5105 東洋ゴム工業 東証1部

8月9日の決算発表で、2011年4-9月期の最終損益が14億円の黒字(前年同期比△45%)になりそうだと発表。従来予想は41億円の赤字。北米で高付加価値タイヤが好調に推移し、被災した仙台工場が早期に回復したため。ただ、急速な円高など不透明要因多く、2012年3月期通期の業績予想は据え置いた。

チャートをみると、2009年2月24日の104円で底打ちとなって7月6日の246円まで上昇するものの、ここがピークとなって11月24日の128円まで下落しました。上値は246円で押さえられるものの、下値は切り上がる上昇ライン(A)となっています。この中で、2010年10月15日の158円の安値から今年3月1日の238円まで上昇し、3月11日の大地震発生で3月15日の156円の長い下ヒゲを出しましたが、終値ベースでは三角保ち合い(B)を形成しています。この煮詰まってきたところで8月19日に195円で売転換出現となっています。

さらに、チャートをみると、2009年2月24日に104円で底打ちとなり、上昇トレンド(A)を形成していますが、上値は240円水準で押さえられています。この中で、2010年10月15日の158円を安値、3月1日の238円を高値とする三角保ち合い(B)となり、この中で8月19日に195円で売転換しています。反発すれば、上値は限定的と考えられますので見送りとなると思われます。210円を引線の終値で抜けると220円台までの上昇の可能性があります。

東洋ゴム工業

4022 ラサ工業 東証1部

8月12日の決算発表で、11年4-6月期の経常利益が2.3倍の3.9億円に拡大し、対上期計画で99%と高進捗、不採算のウエハー再生からの撤退が寄与した。

チャートをみると、2007年7月9日の393円の高値からの下げ過程で下値の下落角度が(1)→(2)→(3)と緩やかになり、2010年10月5日の54円で底打ちとなりました。ここから今年3月2日の177円まで上昇したところで3月11日の大地震が発生し、3月15日の75円まで急落したあと戻りに入り、7月8日に156円の高値をつけました。ここで押し目を入れて8月9日の120円まで下げたあと、8月12日に業績上方修正となって反発し、8月29日に148円で買転換が出現したところです。このまま上昇して7月8日の156円を終値で抜けると3月2日の177円を試す動きとなると考えられます。

ラサ工業

7741 HOYA 東証1部

7月29日の決算発表では、上期(11年4-9月期)の業績見通しを売上高2,100億円(前年同期比2%減)、税引前利益380億円(同15%減)、当期利益(同21%減)とした。通期予想については、「長期の予想が困難」として公表していないが、東洋経済オンラインでは独自に上方修正。

チャートをみると、2010年1月21日の2,630円、4月27日の2,625円とダブル天井をつけ、8月26日の1,800円まで下落し、そこから9月21日の2,155円まで反発となって三角保ち合いとなりました。その保ち合いが煮詰まりつつあるところで3月11日の大地震が発生し、3月15日の1,550円まで急落しました。ここから反発後、再下落となって5月25日に1,575円とダブル底の形となり、7月12日の1,905円まで上昇するものの円高進行となって8月19日に1,593円まで下げました。

8月19日の安値1,593円をつけたあと、もみあって8月25日に1,669円で短期の買転換が出現しました。本来ならば、連結PER12.5倍、配当利回り3.87%は割安株として買えるところですが、チャートをみると、下降トレンド(B)の中にあり、反発しても1,800円水準というところです。為替が円安方向ともなれば大きな上昇が期待できますが、アメリカで更なる追加の金融緩和策(QE3)があるとすれば、日米金利差から円高水準に当面変化はなさそうです。本格上昇は7月12日の1,905円を突破してからということになると思われます。

HOYA

6910 日立メディコ 東証1部

日立の医療機器子会社。医療機器は国内外で引き合い順調だが、震災で部品調達難、生産稼動低下(四季報6月13日号)。8月12日に子会社の日立アロカメディカルが放射線を測る携帯型測定器を前年実績20倍の日産1万台に増産と一部報道。学校や公共施設からの需要急増に対応。

チャートをみると、2009年7月16日の1,072円を高値に本格調整となって2010年11月1日の510円まで下落しました。ここを安値に急騰となり、2011年3月10日の1,009円まで上昇したところで3月11日に大地震が発生し、3月17日には720円まで下落しました。しかし、原発事故からの放射能汚染の広がりを受け、放射線量を測る機器の需要から4月27日の1,300円まで上昇しました。その後、6月24日の863円まで下落し、三角保ち合い(A)となっていましたが、8月31日に956円で買転換となって三角保ち合いを上放れしつつあります。ただし、為替は円高基調のままですので、現時点では上値は期待できないと思われます。

日立メディコ

8007 高島 東証1部

8月11日の決算で4-6月期の売上高は0.4%増、営業利益は62.2%と大幅増収となった。太陽光発電パネルの販売が伸びたことや繊維資材関連分野の売上が復興需要などで増加した。通期の予想については、従来の増収増益予想を据え置き、年間配当は0.5円増の2.5円の予想。

チャートをみると、2008年12月4日の99円を安値におよそ100~170円のボックス相場となって2年以上にわたるもみあいが続きました。そして、今年の大震災時の安値3月15日の86円を底に原子力に代わる代替エネルギーである太陽光発電にスポットが当たり、3カ月で3.3倍化の上昇トレンド(B)を形成しました。しかし、買われ過ぎとなって7月5日に256円で売転換が出現し、8月9日に178円までの急落となり、そこから8月11日の230円まで反発後、三角保ち合いの形になりつつあります。

三角保ち合いは、保ち合いを上に放れるか下に放れるかを確認して売買するというのが基本ですが、中途半端な位置での保ち合いとなっているので難しいところです。ただ、テーマが太陽光発電関連ですので、可能性としては再上昇が期待できると思われます。

高島