先週は大発会後しりすぼみ

新年1月4日(水)は欧米の株高を受けて△104の8,560円の上昇と好スタートをきったものの、ユーロ売りが続けば上値重く、13日(金)のSQまでは国内の機関投資家も動かないので、8,600円を前にもみあいを想定しました。週後半は、アメリカ株式は堅調となったものの、ユーロが下げ止まらず円高進行となったことを嫌気し、欧州向け輸出比率の高い銘柄中心に売られ、5日(木)は▼71の8,488円、6日(金)は8,349円まで売られて▼98の8,390円で引けました。

NYダウが先週1週間で1.2%上昇したにも拘らず、日経平均は0.76%(65円)の下落となっており、NYダウに連動しない動きとなっています。円高・ユーロ安が嫌気されており、そうなると、今週NYダウが上値を試す動きになるとしても、下支え要因にはなるものの戻りは弱いということになります。

今週は欧州債務問題により膠着状態も

先週末6日(金)は、日本市場の引け後、対ユーロで約11年ぶりの97円台まで円高が進みましたが、対ドルでは、アメリカ市場での雇用統計の大幅改善を受けてドルが77.322円まで買われました。ユーロで円高が進んでも、対ドルでは77円前後のもみあいとなりそうです。

今週は、9日(月)にイタリア・スペインの国債入札、12日(木)にECB理事会が予定されており、好材料が出なければ売り材料になる可能性が高いといえます。国内では13日(金)のSQを前に様子見ムード強く、そのため、25日移動平均線(8,499円)が目先の上値抵抗ラインとなり、9日のアルコアから始まる米主要企業決算が好調となれば、NYダウが上値を試すため、日経平均は下げても8,300円前後が下値抵抗ラインとなります。

チャートからは、1月4日(水)の時点で、先に戻りを試せば8,600円水準から空売りを想定していましたが、すぐに下落となって、先に下値を試す可能性も出てきました。先週末6日(金)の終値8,390円は、ギリギリのところで止まって、まだ上値を試せる位置で踏ん張っています。柴田罫線では、8,357円以下で引ければろく売出現となり、12月19日の8,272円、もしくは11月25日の8,135円を試す動きが考えられます。ただし、戻りも1月4日の8,581円までのため、下げてもそれほどでもない可能性が高く、新規で買ってもそれほど大きな値幅は取れないということになります。大きく戻れば大きく下がり、大きく下がれば大きく戻るのが相場というものですが、現在は中途半端な動きになっています。アメリカの決算発表が期待ほどでなくNYダウが下落し、円高の悪材料と重なって売られ過ぎまで下げると、その時は新規の買チャンスとなるものと考えられます。

本日は、昨日のアメリカ株高と上海株式の上昇を受けて△32の8,422円で寄り付くものの、8,450円をつけると、円高と欧州債務問題への懸念から上値重く8,400円台での膠着状態となって△31の8,422円で引けました。今週は、欧州債務問題がどう展開するのか様子見となります。

(指標)日経平均

1月4日(水)の年始は△104の8,560円と上昇スタートをきったものの、その後は欧州債務懸念と対ユーロでの約11年ぶりの円高を嫌気して、1月5日(木)は▼71の8,488円、6日(金)は▼98の8,390円で引けました。今週は、欧州債務問題の懸念からユーロが対円で約11年ぶりの安値を更新しているため、上値は重いものの、先週末の米雇用統計で示されるように、アメリカ景気の底堅さが支えになるものと思われます。柴田罫線のチャートでは、8,357円を終値で切るとろく売出現となり、12月19日の8,272円、もしくは11月25日の8,135円を試し、目先反発する可能性もありますが、市場ボリュームが増加しなければ、上値は1月4日の8,581円で押さえられることになります。連休明け1月10日(火)は、昨日のアメリカ株高と上海株式の上昇を受けて△32の8,422円で寄り付くものの、買い一巡後は8,400円台前半での膠着状態となって△31の8,422円で引けました。

日経平均

(指標)NYダウ

2012年の第1週目は、1週間で1.2%上昇する好スタートとなりましたが、引き続き、欧州債務問題が相場に悪影響を与えるとみられています。1月3日(火)は、米中の製造業指数の予想を上回る結果を受けて△179の12,397ドルで引けました。その後、アメリカの好調な経済指標を受けるものの、フランスの格下げ懸念やイタリア・スペインの国債償還・利払い問題への懸念から上値重く、週末は雇用統計の大幅改善にも拘らず▼55の12,359ドルで引けました。

今週は、9日のアルコアから始まる米主要企業決算発表があり、その結果次第では上値を試す展開が想定されます。しかし、10-12月期の米主要500社の決算は増益見込みとなっているものの、4-9月期に続き2桁増益を達成できるかは微妙となっています。昨日1月9日(月)は、独仏首脳会議で欧州の財政協定が今月中に策定されることになり、これに対する反応は弱かったものの、アナリストの半導体セクターの見通し引き上げを受けて△32の12,392ドルとなりました。12月28日の12,140ドルを終値で切らなければ、戻りを試す展開となると考えられます。

NYダウ

(指標)ドル/円

12月26日(月)の分析では、年末にかけて市場参加者が少なく、また、欧州との景況感の差からドルが買われやすいため78円前後での膠着状態を想定しました。しかし、年末にかけて、欧州債務問題が再燃してユーロの急落となり、円高が進行し、対ドルでも円が買われる動きとなりました。12月27日に77.866円で売転換が出現したあと、12月29日までは何とか77円台後半の狭い動きとなっていましたが、12月30日(金)は、一段のユーロ安を受けて76.952円と77円を切って引けました。

新年1月2日(月)は77円を割る76.918円で始まり、その後、米経済指標の好調さからのドル買いと日本の輸出業者のドル売りとで相殺され、76円台後半での膠着相場となりました。1月5日(木)は、米経済指標が好調となっていることで、ドルが買われて77.234円まで上昇し、週末6日(金)は雇用統計の改善を受けて、さらに77.322円まで上昇するものの、引け値は76.963円となりました。今週は、欧州債務問題の懸念からユーロ売り・円買いの基調が続きます。しかし、アメリカ経済の回復期待からドル買いの流れも続くドル/円については、77円を挟んだもみあいが続きそうです。76.5~77.5円を基本とする値動きを想定。

ドル/円