先週は、想定の14,700円台を一時上回るが、週末急落

先週は、21日(日)に参議院選挙を控え、又バーナンキ議長の議会証言も控えていることから様子見が基本であり、上値は下げ幅の2/3戻しの14,767円を試す動きぐらいを想定しました。

3連休明けの日本市場は、連休中のアメリカ株式の上昇を受け、又参議院選挙での自公民で過半数獲得の報道を受けて「ねじれ国会解消」期待もあって買い先行で始まり、上値は重いものの堅調な動きでした。東証と大証の現物市場の統合は、システム障害もなく進行し、上場する企業数では世界第3位の市場が誕生しました。

18日(木)には、前日のバーナンキ議長の議会証言で「今年後半にも量的緩和の規模の縮小に踏み切るものの、雇用改善などが進まなかったら縮小時期を遅らせる」と従来の発言となったことでアメリカ市場は底堅い動きとなり、長期金利が買われて99円台半ばの円安方向となり、それを受けて日経平均は△193の14,808円と14,800円台を回復しました。

週末の19日(金)は、NYダウがザラ場での史上最高値を更新し、為替が1ドル=100円台の半ばとなったことで△101の14,909円で寄り付き、一時△145の14,935円となり急伸しました。ところが、10時10分頃に先物に大口の売りが入りマイナス圏に沈むと、システム売買とみられる売りが広がり、10分程度で前日比▼395の14,413円(この日の高値14,931円からは500円以下の下げ)まで下げ、大引けは▼218の14,589円で引けました。5月23日の急落場面と同様に先物の指し値板が極端に薄い中、売り仕掛けから先物主導で裁定売りを誘い、売りが売りを呼ぶ展開となりました。引けにかけては買い戻しが入ったことで週間ベースでは5週連続の陽線となっています。

これまで参議院選挙日に向けて上昇すれば、選挙日前後に材料出尽くしとなる可能性が高く、又6月27日の安値12,873円から短期の急伸となってテクニカル的にも過熱感があり、6月13日の当面の底値からの2/3戻しの14,767円を目指す動きとなっていることで、確率で考えると、先週はいったん利益確定する局面だとしてきました。

目先は、短期調整となるかどうかに注目

先週末の19日(金)は、自公民による過半数獲得が確実視され、一時14,953円まで上昇後、仕掛け的な売りもあり、目先材料出尽くしの見方もあって14,413円まで急落し、終値は▼218の14,589円でした。そして、参議院選挙の結果は予想通り自民党の圧勝で、本日22日(月)は寄り付きこそ△180の14,770円と高かったものの、ここを上値に上げ幅を縮小する動きとなりました。一時マイナス圏に沈み、14,514円まで下げるものの押し目買い意欲が強く、△68の14,658円で引けました。

基本的には、参議院選挙の結果を受けて「ねじれ国会が解消」し、安倍政権は長期安定政権として政策運営ができることで、日銀の金融政策と上手くかみ合えば、さらに景気回復期待が高まることになります。先週は、5月23日の高値15,942円から6月13日の12,415円までの下げ幅の2/3戻しの14,767円を達成しており、「半値戻しは全値戻し」の格言通り、2/3まで戻してきましたので、いずれ全値戻しとなってくることが想定されます。そのためにも、いったんテクニカル的な調整が欲しいところです。

自民党の勝利による「ねじれ国会解消」を織り込み、次は安倍政権が引き続き成長戦略をどのように実行していくのかを見極めるところであり、それが市場を満足させるものであれば、8月に向けて年初来高値を目指す動きが想定されます。今月末から本格化する第一四半期決算は、ある程度の好調を既に織り込んでいるため、このまま上昇すれば、一本調子に上昇するのは難しいかもしれません。日柄調整かある程度の値幅調整がほしいところです。

短期調整(1~2週間)する場合の下値ポイント

目先の下値ポイントは、7月SQ値14,410円ですが、先週末の19日(金)に急落して11,413円まで下がって反発しています。ここを切ると7月8日の14,109円ですが、ここは6月13日の12,415円から7月19日の14,953円までの上昇幅の1/3押し(14,107円)にあたるところですので、この水準まで値幅調整があれば買っていくところです。

一服したあとすぐに上昇した場合

基本的には、次の大きな調整を待つことになります。リスクをとれる人は、好業績の出遅れ銘柄で、損切りポイントを設定しての押し目買いとなります。参考銘柄として提供しています。

(指標)日経平均

先週の予測では、テクニカル的に短期の過熱感があり、参議院選挙の結果を注目する外国人投資家も多く、上値は重たいものと想定し、14,700円水準(下げ幅の2/3戻し14,767円)が目先の上値抵抗ラインとしました。

結局、17日(水)のバーナンキ議長が議会証言で、従来通りの金融緩和維持の必要性に言及したことで買い安心感が広がり、18日(木)は△193の14,808円と14,800円台を回復しました。週末の19日(金)は、自公民の圧倒的勝利の報道もあり、前場は一時14,953円と15,000円近くまで急伸しましたが、その後一転急落となり▼395の14,413円まで下げて、終値は▼218の14,589円で引けました。今回の上昇が、自公民の過半数による「ねじれ国会解消相場」の側面をもつことから、材料出尽くしとなったようです。

チャートからは、反発して引線の終値が14,828円以上で引けるとろく買が出現し、15,000円を試す動きが想定されますが、材料出尽くしとなって調整するようなら下値ポイントは、1つ目は7月SQ値14,410円、ここを切ると7月8日の14,109円となります。その下は13,700円水準があります。本格化する企業決算が下値を支えることになりますが、アメリカの一部のハイテク株の不振や新興国の景気減速が気になるところです。

週明け22日(月)は、参院選の結果を受けて△180の14,770円で寄り付くものの、材料出尽くしの見方もあってマイナスに転じ、一時14,514円まで下落するものの押し目買い意欲が強く△68の14,658円で引けました。出来高・売買代金は先週末より大きく減少しています。

日経平均

(指標)NYダウ

先週の予測では、バーナンキ議長の議会証言に注目が集まるとし、内容に大きな変更がなければ、NYダウは5月22日のザラ場高値15,542ドルを試すことが想定されるとしました。

結局、17日(水)のバーナンキ議長の議会証言は従来通りの内容だったことで買い安心感から上値を試す動きとなり、金融大手の決算が好調だったことで相場を下支えし、18日(木)は一時△119の11,589ドルとザラ場での史上最高値を更新しました。週末は、マイクロソフトなどIT関連企業が低調で▼4の15,543ドルの小反落で引けました。

今週は、高値圏での決算発表に一喜一憂する展開となりそうです。アップルやキャタピラーの決算発表に世界経済減速の影響がはっきり出てくるかどうかが注目となります。出てくるようすと、目先ダブル天井のような形で、相場は一服すると考えられます。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、バーナンキ議長の議会証言によって円安、円高のどちらかに振れやすいとしました。

週前半は、99円台前半の動きでしたが、17日(水)のバーナンキ議長の議会証言は従来通りの内容だったことで、株式は買い安心感から史上最高値を更新する動きとなり、金利は低下してドルが買われ1ドル=100円台のせとなりました。引き続いて週末も100円台半ばで引けました。

今週は、選挙結果によっては円が一段安の可能性があると考えられます。予想通りであれば材料出尽くしから株と為替は一服し99~101円のレンジが想定されます。

ドル/円