戻りを試すものの、為替が円高にブレて上値重い展開

先週は、参議院の選挙日に向けて戻りを試す可能性高く、選挙日前後に材料出尽くしからいったん調整の場合も考えられるため、安いところで買った保有銘柄は利益確定優先が基本であるとしています。日経平均の戻りのメドは5月29日の戻り高値14,512円、その上は、目先は上昇しても14,700円水準とみています。

先週は、8日(月)には中国市場の急落を嫌気して▼200の14,109円の大幅反落となりましたが、アメリカの景気回復期待と円安から9日(火)は△363の14,472円と大幅反発となりました。週後半は、バーナンキ議長が「緩和策の継続は必要」と述べたことで、9月にも金融緩和の縮小開始が始まるという思惑が後退し、ドルが売られて98円台の円高となりました。そのため、日経平均は先高期待があるため下値は堅いものの、方向感のない動きとなりました。週末12日(金)は、14,574円まで上昇し、終値は△33の14,506円と14,500円台を回復しました。5月23日の高値16,942円から、6月13日の12,415円までの大幅下落から2/3戻しの14,767円が次の目標となります。トピックスは下げ幅の2/3戻しの1,204Pを一時上回り、△7の1,201Pで引けていました。

参議院選挙後どうなるのか注目となり、今週は様子見が基本

21日の参議院の選挙日を前に、海外投資家は「結果を確認して動く投資家が多い」ため、様子見ムードが広がる可能性が高いといえます。4週連続の上昇で上げ幅は1,800円強となっており、又円高へブレていることで上値が重い状況となっています。自公民過半数の獲得による「ねじれ国会の解消」は、かなり織り込んでおり、選挙後は材料出尽くしから調整(日柄調整もしくは値幅整理かは未定)があってもおかしくありません。そうなれば、再び格好の買いチャンスとなると思われます。キャッシュ化しているほど、大きなチャンスとなると思われます。

昨日15日(月)の中国の4-6月期GDPは△7.5%と前期の△7.7%を下回ったものの、予想の範囲内として、アメリカ株式は、NYダウ、S&Pは史上最高値更新、ナスダックは12年10カ月ぶりの高値となり、これを受けて本日の日経平均は△88の14,594円で寄り付き、14,638円まで上昇しました。しかし、円安一服からやや上げ幅を縮小し、△92の14,599円と3日続伸しました。

今週は、17日(水)~18日(木)のバーナンキ議長の議会証言が注目となります。QE3の出口のタイミングをバーナンキ議長が臨機応変に発言してアメリカ株高につながっていますが、今回はどのような発言になるか見所です。又、自公民の過半数は、確定的な予想となっており、選挙後の来週の海外投資家の動きが注目されます。本日は、14,638円まで上昇しましたので、為替次第では2/3戻しの14,767円を試す動きが想定されます。

今週一杯で手仕舞いしなければいけないのかについて

参議院選の結果を受けて日経平均がどうなるかは誰にもわかりませんが、短期間の上昇率や「ねじれ国会の解消」期待で上昇してきたことで、確率的には、さらに上を目指すよりもいったん調整の確率が高いという見方からのアドバイスです。もし、自民党が単独過半数をとれば、公明党を気にせずに政策が打てるので、海外投資家はプラス評価して週明けもう一段上昇することもないとは言えません。あまり動いていない銘柄は損切りを前提に保有しても構いませんが、利益が出ているのはキャッシュ化した方が次のチャンスに生かせると考えられます。このような状況は投資家自身の判断が基本となります。どうしても利食いの判断ができない方で1つの銘柄につき何株も持っている場合は、半分だけ利食ってみるなどの対応をされてもよいでしょう。現時点では、調整があっても、調整後は15,000円を目指す確率は高いと思われます。

(指標)日経平均

先週の予測では、21日の参議院選の投票日に向かって戻りを試すものの、目先の上値ポイントは5月29日の戻り高値14,512円、61.8%戻しの14,595円としました。引線の終値で14,329円を上回れば「ろく買」が出現して、さらに上値を試すともしました。

8日(月)にアジア株安を受けて▼200の14,109円と反落したものの、9日(火)は△363の14,472円となって「ろく買」が出現しました。戻りを試す形となり、週末12日(金)は△33の14,506円と14,500円台を回復しました。前週まで4週連続の上昇で上げ幅が約1,800円となっており、5月23日の急落からの下げの2/3戻しを達成しました。

今週は短期の過熱感もあり、参議院の選挙結果を見たいという様子見があるため、下値は堅いものの上値は重い展開が想定されます。61.8%戻しの14,595円を超えても14,700円水準は目先抵抗ラインとなります。

3連休明けの16日(火)は、アメリカ株高を受けて△88の14,594円で寄り付き14,638円まで上昇後、円安一服から上げ幅を縮小する場面もありましたが、△92の14,599円で引けました。

日経平均

(指標)NYダウ

先週の予測では、量的緩和縮小の前倒し観測が広がり、景気回復を背景にした買いが続くかどうかが焦点としながらも、戻りを試す動きを想定しました。

週明けも、引き続き景気回復を好感する流れが続く中で、11日(木)にバーナンキ議長が「緩和策の継続は必要」と早期の緩和縮小を否定したことで△169の15,460ドルと終値で史上最高値を更新し、週末12日(金)も△3の15,464ドルと続伸しました。3週連続の上昇となります。

今週は、17日(水)~18日(木)のバーナンキ議長の議会証言に注目が集まります。又、今週は主要企業の決算発表が本格化し、金融やIT関連企業の決算が相次ぎます。経済指標では、小売売上高や住宅着工件数などが発表され、足元の上昇基調が続くことが期待されます。NYダウは、ザラ場では5月22日の15,542円の史上最高値を抜いていませんが、ナスダックは、先週末ザラ場でも12年10カ月ぶりの高値を更新していますので、上値を試すことが想定されます。

週明け15日(月)は、中国のGDPが予想の範囲内であったことや6月小売売上高が予想を下回ったことで金融緩和の早期縮小観測が後退し、15,498ドルまで上がって大引け△19の15,484ドルで、終値ベースで3日連続の史上最高値更新となりました。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、アメリカの量的緩和縮小の早期開始を巡ってドルが買われやすい状況が続くとして100~102円のレンジを想定しました。

週前半は、100~102円の間でのもみあいとなっていましたが、11日(木)にバーナンキ議長が「緩和策の継続は必要」と述べたことで早期の緩和縮小懸念が後退し、ドルが98円台まで売られました。週末はアメリカ株高から99.33円で引けました。

今週は、17日(水)~18日(木)のバーナンキ議長の議会証言に左右される展開となりそうです。改めて早期縮小の思惑が出ると、ドル買い・円売り、そうでなければ日米金利差が縮小して98円台の動きが想定されます。99~101円のレンジを想定。

ドル/円