1803 清水建設 東証1部

11月10日の大手ゼネコン4社の2011年4-9月期連結決算は、清水建設を除くと3社の経常利益が前年同期比で減少。8日発表した清水建設の4-9月期連結決算は、純利益が前年同期比2.6倍の45億円。通期の業績予想は、当初の見通しで推移しているとして据え置き。

大手ゼネコンは、今回の東日本大震災の復興需要の中心となって上昇してもおかしくありませんが、外国人が日本株を8~9月に大きく売り越しており、現在の出来高からいうと、大型株へは資金が回らないといえます。そのため、需給が好転するのを待って2009年5月7日の482円を高値、この年の11月27日の262円を安値とする大きな三角保ち合い(A)を形成しているといえます。もう少し煮詰まりが足りない形です。目先は317~365円のボックス相場の中で365円を試す動きが想定されます。365円を抜けると400円を試す動きとなりますが、本格上昇は2010年4月8日の413円を突破してからになると思われます。

清水建設

2914 日本たばこ産業 東証1部

10月31日の決算発表では、たばこの値上げ効果や海外はロシアが好調で経常増益。この日に403,000円の年初来高値を更新して材料出尽し。11月10日には、民主党が復興財源に充てるたばこ増税を取り上げる方針を固めたことで、セットで議論されてきた政府保有株の放出が先送りされることを嫌気して367,500円の急落となり、売転換出現となるものの、すぐに買転換が出現しています。

チャートをみると、2010年10月29日の243,900円を安値に上昇トレンド(A)を形成し、この中で350,000円台が強力な上値抵抗ゾーンとなっていました。今年8月31日に322,500円を安値に急角度の上向き先細三角形(C)の上昇となって10月31日の403,000円で当面のピークをつけ、11月10日に367,500円で売転換出現となるものの、すぐに買転換が出現しています。政府保有株の放出を期待して上昇してきましたので、先送りとなれば調整が長引く可能性がありますが、業績は好調で信用取り組みが0.1倍ですので、大きく下がったところは買いチャンスといえるでしょう。基本的には8月31日の322,500円から10月31日の403,000円までの1/2押し以下の水準を待つところです。

日本たばこ産業

6301 小松製作所 東証1部

10月27日の決算発表で、12年3月期通期の業績予想は、連結純利益が前期比23%の1,860億円になりそうだと発表し、従来予想33%増の2,000億円とあり、通期見通しを下方修正。中国での需要減に加え、10月以降の1ドル=77円、1ユーロ=106円、1人民元=121円の円高方向に見直ししたことが響く(従来1ドル=82円、1ユーロ=116円、1人民元=127円)。10月27日に300億円上限の自社株買い。

8月10日時点の分析で、目先は2,000円水準で買って2,300円台の利食いという想定をしていましたが、上昇トレンド(A)を切って8月23日の1,843円まで下げ、9月1日の2,113円までの上昇で終わりました。そして、中国経済の変調や急激な円高、外国人の連日の売り越しで10月5日には1,449円までの急落となってしまいました。ここから、売られ過ぎからの反発や自社株買いを好感して10月28日には2,038円まで上昇し、11月2日の1,810円まで押し目を入れて再上昇し、下降トレンド(B)を上に抜けつつある上昇となっています。10月28日の2,038円を抜けると9月1日の2,113円が上値のフシになりますが、この水準からは空売り有利といえます。現状では、反発しても欧米株式が戻りを試す間の上昇ですので、欧州問題で悪材料が出るといつ下落に転じてもおかしくありません。

小松製作所

7513 コジマ 東証1部

10月31日の決算発表で、上期上方修正、通期に期待。2011年4-9月期の連結最終益が32億円の黒字(前年同期2億円の赤字)で従来予想の17億円を大幅に上回る。通期は連結純利益予想は30億円。

チャートをみると、2010年10月18日に360円の安値をつけて3月1日の614円まで反発。ここで押し目を形成している時に3月11日の大地震が発生し、3月15日の377円まで急落したあと三角保ち合いを形成しています。この中で、11月7日の572円まで上昇するものの、三角保ち合いの上値斜線にアタマを押さえられて下落し、11月10日に502円で売転換が出現しています。8月9日の472円を安値、11月7日の572円を高値とする、三角保ち合いの中のボックス相場とすれば、480円前後が買ポイントとなります。日経平均の大幅下落に連動すれば、三角保ち合いの下値抵抗ライン前後への下落も考えられます。

コジマ

1878 大東建託 東証1部

8月31日の四季報では、建築請負は受注が順調に拡大。完工高は想定外の被災地での71億円が上乗せ。不動産は管理戸数増、入居率の改善進み第1四半期から黒字化、通期黒字も。9月受注高は、前年同期比15.7%増の634億円、増加は12カ月連続という発表を10月5日に受け、10月6日に7,420円の戻り高値となる。

チャートをみると、2009年10月14日の安値3,560円から上昇トレンド(A)を形成し、この中で、2010年10月29日の4,775円を安値に角度の大きい上昇トレンド(B)に移行しました。この中で、今年7月22日の7,490円で当面のピークとなり、8月9日の6,470円まで下落後、再上昇となって10月6日の7,420円で戻り天井となっています。この7,000円台でのもみあいが続き、山を五つ形成したあとに直近の安値である10月26日の6,880円を切って11月15日の6,870円で売転換出現となり、本日は▼200の6,570円となっています。柴田法則に、戻りの高値で4像以上の天井型は売りというのがあります。好業績銘柄です。

大東建託