先週は、三角保ち合いの中で、終値で下値サポートラインにあたり反発

先週は、しばらくは日経平均、為替とも三角保ち合いを継続し、方向性がわからない時は相場を休むとよいとしました。ドル・円チャートと日経平均のチャートはともに2月末を安値とし、5月22日と5月23日を高値とする三角保ち合いになっており、この中で煮詰まりながら方向感のない動きになっていました。材料の強弱感の対立があるためですが、その材料を使って夏枯れ相場の中で、先物主導で大きく上下動して振り回されている状況にありました。

8月12日(月)の時点では、「下値ポイントは7月29日(月)の時点で13,300円水準でしょうが、8月2日(金)に14,466円まで戻しての下落ですので、13,000~13,300円のゾーンを考えていた方がよい」と予測しました。

先週の19日(月)は三角保ち合いを下放れし、13,000~13,300円水準まで下がると最もわかりやすい買いポイントでしたが、ここを想定して個別銘柄は損切りを設定して少しずつ買い下がるのもよいとしました。又、三角保ち合いのボックスで考えれば、13,430円を下値と考えて、13,500円水準で買って14,000円台にのせたら利益確定を考えるともしました。

21日(水)には、リスクをとれる人は13,400~14,000円のボックス相場を想定し、ボックスの下限で買って上限で売るという短期の利ザヤとりに徹することとしました。

結果的に20日(火)は、新興国の通貨安・株安と円高を受けて▼361の13,396円となり、22日(木)には、ザラ場では13,238円と13,300円を割り込んで▼59の13,365円で引け、三角保ち合いをザラ場では切るものの、終値では三角保ち合いの下値サポートラインにあたって、23日(金)には一時△409の13,774円まで上がって、△295の13,660円で引けました。この形ですと、三角保ち合いの下限を試したことで次は上値を試す動きとなり、悪材料が出なければ、まずは8月14日の14,050円、ここを突破できれば、8月2日の14,466円となります。

三角保ち合いの中でのボックス相場へ

先週は、ザラ場では三角保ち合いを下に切り、22日(木)には13,238円まで下落するものの、終値では三角保ち合いのサポートラインで止まり、23日(金)には△295の13,660円の大幅反発となりました。日経平均はすでに6月13日の12,415円から7月19日の14,953円までの上昇幅の2/3押し水準(13,261円)まで下げており、値幅調整としてはいいところではないかと思われます。ただし、当面の下値を確認したとしても、三角保ち合いの中での反発となりますので、長期保有はリスクが高い可能性があります。

今週は、国内外の重要なイベントを9月に控え、特にアメリカの量的緩和の縮小時期を巡る思惑に左右される展開が続きそうです。今週から来週にかけて発表される経済指標が予想を上回り、来週末の8月雇用統計が良ければ、量的緩和の縮小の実施の可能性が高まります。実施されることで世界的な株価の急落が起これば、絶好の買い場となる可能性が高いでしょう。なぜならば、縮小の実施は「アメリカの景気が回復している」ことを示すものですから、悪材料を織り込んだとして急反発することになります。

もう1つは日本の消費税増税問題ですが、これも今のところ不透明といえます。チャートからは、13,000~13,300円ゾーンは下値抵抗ゾーンとなっておりますので、リスクをとれる人はここまでの下げがあることを前提に、三角保ち合いの中の13,300円台~14,300円のボックスを想定し、下限で買って、14,000円台にのったら利益確定を考える方針でよいと思われます。

三角保ち合いの中で、ボックス相場の意味

今回、三角保ち合いの下限で下値を確認したとしても、三角保ち合いを上に抜けていく(14,500円台を突破)ような動きにはなりにくいと思われます。その大きな要因に需給要因があります。5月23日のピーク時に76億5000万株という史上最大の大商いとなっており、この期日が11月23日に到来しますので、ある程度上昇すると9月、10月は戻り売りに押される展開となる可能性があります。もし、10月相場が軟調であれば、高値期日1カ月前に投げが出てくる可能性があるので、急落の可能性もないとはいえません。

ほとんどの主力株が日経平均とドル・円チャートと同じような三角保ち合いになっていますが、三角保ち合いの中をみてみると、不動産などの主力株は4月に高値をつけている銘柄も多く、これらの中には三角保ち合いを下放れしているものがみられます。それは、高値期日が10月にやってくるため、そろそろ見切り売りが出てきているとみることもできます。そのため、今回の上昇が多少続くとしても、銘柄選びが大切になります。

(指標)日経平均

先週の予測では、2月27日の11,253円を安値の基点とし、5月23日の15,942円を高値の基点とする三角保ち合いとなっており、この中で8月2日の14,466円を上値抵抗ラインとし、下値抵抗ラインを13,300円台(前回のコメントではチャートの引線を1月23日の10,486円から間違って引いたため、8月12日の13,430円を下値抵抗ラインとしましたが、訂正いたします。)とするもみあいの中で煮詰まりつつあるとしました。

結果的に、8月20日(火)に▼361の13,396円となって、2月27日の11,253円からの三角保ち合いの下値抵抗ラインにサポートされた形となり(ザラ場安値は8月22日(木)の13,238円と三角保ち合いを少し切った形)、週末23日(金)は△295の13,660円と大幅反発となりました。三角保ち合いの下限に到達し、今度は上値を試す形となって三角保ち合いが煮詰まっております。目先は、8月14日の14,050円が上値抵抗ラインとなりますが、ここを抜けると14,400円を試すことになりますが、それでも三角保ち合いの中の動きですので、13,300~14,000円(もしくは14,300円)のボックス相場の中で、下限に接近すれば買って14,000円台で利益確定という投資となります。

週明け26日(月)は、海外株高を背景に買い先行となって13,741円まで上昇するものの、国内の材料不足とアメリカの量的緩和の不透明さから、薄商いの中を先週末の終値を挟んだ方向感のない動きとなり、▼24の13,636円で引けました。

日経平均

(指標)NYダウ

先週は、8月16日(金)は▼30の15,081ドルで引けましたが、そのまま下げて引線の終値で14,756ドルで引けると売転換となって、調整が長引くことになると予測しました。そうでなければ高値圏でのもみあいが続くとしました。

結局、アメリカの量的緩和の縮小が早期に実施されるとの思惑から長期金利が上昇し、小売大手のウォルマートが下方修正となったことで、21日(水)は▼105の14,897ドルと15,000ドルを割り込みました。しかしその後、中国、ユーロ圏、アメリカのPMIが揃って予想を上回ったことで世界的な景況感の改善から6日ぶりに△66の14,963ドルと反発し、週末23日(金)は量的緩和の縮小観測が後退したことで△46の15,010ドルと15,000ドル台を回復しました。目先の下値抵抗ラインに接近して反発となっていますが、出来高が薄い中の反発ですので、今回は神経質な展開となりそうです。29日(木)に4-6月期GDPの発表で、予想を上回ればドル買い、株高となりそうです。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、三角保ち合い(A)の中で、上値99円、下値は95円の間でのもみあいが続きそうだとし、方向性としては、量的緩和の縮小が遅かれ早かれ始まることで、日米金利差拡大から円安方向に動きやすい状況としました。結局、9月のFOMCでの量的緩和の縮小時期が9月の実施となる観測から長期金利が2.92%まで上昇し、それにつれてドルは96.91円から99.15円まで上昇し、98.65円で引けました。

今週は、米住宅関連指標や4-6月期のGDP改定値が予想を上回れば緩和の縮小が9月に実施されるとの思惑がさらに高まり、長期金利が一段高となれば、1ドル=100円を試す可能性もあります。予想を下回れば、ドル売り要因となって円安一服となり、99円を挟んだもみあいとなりそうです。予想レンジは97~100円。

ドル/円