先週は9,487円をつけて9,308円までスピード調整し、週末は再び9,487円をつける

先週は、9,500円が「PBR」1倍の水準で、ここまでくると割安感がなくなることや5月初旬に窓を空ける前の水準が9,500円ですので、11月26日(月)の時点で9,487円まであって、引けは△22の9,388円となりましたので、いったん目先は注意する必要があるとしました。何かきっかけがあれば、1つ目の下値のメドは200日移動平均線(11月26日時点9,081円)ともしました。

結局は、大きなきっかけはありませんでしたが、11月28日(水)にはNYダウの下落からドル売り・円買いとなって、いったん円高に振れたことで利益確定売りが広がり、▼114の9,308円の下落となりました。しかし、これが程よいスピード調整となって反発し、29日(木)は△92の9,400円、さらに週末の30日(金)は再び円安基調となったことや10月鉱工業生産指数が予想の▼2.1%を上回る前期比△1.8%となったことで一時9,492円と26日(月)の9,487円を上回りましたが、引けにかけて上げ幅を縮小し△45の9,446円で引けました。終値で9,500円水準で引けると6月4日の8,238円からの短期の上昇トレンドを上放れする形となりますが、上昇トレンド(B)の上値斜線で押さえられた形となっています。

今週はNYダウ次第で一段高、もしくは9,500円水準でのもみあいのどちらか

基本的に円安基調は続くものの、安倍自民党総裁の「金融緩和」発言の繰り返しも選挙後の結果の自民党の金融政策を織り込んでいることになり、円安進行も徐々に勢いがなくなってきています。この円安に勢いがつくためには、NYダウの上昇はドル買い・円売りとなっていますので、NYダウが堅調であればさらなる円安となり、輸出関連の主力株が買われて、目先9,600~9,700円ぐらいまでの期待ができます。

円安が一服であれば、9,500円水準で一進一退の動きが想定されます。アメリカでは引き続き「財政の崖」問題に対する要人の発言に一喜一憂する動きとなる可能性が高く、経済指標の結果とからんでNYダウの株価も一進一退となるかもしれません。本日は、前場で一時4月25日以来の9,500円台(9,525円)をつけるものの上昇する材料に乏しく、9,500円を挟んだもみあいとなって、△12の9,458円で引けました。内容をみてみますと、先物主導で日経平均に寄与度の高いファナックやファーストリテイリングが買われ指数を支えるものの、主力大型株はまちまちとなって株式市場の方向性が見えにくくなっています。そのため、短期資金は建設株や橋梁株などの材料株に向かっているといえます。この状況がしばらく続くかどうかはNYダウ次第となります。

11月第3週(11月19日~22日)の時点では、外国人の買い越しは2,538億円と8カ月ぶりの高水準となっています。日本市場の売買シェアは外国人が6~7割を占めるため、株式市場が上昇を続けているということは、外国人が買いを続けていることになります。いつまで続くかはわかりませんが、言えることは買った株はどこかで売って利益確定しなければなりませんので、株価が高くなるほど外国人の売りが出た時は反動も大きく、大きな下げとなります。9,500円を大きく上回って抜けると一段高となる可能性がありますが、ここで買う人は「流れに乗る」という考え方になりますが、下落した場合損切りできる人となります。そうでなければ、下落した場合高値掴みとなって、今までのような塩漬けとなってしう恐れがあります。

(指標)日経平均

先週の予測では、さらに円安推移となれば日経平均も9,500円水準を試す可能性があり、そうでなければ利益確定売りからいったん調整したあとに9,500円を目指すとしました。

結果的には、11月26日(月)に9,487円まで上昇後は利益確定売り優先となり、28日(水)にはNYダウ安と為替の円高への振れで利益確定売りから▼114の9,308円の大幅下落となりました。しかし、すぐに反発して29日(木)は△92の9,400円、週末の30日(金)は一時9,492円と9,500円にあと少しのところへ接近しましたが△45の9,446円で引けました。チャートでは、6月4日の8,238円からの上昇トレンド(B)の上値斜線で押さえられた形となっています。

今週は、9,500円を巡る攻防が想定されます。為替の円安基調が続きNYダウも上昇すれば、9,600~9,700円を目指す可能性がありますが、そうでなければ9,500円近辺で一喜一憂の動きが想定されます。下値は9,300円を想定、ここを切ると9,150円水準。3日(月)は、前場は一時先物主導で9,525円と4月25日以来の9,500円台のせとなりましたが、その後は手がかり材料に欠け、上げ幅を縮小して△12の9,458円で引けました。

日経平均

(指標)NYダウ

先週の予測では、前週末の11月23日(金)に13,009ドルと13,000ドルを回復しましたが、チャートでは大きなフシ目のところに到達し、13,000ドル台を維持できるかどうかに注目としました。

週明けのNYダウは、「財政の崖」問題やギリシャ支援への様子見から26日(月)は▼42の12,967ドル、27日(火)は▼89の12,878ドルと2日続落しました。28日(水)は一時12,765ドルまで下げたあと、オバマ大統領の「財政の崖」問題の解決をクリスマスまでに合意するとの発言で△106の12,985ドルと急反発し、29日(木)には、7-9月期GDPが上方修正されたこともあり△36の13,021ドルと13,000ドルを回復し、短期の買転換出現となって引けました。このまま上昇しても13,100ドルからは上値は重たくなるところです。

先週は、28日(水)に12,765ドルまで下げたものの週の終値では13,025ドルと2週間連続の陽線となり、上げ幅は前週比△15ドルと上値は重い形となっています。今週も先週に引き続いて「財政の崖」問題に対する要人の発言に一喜一憂となる可能性が高いといえます。この上下動を増幅するのに各種の経済指標(週末は11月雇用統計)や中国のPMIなどがあります。目先は、上値は13,100ドル台、下値は12,800ドル台となります。引線の終値で12,850ドル水準を切ると再び売転換へ戻ることになります。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週も、繰り返される安倍自民党総裁の金融緩和発言を受けて円安基調があり、貿易収支の悪化から円安傾向の継続の見方多く、81.5~83円のレンジを想定していました。

先週は、アメリカで「財政の崖」問題への懸念からNYダウが26日(月)、27日(火)と下落し株安・ドル安となったことで、28日(水)には一時81.09円までの円高となりましたが、「財政の崖」問題への楽観的見通しが出ると一転、株高・ドル高となって再び円安へと動き、週末の30日(金)は82.45円で引けました。

安倍自民党総裁の繰り返される金融緩和発言で目先は円安の基調が続くものの、それは選挙後の緩和を織り込んでの動きであり、円相場を動かす材料としては円安が進む余地は限られています。しかし、アメリカ経済の回復期待が高まればドル買い・円売りとなって一段の円安のはずみがつきます。今週は、アメリカの経済指標に注目となります。81.5~83円のレンジを想定。

ドル/円