先週は4月19日の安値9,405円を守って一旦リバウンドし9,500円台を回復

5月23日の予測では、すでにNYダウ・ナスダックが売転換し、トピックスも5月20日に売転換となっていたことで、日経平均も4月19日の安値9,405円を下に切れば下値模索となることを想定しました。週明け5月23日のNYダウが世界的景気減速懸念から▼130の12,381ドルとなったことで、5月24日は9,405円を切ると思っていましたが、寄り付きに▼54の9,406円と1円上で止まり、そこからジリジリと反発し、小幅のプラスに転じて△16の9,477円で引けました。その背景は、前日5月23日に日銀がETFの買い入れを行っていたことや、為替が1ドル=82円前後の円安となっていたことがあります。5月25日は、NYダウの3営業日連続安を受けて反落し、9,415円まで下げて▼54の9,422円となり、日経平均も売転換が出現しました。しかし、4月19日の安値9,405円を守ったことから、5月26日は前日の原油価格やNYダウの上昇を受けて、主力株中心に買い戻しが入り、△139の9,562円と大幅反発しました。出来高は約16万株、売買代金も1兆1,707億円と低水準でした。週末5月27日は、週末要因に加えて5月30日のアメリカ市場がメモリアルデーで休場のため様子見ムード強く、また、雇用統計を控えていることもあって動きにくく▼40の9,521円で引けました。

結局、日経平均にも5月25日に9,422円で売転換が出現したものの、9,405円を守り、また、週後半のアメリカ株式の反発にもサポートされて、多少のリバウンドを試すかどうかという状況となっています。NYダウは、5月24日の▼25の12,356ドルまで3営業日連続安となりましたが、その後は原油価格が反発し、エネルギー・素材セクターが下支えとなって、5月25日は△38の12,394ドル、5月26日は△8の12,402ドル、5月27日は△38の12,441ドルと小幅な3日連続高となって終わりました。

先週は、5月24日に9,406円まで下落して4月19日の安値9,405円を守り、週末5月27日の大引けは9,521円と何とか9,500円台を回復したまま引けています。このまま再び9,500~9,800円のボックス圏の動きに入るのかどうかはNYダウと為替次第ですが、5月27日のアメリカ市場で中古住宅販売仮契約数が前月比▼11.6%と予想の▼1%を大きく下回ったことでドル売りが加速し、円は2週間ぶりに80.692円の高値をつけました。シカゴ日経先物は9,490円と9,500円を割れていました。

今週後半にアメリカの重要な経済指標の発表を控え様子見

先週末5月27日のNYダウは△38の12,441ドルと3日連続高となったものの、4月中古住宅販売仮契約数が前月比▼11.6%と予想の▼1%を大幅に下回る悪化となったことで長期金利が低下し、ドルが急落して円が一時80.692円と2週間ぶりの円高となり、シカゴ日経225先物は9,490円と9,500円を割っていました。そのため、本日5月30日の日経平均は、▼32の9,489円で寄り付いて9,448円まで下落しましたが、売り一巡後は買い戻しが入り、一時プラスに転じて9,540円まで上昇しました。しかし、すぐに反落して大引けは▼16の9,504円となりました。出来高は13億8,093万株、売買代金は9,176億円と1兆円を割り込む薄商いとなっています。

現時点では、日米共に中途半端な戻りとなっています。日経平均は、出来高・売買代金共に薄商いを続けており、買い戻しによるリバウンドはあっても上値を買い上がるエネルギーはありません。下値ポイントは、今のところ4月19日の9,405円、上値ポイントは最大で5月のSQ清算値9,758円となりますので、日経平均の反発も単なる買戻しによるものだと思われます。

今週は、日経平均は軟調な展開が想定され、下げた場合に4月19日の9,405円を守れるのかが注目点となります。国内的には、野党が内閣不信任案提出の構えで政治の不透明感が高まり、復興対策にはスピード感がなく、福島第一原発は依然として不安定な状態となっており、対外的には欧州財政不安に加えてアメリカの経済指標の悪化が目立ち、今週末の雇用統計が注目されるところとなっています。プラス面では、日銀のETF買いへの期待や、東証1部のPBR(平均株価純資産倍率)が1倍に接近して値頃感が出て、外国人が買いやすくなっているということくらいです。買い上がる材料がないため、本日の売買代金は9,176億円となりました。

騰落レシオをみると、震災の時に72.82%まで下落し、その後、日経平均の大きな戻りで4月20日には110.74%まで上昇し、その後の調整で80%前後(先週5月25日は77.15%)の動きとなっています。騰落レシオからみる買ポイントは70%割れとなりますので、まだ中途半端な調整だといえます。昨年の動きをみてみますと、2月19日の70.4%、5月26日の63.0%、7月22日の69.3%、11月2日の69.4%まで調整して反発となっています。騰落レシオからは70%前後の調整を待つということになります。ただし、日経平均がダラダラと下げて、騰落レシオが70%前後になっても大きなリバウンドはそれほど期待できません。日経平均も大きく下げて、騰落レシオも70%前後の動きとなれば買チャンスということになります。それを今のところは9,000円水準としているわけですが、為替・NYダウ次第ですので様子見しかありません。

(指標)日経平均

週明け5月23日は、アメリカ株安と欧州財政不安を受けて▼146の9,460円と9,500~9,800円の下限を下に切りました。5月25日には、▼54の9,422円となって柴田罫線で売転換となり、4月19日の終値9,441円を下に切りましたが、ザラ場安値9,405円を守って目先反発となり、5月26日は△139の9,562円と9,500円を回復しました。そして、週末は▼40の9,521円と反落して引けました。日経平均の反発は、日銀のETFの買い期待と為替が円安にふれたことによるものでしたが、買い上がる理由は今のところありません。本日も、為替が80円台後半の円高になっているにもかかわらず、9,448円まで下げると買いが入って一時プラスに転じ、大引けは▼16の9,504円となりました。薄商いの中を先物主導で支えているような形となっています。チャートの形からは、4月19日の9,405円、5月24日の9,406円とダブル底のような形となっていますが、大きく戻りを試せずに4月19日の9,405円を切ると急落という形になります。

日経平均

(指標)NYダウ

前週末5月20日は、ギリシャの格付け引き下げから財政不安が再燃し、NYダウは▼93の12,512ドルで引けました。さらに、週明け5月23日は、イタリアの格付け見通しの引き下げや、スペインの選挙で与党が大敗したことを受けて欧州経済不安が高まり、▼130の12,381ドルと大幅続落となりました。5月24日も▼25の12,356ドルとなって3日連続安となりましたが、5月25日は、原油価格が100ドルを回復したことでエネルギー・素材セクターが買われて△38の12,394ドルと反発しました。5月26日は、新規失業保険申請件数が予想より大きく増加し、第1四半期(1-3月期)GDPも予想を下回ったことで、一時▼76の12,317ドルまで下げるものの、IT関連が買われて△8の12,402ドルの小幅高となりました。そして、週末5月27日はミシガン大学消費者信頼感指数が予想を上回ったことで△38の12,441ドルと3日続伸しました。ただし、中古住宅販売仮契約数が前月比▼11.6%と予想の▼1%を大きく下回ってドル売りが加速し、円は2週間ぶりに80.692円の高値をつけました。3日間小幅反発していますが、まだ自律反発の範囲といえます。終値で5月19日の12,633ドルを上に抜ければ、目先は高値圏のもみあいに入る可能性が高くなります。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、82円台は上値のフシとなるところであり、81円台でのもみあいを想定しました。結局、5月23日~5月26日までは82円を挟んだもみあいとなり、引値ベースでは81円台でしたが、週末5月27日は一気に円高が進んで80.833円で引けました。

先週は、5月24日に原油価格が反発し、アメリカで「4月新築住宅販売件数」が改善したことでドルが買われて82.208円まで上昇しましたが、5月19日の82.238円を超えることはできませんでした。5月26日になると、82.087円を高値にドル売り優勢となり、アメリカの経済指標の悪化で81.157円まで下落しました。さらに、週末は「4月住宅販売保留指数」が大幅に悪化したことで、長期金利も低下してドル売りが加速して80.692円と2週間ぶりの円高となりました。

今週は、80.782円を引値で切ると80.352円を試す可能性があります。アメリカの経済指標が下振れしてきており、6月のQE2終了後も低金利政策が続くとの思惑から長期金利が一段と低下してきています。一部のファンドが仕掛け的なドル売りを進めているという見方もあります。

ドル/円