8604 野村ホールディングス 東証1部

四季報夏号では、運用残高増でアセットマネジメント続伸。トレーディング、投資銀行ともに海外ホールセールの採算多少改善。国内投信販売も堅調。しかし、国内の株委託手数料が当面低空飛行。最終益依然低水準。

この銘柄は、業績で買うというより、日経平均が1万円を超えて上昇してくると、証券株の主力銘柄である野村證券は出遅れとして買われてきます。もし、全体の出来高や売買代金が増加してくると手数料収入が増加して収益に貢献するとして買われてきます。2009年6月15日の934円からの下降トレンド(A)、2010年1月12日の783円からの下降トレンド(B)の下にありますので、上昇しても上値は限定的です。そのため、大底圏で買って上昇待ちとなります。柴田法則では、大底圏で下向きの先細三角形の保ち合いとなっており、このような場合は上放れする確率が高いといえます。400円にのってくると上放れとなってきますが、6月1日の410円を終値で抜くとより確実となると考えられます。

野村ホールディングス

9613 エヌ・ティ・ティ・データ 東証1部

6月8日の四季報速報では、大型案件一巡、製造業向け厳しいが保険、証券や海外公共が堅調。データセンター需要も伸びる。買収会社が上乗せ。案件の採算管理徹底し節電関連費用を吸収。

チャートをみると、2010年6月22日の388,000円の高値からの下降トレンド(A)の中で、3月11日の大地震発生後の3月15日の213,400円で底打ちとなって反発するものの、5月11日の275,400円で下降トレンド(A)の上値斜線にアタマを押さえられ、6月13日の239,200円まで下落しました。しかし、6月22日に252,500円で買転換出現となり、下降トレンド(A)を上に抜けて7月22日には287,600円まで上昇し、もみあって7月25日に280,000円で短期の売転換出現となりました。このまま上昇しても290,000円水準は上値が重たいところです。信用取り組み0.36倍ですので、大きく下がる程リバウンドが期待できると思います。

エヌ・ティ・ティ・データ

4007 日本化成 東証1部

12年3月期は主力の小名浜が津波被災で一部の商品(濃硝酸)の再開ズレ込む。下期は合板接着剤・工事部門に復興需要があるが、通期予想では減益見通し。しかし、ゴム・樹脂架橋剤として使われる「タイク」は太陽電池の発電層を保護する封止シート用の添加剤で世界シェア9割以上を握る。太陽電池関連として材料視される可能性が高い。

チャートをみると、2008年10月10日の92円で底打ちとなり、中長期的には上昇トレンド(A)となっています。上値は2008年6月20日の233円、2009年8月28日の234円、2011年1月27日の229円と230円前後が強力な上値のフシになっています。3月11日の大地震のあと、3月15日に108円の安値をつけて3月22日の183円まで自律反発しました。ここから5月25日の150円まで押し目を入れて7月12日に174円で買転換したあと、7月25日に191円をつけて3月22日の183円を一旦上に抜けましたので、押し目買い有利な形と考えられます。

日本化成

5938 住生活グループ 東証1部

7月16日付の日経新聞で、2012年3月期の連結営業利益は前期比36%増の550億円前後になりそうだと報じられました。しかし、織り込み済みとの見方が多く下落しています。8月4日の4-6月期の決算発表待ちとなります。コスト削減を支えに中長期では増益基調が続くため、下値は限定的とされています。住宅設備最大手で傘下にトステムやINAXなどがあり、サッシ、キッチントップ。

チャートをみると、2009年7月14日の1,310円の安値からの緩やかな上昇トレンド(A)が、2010年10月7日の1,430円を起点に角度の大きい上昇トレンド(B)に移行しています。この中で、今年3月4日の2,096円の高値をつけたあと、3月11日の大地震発生で3月15日の1710円まで急落するものの、復興銘柄として買われて4月1日には2,210円の年初来高値更新となりました。ここで目先材料出尽しとなり、6月9日の1,863円まで下落して反発に転じるものの、6月30日の2,085円までしか上昇できず7月21日に1,955円で売転換出現となっています。6月9日の安値1,863円を終値で切ると三尊天井が確立し、3月15日の1,710円を試す動きとなります。業績予想からは6月9日の1,863円安値を守って反発しそうです。4月1日の高値2,210円を終値で上に抜けると三尊天井の崩れ型となって再騰の形になると思われます。

住生活グループ

5959 岡部 東証1部

四季報夏号によると、自動車関連は米国が上向きで、欧州も回復基調。特色は、建設向け仮設型枠・構造機材が主力。被災地復興に耐震・免震土法関連の構造機械や法面補強など土木製品を積極供給。

チャートをみると、2008年5月15日の546円の高値をつけて10月7日の301円まで急落し、その後は、左下を直角とする直角三角形の保ち合いとなり、この中で煮詰まって2010年10月21日の306円を安値に反発となって直角三角形の保ち合いを上放れしました。上放れ後、今年3月1日に452円の高値をつけたあと押し目を入れているところで3月11日に大地震が発生し、3月15日の328円まで急落するものの、復興銘柄として買われ、4月4日には483円の年初来高値更新となりました。その後、管政権の復興対策の遅れから4月15日に474円の二番天井をつけて5月13日に435円で売転換となり、7月21日には393円の安値をつけました。業績の伸びは鈍化となっていますが、大きく下げていますので割安感からリバウンドが狙える銘柄と思われます。

岡部