の大幅反発で引けました。

14,000~15,000円のボックス圏の中での日柄調整中

売買代金は、17日(月)、19日(水)、21日(金)と2兆円を切る今年最低水準の薄商いの中先物主導で大きく上下に振り回される動きとなっていますが、14,000~15,000円の大まかなボックスの中では下値を切り上げる形となっており、17日(月)の14,214円を安値に18日(火)の△450の14,843円で買転換となっているため、一応目先的に13,995円に対する2番底を確認した形となります。(ただし、上述したように薄商いの中で先物主導による結果ですので、信頼度は少し弱いといえるかもしれません)。さらに日経平均は今年の初めから下落基調が続いていましたが、週間ベースで7週間ぶりの上昇となりました。このまま上昇が続くには外国人買いが入って市場ボリュームを期待したいところですが、2月2週の投資主体別売買動向では先物で10週間ぶりに買い越しになっており、2月3週も買い越しになっていれば、再び外国人買いが期待できるところです。テクニカルでみても、25日移動平均線(21日14,899円)、26週移動平均線(21日14,898円)をザラ場では超えてきており、終値ベースでいつ上回って引けるかが注目となっています。本格的な戻りは、75日移動平均線(21日15,195円)を終値で上回ってからとなります。

以上のチャートの動きや需給の改善期待を考えると、14,000~15,000円のボックス圏の中で日柄調整をしたあと上に向かう確率は高いといえます。本日24日(月)の動きは、前場は▼62の14,803円で寄り付き一時▼113の14,752円まで売られたあとプラスに転じ、14,982円と15,000円に接近しました。商いは低水準ですが、ある程度の日柄調整が進んでいることや海外の株式が高止まりしていることで日本株の出遅れ感から一部の先物買いで上げ幅を拡大したというところです。しかし、後場になると一転して先物主導でマイナスに転じて14,658円まで下げ、終値は▼27の14,837円となりました。先週に引き続き先物主導の上下動が続いています。

(指標)日経平均

先週の予測では、前週末に▼221の14,313円で引けたことで新興国問題が一服化していれば、下値は14,000円前後でダブル底(もしくは2番底)をつけて、日柄調整に入ることを想定しました。

週明けの17日(月)は14,214円まで下げて△80の14,393円と反発し、18日(火)は日銀金融政策決定会合で成長基盤強化の支援として資金供給の規模を2倍化したことがサプライズとなり△450の14,843円と今年最大の上げ幅となりました。しかし、20日(木)は中国の製造業PMIが予想を大きく下回ったことで▼317の14,449円と大幅下落しました。週末21日(金)は下げ過ぎのリバウンドで△416の14,865円の大幅反発で引けました。結局、薄商いの中を先物主導で大きな上下動を繰り返しました。ただし、週足でみると7週間ぶりの上昇となりました。

チャートをみると、14,000~15,000円の大まかなボックス圏の中で2月5日の13,995円を安値に2月17日の14,214円、20日の14,428円と順次下値を切り下げる形となり、18日には柴田罫線では14,846円で買転換出現となっています。ただし、14,800円台は昨年この水準で上値のフシを作ったところであり、なかなか一気に抜けずにいます。今週は25日移動平均線(21日14,899円)、26週移動平均線(21日14,898円)を抜けて15,000円をクリアーできるかどうか注目となります。75日移動平均線(21日15,195円)を上回れば本格的な戻りが期待できますが、何か新しい好材料が出なければ難しいと思われます。出来高薄の中を先物主導の上昇というところが気になりますが、チャートの形としては、今のところ徐々に上を目指す形になりつつあります。

週明け24日(月)は先物主導で荒い動きとなりました。前場は▼113の14,752円まで売られたあとプラスに転じて14,982円と15,000円に接近し、後場になると一転してマイナスに転じて14,658円まで下げ、再び下げ幅を縮小して▼27の14,837円で引けました。薄商いのため実需が少なく先物に振り回される展開が続いています。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、この冬の歴史的な大寒波のアメリカ経済に及ぼす影響が注目となり、目先は16,200ドル台からは上値は重くなるとしました。

結局、19日(木)に16,225ドルの高値をつけたあと金融緩和継続期待の後退や住宅指標の予想を下回る結果を受けて16,006ドルまで下落。その後製造業PMIの改善を受けて16,161ドルまで上昇するものの週末21日(金)は再び弱い住宅指標を受けて▼29の16,103ドルで引けました。

今週も引き続いて16,000ドル水準でのもみあいとなりそうです。まだ大寒波がアメリカ経済に与える影響を見極めたい状況で、そのため小売各社の11~1月期決算が多数予定されており、注目となります。又、27日のイエレンFRB議長の議会証言も注目といえます。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、前週の流れを引き継いでやや円高・ドル安の方向を想定しました。

しかし、18日(火)に日銀金融政策決定会合で成長基盤強化の支援として資金供給の規模を2倍化したことが好感され日経平均は△450の14,843円と急騰し、円も102円台後半の円安進行となりました。その後は22~23日のG20での金融政策正常化への支持の表明期待でドル買い、日本の1月の貿易収支赤字の過去最高の結果から円売りの流れで102円台での推移が続きました。ドルの上値はアメリカ景気の大寒波への影響懸念から重く、円の上値は日銀の追加緩和への思惑から重く、ドル・円共に一方的な方向には動きにくいところです。101.5~103.5円のレンジでの動きを想定。

ドル/円