先週は想定した10,900円に接近だが、為替がいったんの円高へ

先週2月14日(月)の予測では、チャート分析で10,900円を試すとし、ただし、日本市場で為替が1月7日の83.676円を終値で抜けることがポイントとしました。2月16日(水)は、NYダウは2日連続安となるものの、アメリカの長期金利の上昇から1ドル=83.92円台までドルが買われ、日本市場では83.75~79円台の動きとなっていたことで△61円の10,808円と10,800円台を回復しました。翌日(2月17日)は、前日のNYダウが3日ぶりに△61ドルの12,288ドルとなり、円も83円台半ばの動きだったことで一時10,891円まで買われましたが、利益確定売りに押され、上げ幅を縮小して△28円の10,836円となりました。為替は、日本市場の引け値で明白に1月7日の83.676円を超えることができず(ドル/円の売買は日本市場がボリュームが大きいため)、また中東情勢の悪化からドルが売られて83円台前半の円高となっていることで、2月18日(金)の終値は△6.1ドルの10842ドルとなりました。想定した10,900円に接近しましたが、為替の円安が続かず、日経平均も上値の重い展開となりました。

外国人投資家の買いが続いています。先週も、クレディ・スイスが日本にインフレ懸念がないということで日本株比率を5%から20%に引き上げてきました。アメリカ発の過剰流動性相場から、アメリカ株式が上昇し、出遅れとして日本株が買われてきています。買い遅れている海外投資家も多く、下げるとすぐに押し目買いが入る状況となっています。日米共に、中東情勢でのネガティブな材料を無視する結果となっていますが、何らかのキッカケでこれを織り込む動きが出てもおかしくありません。ただし、そうなっても格好の押し目買いとなるのが、現在の過剰流動性相場といえますが。日本の場合は、基本的にNYダウの出遅れとしての買いですが、この1カ月くらいは予算が通るかどうかという問題があり、政局絡みとなってくる可能性があります。それを無視して日経平均が上昇できるとしたら、為替が日本市場で再度1月7日の83.676円を突破して、昨年11月29日の84.394円、12月15日の84.481円というドルのダブル天井となっているところを試す動きとなる場合です。そうでなければ、11,000円台というのはなかなか難しいと思われます。今週は、為替に影響を与える指標が出てきますので注目するところです。

国内では2月23日(水)の貿易統計、アメリカでは住宅関連の指数の発表があります。ここでアメリカの景気回復の改善が確認されると、長期金利が上昇し、ドルが買われて再び円安の流れが出て、日本株式にとっては追い風となります。そうでなければ、高値圏のもみあいが続いて、何らかの材料待ち(良い材料か悪い材料かはわかりません)となることが考えられます。

(指標)日経平均

先週2月14日(月)は、NYダウの高値更新も続いており、為替が83円台となってきたことで△119円の10,725円となりました。10,900円までは大きなフシがないことから1月7日の83.676円を上に抜ける円安基調となれば、一段高を想定しました。2月16日(水)には、前日のNYダウが2回連続安の▲41ドルの12,226ドルとなっていたにもかかわらず、為替が83.75~83.79円の動きとなって1月7日の83.676円を超えた円安となったことで△61円の10,808円と10,800円台を回復しました。2月17日(木)は、前日のNYダウが△61ドルの12,288ドルと反発したことで寄り付き10,891円と10,900円に接近したものの、そこから利益確定売りとなり、為替も83.676円を完全に超えることが出来なかったこともあり、上げ幅を縮小して△28円の10,836円で引けました。週末2月18日(金)は、材料不足で出来高も減少し、前日の終値を挟んだ小動きとなり△6円の10,842円で引けました。

本日は、前場は高値警戒感から利益確定売りに押されて▲38円の10,804円となるものの、上海株式がしっかりしていたことで押し目買いが入り、△14円の10,857円で引けました。今週は、アメリカの経済指標待ちで、結果によっては円安へブレるのを待つところとなります。

日経平均

(指標)NYダウ

先週は、日柄からいっても目先いったん一服してもおかしくないところですが、テクニカルモードが天井圏にはりついており、このような状態の時は反落してもすぐに回復するという状況が続くことになるとしました。

2月14日(月)は、出来高が年初来の低水準で▲5ドルの12,268ドルとなり、2月15日(火)は1月小売売上高が予想を下回り、一時▲74ドルの12,193ドルまで下落して終値は▲41ドルの12,226ドルでした。しかし、2月16日(水)には1月の住宅着工件数が予想を上回り、FOMC議事録で11月GDP見通しが上方修正されたことで△61ドルの12,288ドルと反発し、昨日2月17日(木)はバーレーンでデモが激化して中東情勢が不透明になったにもかかわらず、2月のフィラデルフィア連銀指数が2004年1月以来の高水準となったことで△29ドルの12,318ドルと高値更新となりました。高値更新を続けており、今のところは売りの形も出ていませんが、上値は重くなってきたと思われます。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の分析では、2月10日に83.220円で買転換が出現したことで、1月7日の83.676円を抜けると11月29日の84.394円、12月15日の84.481円とドルのダブル天井となったところを試しにいくとしました。

2月15日(火)は、米長期債利回りが上昇し、2月のNY連銀製造業景気指数が上ブレしたことで、83.901円をつけ83.783円で引けました。2月16日(水)は、経済指標の強い結果から長期債利回りがさらに上昇して83.953円まで買われ、引けは83.675円でした。1月7日の83.676円をNYの引けでは超えたものの、ボリュームの大きい日本市場では明確に超えることが出来ませんでした。そのため、2月17日(木)は「新規失業保険申請件数」が悪化したことでドル売りが強まり、83.165円まで売られ、2月18日(金)も中東情勢が悪化したことでドル売りが強まり83.049円まで売られて83.123円で引けました。

先週は、83.953円まで戻すものの84円の上値は重く、中東情勢の緊迫化からドル売りが進み、2月17日(木)には83.304円でドルの売り法則が出現しました。2月10日に83.220円で買転換したあとの売法則ですので、83~84円のもみあいがしばらく続く可能性があります。そのあと、再び84円を試す動きを想定します。

ドル/円