6971 京セラ 東証1部

4月27日決算発表の2011年3月期連結決算で、純利益が前期比3倍の1224億円となった。スマートフォンなどデジタル向けの半導体部品が大きく伸びたと同時に、2012年3月期の連結予想は増収・増益だが、純利益は前期に計上した繰り延べ税金資産がなくなるため▼9%の1,120億円としている。

昨年からのチャートをみると、2010年4月6日に9,740円の高値をつけ、その後、急激な円高を受けて7月6日の6,910円まで下落し、7,500円を挟んだ三角保ち合い(A)のような形となり、この中で8月27日に7,060円の安値から上放れとなって10月18日の8,740円まで上昇しました。ここから11月1日の8,000円まで押し目を入れたあと、緩やかな上昇トレンド(B)を形成して2月7日に8,920円をつけ、押し目形成中の3月11日に大地震が発生して3月15日の6,440円まで急落しました。しかし、すぐに急反発となって4月8日には8,610円まで戻し、4月19日の8,090円まで押し目を入れたあと再上昇となって5月2日には9,040円と2月7日の8,920円を上に抜けました。その後、日経平均の下落を受けて5月25日に8,330円で売転換が出現しました。そして、5月31日には8,590円まで上昇して8,510円で引けました。

京セラ

6332 月島機械 東証1部

5月12日の決算発表で、2011年3月期の営業利益は2010年同期比△24%の24.2億円、2012年3月期も△24%の30.0億円と増益見通し。下水処理など水環境事業と化学向け産業プラントが2本柱。アジア大型案件が12年3月期に貢献。

チャートをみると、2009年3月6日の403円で底打ちとなって8月24日の682円まで上昇後、2009年11月27日の503円、2010年11月2日の490円と二点底となって上昇トレンド(A)を形成し、2011年2月23日の845円の高値をつけました。その後、押し目形成中の3月11日に大地震が発生し、3月15日の630円まで下落しました。そこから、大地震による被災地の上下水道施設の深刻なダメージから水環境事業を主力とする同社に思惑買いが入り、3月29日の870円まで上昇して年初来高値を更新しました。その後は、原発事故への対応で復興需要は先に延び、復興需要関連銘柄がほとんど下落となっています。下げ方としては、2月23日の845円、3月29日の870円、4月15日の805円と三尊天井の形を作って4月26日の728円で売転換となり、5月27日の700円で追加の売法則が出て上昇トレンド(A)を下に切りました。この銘柄は、業績好調で復興需要もあることから、思惑買いで買った投げが出てしまえば再び反発すると思われます。

月島機械

8035 東京エレクトロン 東証1部

5月13日の決算発表で、2012年3月期の売上げは△9%の7300億円の見通しだが、連結純利益は前期比▼8%の660億円になりそうだとした。有機ELなど新規分野の研究開発費を増やすほか、税金の支払い負担が減益に繋がるということです。

昨年4月14日に6,670円の高値をつけてからのチャートをみると、三角保ち合いの形となって、その下限近くで4,500円を挟んだもみあいとなっています。昨年4月14日に6,670円の高値をつけ、急激な円高が進行したことで9月1日の3,920円までの大幅下落となりました。ここから上昇トレンド(A)を形成し、この中で、今年1月10日の5,780円、2月17日の5,780円とダブル天井をつけ、2月22日に5,400円で売転換が出現して日柄調整をしているときに3月11日の大地震が発生して3月15日の4,050円まで急落しました。ここから3月22日の4,675円まで自律反発したあと4月19日の4,265円まで下落し、再上昇となって5月2日の4,780円まで上昇するものの5月23日に4,510円で売転換となっています。ここでの売買法則は、4月19日の4,265円を安値、5月2日の4,780円を高値とするボックス圏のもみあいとみてよく、どちらか放れた方に大きく動くことになります。どちらに動く可能性が高いかは、半導体の今後をみると、米大手半導体製造装置のアプライドマテリアルズが5月24日の決算発表で2-4月期は好調だったものの5-7月期は慎重な見通しをしています。5月25日の4,400円を終値で切ると要注意となってくると考えられます。

東京エレクトロン

5711 三菱マテリアル 東証1部

5月12日の決算発表では、前期は増収増益。今期は増収ながらも営業減益見通しだが、経常利益と純利益は持分法投資損益の改善で増益という内容になっています。自動車、IT向け電子材料は年後半から増産に転じる可能性が高く、太陽電池、地熱発電の材料もあることで、中長期的視点では安値を買ってじっくり保有というところです。

チャートをみると、2008年11月21日の166円で底打ちとなって上昇トレンド(A)を形成し、この中で2009年6月8日の342円まで上昇し、ここで当面のピークとなりました。ここからの調整で7月13日の236円まで下げたあと、8月31日の293円まで反発するものの、上昇トレンド(A)の下値斜線が上値抵抗ラインとなってアタマを押さえ、再下落となって11月27日には201円まで下げました。現在は、この201円を安値に緩やかな上昇トレンド(B)を形成しています。この中で、今年3月1日に318円の年初来高値をつけたあと、3月11日の大地震で急落となり、3月15日の210円まであって4月1日の289円まで反発しました。ここからの押し目で4月12日の261円で売転換が出現したものの、すぐに反発となって5月2日には286円まで上昇し、4月1日の289円に対するダブル天井の形となって再下落し、4月13日の安値256円を下に切りました。

三菱マテリアル

7013 IHI 東証1部

4月27日の決算発表で、11年3月期の営業利益を500億円から610億円に上方修正し、15期ぶりに最高益更新。12年3月期は発電事業など資源エネルギー事業の低迷で経常減益の見通しとなっています。

チャートをみると、2007年5月11日の高値500円からの下降トレンド(A)の中で、サブプライム問題やリーマンショックを受けて暴落となり、2009年3月3日の79円で底打ちしました。ここからの反発で、下降トレンドを上に抜けて9月11日の200円まで上昇し、そこから11月27日の130円の安値をつけたあと、緩やかな上昇トレンド(C)へ移行して現在に至ります。この上昇トレンド(C)の中で、今年2月21日に226円と上値上昇ラインを少し上に抜けたあと、押し目を形成していたところに3月11日の大地震が発生し、3月15日に140円まで急落しました。

3月15日の140円からの戻りの途中で4月27日の決算を好感し、4月28日に209円の高値をつけて目先材料出尽しとなって反落し、5月17日に188円まで下げて多少反発しているところです。12年3月期の見通しを考えると、2月21日の226円をこのまま抜けていくのは難しく、また、上昇トレンド(C)の上値斜線の上限に接近してきていますので、目先は空売りも可能と思われます。

IHI