先週は80円台の円安進行で、一時8,800円台のせ

先週の6月18日(月)の分析では、戻りを試す展開へとし、まず8,900円を目指すことになるとしました。G20やFOMCなどの大きなイベント次第としていました。又、6月20日(水)の分析では、戻りを試しても出来高・売買代金が少なく東証1部の70%の売買シェアを占める外国人が買ってこない以上、いつでも急落する可能性があるので新規の買いはリスクがあるとしました。FOMCの追加の金融緩和期待からアメリカ株式は上昇しており、内容によっては失望売り、材料出尽くしとなりますので注意を要するところです。

結局は、スペインの財政問題への対応が好感されユーロが買い戻され、FOMCではQE3が出なかったことで、NYダウは失望売りとなりましたが、逆にこのことが日米金利差の拡大となってドル買い・円売りとなり、80円台の円安進行となって21日(木)には一時80.59円まで上昇し、△71の8,824円で引けました。この日の引け後のNYダウは世界の経済指標の悪化が相次いだことから▼250の12,573ドルと今年2番目の大きな下げ幅となりましたが、週末の22日(金)の日経平均は円安に支えられて▼25の8,798円の小幅安で引けました。

柴田罫線では、日経平均・トピックスともに買転換が出現し、日米の主要指標がすべて買転換となりました。但し、日米とも上値は重い形となっており、よほどの好材料が出ない限り上値を伸ばす状況ではありません。本日25日(月)は、28日からのEU首脳会議を前に買い材料乏しく、寄り付きこそ△39の8,837円で始まりましたがすぐにマイナスに転じ、下げ幅を拡大して▼63の8,734円で引けました。

目先は戻りを試しそうだが、NYダウの動きには要注意

先週末の22日(金)の日経平均は、前日のNYダウが▼250の12,573ドルと今年2番目の大幅下落となったものの、為替の円安推移と欧米株式に比べて出遅れ感があったことで▼25の8,798円としっかりした動きとなりました。目先的には先週目標とした8,900円水準を試す可能性が高く、5月9日に割り込んだ200日移動平均線(22日時点8,944円)を突破できれば9,000円を試すことになります。

今週は、EU首脳会議が28日~29日に控えており、この会議で「欧州金融安定基金(EFSF)」による南欧国債の買い入れが決まれば9,000円挑戦も考えられるところですが、そういう何か好材料がなければ8,900円水準が上値のメドとなるかもしれません。 海外投資家が日本株を売る動きが一服しつつあるということから上値を試すという見方もありますが(これは日々の外国人買いや出来高・売買代金をみておけばわかります)、中国や米国の景気動向が不透明になっており、大きく上値を追うのは難しいという見方が多いようです。

日経平均は、目先は円安方向と出遅れ感から戻りを試す可能性が高いといえますが、NYダウのチャートをみてみると、6月19日の高値12,898ドルが当面の戻り天井となる可能性が高く、6月8日の安値12,398ドルを終値で下に切ってくると、売転換となって6月4日の12,035ドルからの上昇が終わることになります。そうなっても次の反発はQE3の実施を待つことになりますので、一方的に下がっていくという状況ではありませんが、日経平均も戻りを試せなくなるということです。

以上のシナリオを前提にすれば基本は安く買っている銘柄の売り場を探す事、リスクをとれる人は出遅れ株の押し目買いによる短期売買、大きく戻った時を想定してカラ売りの準備というスタンスが考えられます。

(指標)日経平均

先週の予測ポイントとしては、大きく下げた後の戻しとして8,900円水準としました。週始めの18日(月)はギリシャの再選挙で財政緊縮派が勝利したことで△151の8,721円と大幅上昇となったものの、その後は焦点がスペイン・イタリアの財政問題に移り、もみあいとなりました。このもみあいの中で、欧米の金融緩和期待から多少戻りを試す展開となり、20日(水)は△96の8,752円となって買転換出現となりました。21日(木)にはFOMCで追加の金融緩和策(QE3)が出なかったことでドル買い・円売りとなり、8,824円と8,800円台を回復しましたが、22日(金)はNYダウの大幅下落で反落するものの円安に支えられて▼25の8,798円と底堅い動きで引けました。

今週は、円安(限定的だが)と出遅れ感から8,900円を試す動きを想定。EU首脳会議(28~29日)の期待もありますが、中国・米国の経済の先行き不安で上値は限定的となりそうです。

週明けの25日(月)は、△39の8,837円と小高く寄り付くものの買い材料に乏しくマイナスに転じ、後場になると下げ幅が拡大し▼63の8,734円で引けました。今のところ、下値は25日線の8,601円をみておくとよいかもしれません。

日経平均

(指標)NYダウ

先週は、柴田罫線では12,800ドル台からは上値が重くなるところであり、下値では12,398ドルを切らなければ高値圏でのもみあい相場となるとしました。

ギリシャ再選挙は、財政緊縮派が勝ったものの1日の上昇で終わり、週始めはスペイン国債の利回りの急騰を受けて▼25の12,741ドルの反落となりました。FOMCでQE3が出されるのではないかとの期待から6月19日(火)は12,898ドルまで上昇するものの、失望売りとなり世界的に相次ぐ経済指標の悪化から21日(木)は▼250の12,573ドルと大幅下落となりました。週末22日(金)は△67の12,640ドルと反発して引けました。

期待されていたQE3が見送られ、世界の主要金融機関の格下げ発表があり、今週は欧州情勢と米景気動向をにらみ12,400~12,800ドルの中でのもみあいが続くことになりそうです。但し、6月4日の12,398ドルを終値で切ってくるとNYダウの戻りが終わったことになると考えられます。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、欧州情勢や米国の金融政策をめぐって神経質な展開になりそうだとし、情況次第で78-80円の中で大きなブレが出るとしました。

結局、6月15日の78.62円をドルの安値にして戻りを試す展開となりました。円はユーロの買い戻しから円安方向の流れとなり、日本の消費税法案が可決されると財政引締めが緩められるという見方から円売りが進み、6月20日(水)には79.50円となりました。さらに世界経済の減速懸念から避難先として米国債とドルが買われ、さらにFOMCでQE3が出なかったことで日米金利差拡大からドル買い・円売りとなり、6月22日(金)は80.44円で引けました。

結局、先週は76~80円のレンジを想定していましたが、80円台の円安となりました。このまま5月16日の80.551円を上回る円安となれば81円接近も想定できますが、そのためには28~29日の欧州首脳会議の内容でユーロの買い戻しが進めば円安が進行し、ドルに対しても連動する可能性があります。それがなければ80円前後でのもみあいとなりそうです。

ドル/円