8830 住友不動産 東証1部

2月8日発表の2010年4-12月期連結決算は純利益が前年同期比6%減。通期予想は据え置き。JPモルガンが28日付で投資判断を「買い」から「中立」へ引き下げた。理由はオフィス市況の回復遅れ。

この1~2年のチャートをみると、2009年8月14日に2,165円の高値をつけたあと、2009年11月27日の1,366円まで下落し、中期的な三角保ち合いとなりました。この中で、2010年7月22日の1,439円を安値に上昇トレンド(B)を形成し、2010年10月7日の1,912円まで上昇して三角保ち合いを上放れし、2010年11月2日の1,732円まで押し目を入れました。2010年12月21日にUBS証券が同社を含め大手不動産4社を「強気」に格上げし、目標株価を2,200円としたこともあって上値を追う動きとなり、今年2月21日に2,277円まで上昇し、目標達成となりました。その後、日経平均の軟調な動きとともに下落に転じ、3月2日に2,115円で短期の売転換出現となりました。日経平均が下値を確認するまでは、調整が続くことが考えられそうです。

住友不動産

2670 エービーシー・マート 東証1部

1月12日に2010年9-11月期決算から小売各社の収益底入れが鮮明になって、減収傾向に歯止めがかかってきたと報じられました。エービーシー・マートも防水機能や革質を向上させたビジネスシューズなどを拡大。9-11月期は既存店の客単価が8四半期ぶりにプラスに転じました。

リーマンショック後、2009年3月13日の1,701円で底打ちとなり、2009年9月29日の2,890円まで上昇後、2009年11月13日の2,415円まで押し目を入れました。ここから本格上昇となり、2010年6月22日には3,650円の高値をつけました。このあと、急落となって2010年9月3日の2,362円まで下げ、その後は上昇トレンド(A)を形成しています。今年になって1月6日の2,687円を安値に11年2月期の経常増益増配期待から戻りを試す動きが続き、2月14日には3,365円の年初来高値をつけ、もみあったあと2月24日の3,160円で短期の売転換となりました。しかし、すぐに反発となって3月1日には3,310円でろあ買が出ています。このような場合は、2月14日の3,365円を突破できれば、3,500円くらいまでの上昇が期待されますが、逆に再下落となって3,150円を終値で切ってくると、買いを考えるところとなります。

エービーシー・マート

3407 旭化成 東証1部

2月4日発表で、今期の営業利益を50億円積み増し(従来予想1,200億円)。2012年3月期は住宅、医療、電機の増勢で今期に続き大幅な増収増益見通し。

チャートをみると、2008年のリーマンショック後、2008年10月27日の290円で底打ちとなり、2008年11月5日の436円まで自律反発したあと、2009年2月26日の298円でダブル底をつけて大きな上昇トレンド(A)を形成しています。この中で、2010年8月27日の410円の安値から大幅上昇となり、今年2月4日の598円まで上昇後、高値圏のもみあいとなって2月24日に543円で短期の売転換出現となっています。基本的には、2010年8月27日の410円から今年2月4日の598円までの上昇幅の三分の一~二分の一押しを待つところと考えられますが、来期の業績が期待できるところから、深い押し目にはならないかもしれません。

旭化成

6594 日本電産 東証1部

2010年12月8日の四季報先取りでは、会社の営業益は過小であり、大幅上昇を想定していました。しかし、今年1月28日の四季報速報では、今期は受注状況の変化や供給遅れから、1月25日の会社発表では上方修正はなく、会社の説明を妥当としています。来期は大幅の増収増益予想となっていますが、目先は期待ハズレとなったことで下落しています。

相場環境が悪化すれば、主力株は全て売られますので、日本電産もさらに下落することになります。チャートをみると、2010年10月12日の6,890円から今年1月12日の8,820円までしか上昇できず、2010年12月9日の8,910円に対する2番天井(ダブル天井に近い形)となって下落し、今年1月25日の会社発表で業績は好調だったものの、期待された上方修正がなかったことで目先売られる形となっています。業績が良いために買い残が多いですから、調整に多少時間を要することになると思われます。

日本電産

6584 三桜工業 東証1部

2月14日の四季報速報では、今期は会社の上方修正通り5割近い営業増益だが、11年1-3月期は円高により営業益が急減速の見通し。為替レートは、1ドル=83円。2012年は今期ほどの円高シフトが進まなければ、合理化で対処できる余地あり、海外需要の強さから営業利益は強含み水準を確認できる公算。

チャートをみると、2007年のサブプライム問題、2008年のリーマンショックによる暴落から、2009年2月12日に299円で底打ちとなりました。上昇の仕方としては、2008年10月9日の352円、2009年2月12日の299円、5月18日の371円を三点底(逆三尊天井)の形を作って、2008年11月5日の508円の高値を抜いての上昇ですので、逆三尊天井が確認した形となっています。2009年8月14日の648円まで上昇し、2009年11月19日に491円まで下落し、その後は上昇トレンド(A)を形成した動きとなりました。この中で、今年は2月16日に876円の高値をつけて押し目を形成しているところです。

三桜工業