先週は、想定した13,000円を守れず、一時12,500円台まで下げて反発

先週は、「どこまで下落し、いつ反発するのかを考えてみよう」というメッセージの中で、値幅調整と日柄調整を想定してみました。先週1週間の分析は、週末の7日(金)に詳しく書きましたので、ここではポイントだけを書きます。

値幅調整はほぼ完了

中長期上昇トレンドでの本格調整は、1/3押し(13,501円)から1/2押し(12,281円)水準が普通ですが、基本は円安トレンドですので、多少の円高へのぶり返しでも輸出企業の為替レートは1ドル=90円程ですから、業績の上ブレが期待できるため、1/3押し水準を1つの目安としました。ただし、上にも行き過ぎがあるように下にも行き過ぎがあり、今回の株式相場の動きは、日経先物主導で裁定取引にからむ高速プログラムによる上下動となっており、1/2押し(12,281円)水準を目指す動きになってもおかしくないとしました。

結局、為替が日経平均の急落に合わせたような急激な円高(ドル売り)となったことで、日経平均も先物主導で下落が続き、6日(木)のアメリカ市場ではドルが急落し1ドル=95円までの円高となったことで、シカゴ日経先物は一時12,290円と1/2押し水準にほぼ到達しました。ドルの急落は、QE3の規模縮小を見込んで、ドル買いのポジション解消が大きく膨らんでいたところに、直近の経済指標の予想を下回る結果にQE3の規模縮小の時期は遅れるとの見方が広がり、5月の雇用統計の発表を前に仕掛け的な売りから一気にドル買いのポジション解消が進んだことが原因だといわれています。これに安倍首相の成長戦略第2弾の期待ハズレが加わって円安が加速したということでしょう。

週末の7日(金)は、以上の円安を受けて一時▼356の12,548円まで下落しましたが、大引けにかけて一転プラスに転じて13,106円まで上昇しましたが、終値は▼26の12,877円でした。日足では長い下ヒゲを出した陰線となっていますので、底打ちの可能性もあります。

日柄調整はメジャーSQまで続くか

日柄調整でいうと、5日(水)の安倍首相の成長戦略の発表と週末にはアメリカの5月の雇用統計があるので、どちらかで反発するきっかけも考えられますが、14日(金)はメジャーSQがあるため、ここまでは先物主導によって振り回され本格的に動きにくく、14日(金)のメジャーSQが分岐点になるかもしれないとしました。

5日(水)の安倍首相の成長戦略の発表は、結果的にはこれまでほとんど報道されたものばかりでしたので、失望売りというより材料出尽くしとなって日経平均は上昇のキッカケにならず、逆に▼518の13,014円の大幅安となりました。日経平均はこのまま下げて、7日(金)は12,548円の安値をつけて終値は▼26の12,877円となりました。しかし、引け後のアメリカ市場では、5月の雇用統計が予想より良くもなく悪くもないという予想の範囲に落ち着いたことで、NYダウは△207の15,248ドルと続伸し、為替も1ドル=94円台まで売られたものの、97円台半ばまで買い戻され、シカゴ日経先物は△540の13,220円となって引けました。このまま反発が続けば、アメリカの5月の雇用統計発表をきかっけに反発に転じたということになりますが、今週はメジャーSQですので、スムーズに上昇できるかどうか難しいところです。

今週も週末にメジャーSQを控えて、先物主導の動きの可能性

日経平均は先週末の7日(金)に12,548円まで下落して下ヒゲを出し、日足での陰線となってテクニカル的には12,500~13,000円のボトム圏の形成の動きとなっています。先週は、75日移動平均線が13,000円台にあったことで、13,000円を下値抵抗ラインに13,000~13,500円をボトム圏と想定しましたが、1ドル=94円台までの円高進行でボトムのレンジが一段下となりました。

今週は、14日(金)にメジャーSQを控え、先物に振り回される場面もありそうです。そのきっかけの材料としては、10日(月)~11日(火)の金融政策決定会合で何か金融緩和策が出るのかどうか、14日(金)はメジャーSQですが、この日には成長戦略の閣議決定が行われるため、あたらめて買い直されるのか、材料出尽くしとなるのかなどがあり、海外ではアメリカの経済指標の結果を受けて、株、為替の動き、6月決算のヘッジファンドの動きが注目となります。

13,500円を上回れば14,000円の戻りを試す動きへ…目標達成すれば利益確定も

本日は、海外株高と1ドル=98円台への円安を受けて△264の13,141円で寄り付き、後場は一段高となって△636の13,514円で引けました。日経平均の上昇率(△4.9%)より、トピックスの上昇率(△5.2%)が上回っており、本日は先物に絡んだ売買は小康状態で、全体が買い戻しと買い直しによる上昇といえます。基本的に先週で底打ちした可能性が高く、目先は13,000~13,500円の中で先物の動きが注目され、13,500円を終値で上回ると、まずは14,000円の戻りを試すことになります。

先週は、12,500~13,000円のボトムゾーンを想定し、1週間で10銘柄という多くの買い推奨銘柄を出しました。中長期的には、日本経済のファンダメンタルズは変化していませんので、いずれ高値を更新してくると思われますが、目先は下げ過ぎですので、リバウンド狙いとなります。その1つの目標が14,000円となりますので、利益確定を考えてもいいところです。ここを突破すると、次は14,500円、15,000円となります。

(指標)日経平均

先週の予測では、引き続き先物に相場を揺さぶられるとし、これまでの急落で積極的な買いを入れにくく、円相場の不安定な動きも重荷になるとしました。3日(月)は▼512の13,261円となって更なる下落を暗示する「ろく売」が出現しましたが、安値圏では買転換しやすい場合が多い上に、上昇トレンド(A)にあたってきていることで、13,000円水準では踏み止まることを想定ました。但し、「出島式投資ワールド」のメッセージでは、相場は上にも下にも行き過ぎがあるので、1/2押し(12,281円)水準を目指す動きとなってもおかしくないとしていました。

しかし、先物主導での値動きが荒く、6日(火)の△271の13,533円の翌日5日(水)は▼518の13,014円、さらに6日(木)は▼110の12,904円となり、引け後のアメリカ市場ではシカゴ先物(CME)は為替が1ドル=95円台の円高に進行したこともあり、12,290円とほぼ1/2押しまで下げていました。週末7日(金)は円高を嫌気して一時▼356の12,548円まで下落しましたが、終値は▼26の12,877円でした。

今週は、先週末のアメリカの雇用統計が予想の範囲内だったことを受け、為替も円安方向の動きとなってシカゴ先物も13,220円となっていることで、目先13,500円を試す動きが期待できます。しかし、今週は14日(金)にメジャーSQを控えており、先物による振れの可能性があります。

週明けの10日(月)は、アメリカ株高と98円台への円安進行から△636の13,514円と13,500円台を回復しましたが、目先の上値抵抗ラインの手前で止まっています。買転換するには13,700円以上の終値が欲しいところです。メジャーSQを週末に控え、翌日からは先物の動きに注目となります。

日経平均

(指標)NYダウ

先週の予測では、経済指標の発表が多く、QE3の規模縮小を巡る思惑が交錯しそうだとし、特に7日(金)の5月雇用統計に注目としました。QE3の規模縮小を巡って一喜一憂となり、6日(木)は雇用関連の経済指標が予想を下回ったことで▼216の14,960円ドルと15,000円ドルを割り込みました。注目の7日(金)の5月雇用統計は、ほぼ市場の予想の範囲内の改善だったことでQE3の規模縮小懸念が後退し、△207の15,248円ドルと反発しました。

柴田罫線では、14,960円ドルまでの陰線が出て反発して15,248円ドルの陽線が出ました。ここからは、このまま上昇して5月22日の15,542円ドルを試す形となれば「ろく買」出現となって再度の史上最高値更新も期待できますが、逆に6日の安値14,844円ドルを終値で切ると、短期の売転換出現となって14,500円ドル台までの下落の可能性が出てきます。

今週は、消費や生産など景気の底堅さをはかる経済指標の発表があり、内容によっては引き続きQE3の規模縮小の時期が重点となってきます。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、アメリカの経済指標の発表が多く、QE3の早期の規模縮小を巡って為替の方向が決まるものの、100~102円のレンジ内の動きで収まると想定していました。

しかし、週明け3日(月)のアメリカ市場で5月ISM製造業景況指数が予想を下回ったことでドル売りが加速し98円台までの円高進行となりました。さらに6日(木)には週末の雇用統計への警戒感や日経平均先物の急落につれてドル安加速となり、一時95円台をつけました。週末の7日(金)は94円台をつけたあと雇用統計の発表を受けてドルが買い戻され、97.51円で引けました。

今週は、米景気の回復からドル買いが入りやすいものの、QE3の規模縮小の時期の見方が分かれ、一本調子でのドル買い・円安とはなりにくいと思われます。ただ、10日(月)~11日(火)の金融政策決定会合で何か金融緩和策が出るのかどうかが注目となります。出なければ失望からの円の買い戻し、出ると円安進行となります。96~99円のレンジを想定。

ドル/円