9065 山九 東証1部

11月5日の決算発表では、11年3月期は物流は底打ちだが、大口工事の低迷が続き経常減益となっています。しかし、三菱UFJ証券が11年3月期末から12年3月期には老朽化設備の更新需要が再び顕在化するとして投資判断を「強気」としています。

チャートをみると、2008年7月25日の572円の高値からリーマンショックを受けて下落となり、2008年10月28日の197円で底打ちとなって緩やかな上昇トレンド(A)を形成しています。この中で、2009年2月24日の226円の安値から上昇トレンド(B)を作って、2010年1月12日に501円でピークとなりました。ここから急角度の下降トレンド(C)となり、8月26日の315円、10月4日の314円とダブル底の形となって11月5日の351円まで反発し、11月24日の320円まで押し目を入れ、12月8日に363円で買転換出現となりました。さらに細かくみると、8月3日の378円の戻り高値から短期の下降トレンド(D)となり、この中で(1)8月26日の315円、(2)10月4日の314円、(3)11月24日の320円と三点底(逆3尊)となって11月5日の351円を上に抜いて12月8日の363円で買転換が出現しています。押し目買い有利の形と考えられます。

山九

8032 日本紙パルプ商事 東証1部

11月5日の決算発表で、洋紙が低迷しているものの、11年3月期は板紙の復調、特殊紙の輸出が好調で経常増益となっています。

チャートをみると、2007年10月11日の450円の高値からの下落で、2008年1月22日に338円、2008年3月14日の339円とダブル底になって反発するものの、2008年2月21日の425円を抜けずに2008年5月20日の391円で戻り高値をつけました。ここから半円形を作り、前安値である2008年3月14日の339円を2008年10月6日の336円で切ったことで柴田罫線で「いそ型」という売転換が出現しました。2008年10月7日の358円までいったん戻したあと急落となり、2008年10月10日に245円の安値をつけました。「いそ型」とは、2008年3月14日の339円を基点に、2008年5月20日の391円まで戻り、ここから円形に下げて下値抵抗ライン(343円)や前安値(2008年3月14日の339円)を割れば売転換(右半円形転換の奥義)というものです。

いったん2008年11月5日の345円まで急反発したあと再下落となり、2009年2月23日の251円まで下落しました。ここから2009年2月23日の251円、2009年4月30日の258円、2009年6月19日の277円と順次下値を切り上げる三点底(逆三尊)の形となって上昇し、2009年8月24日の365円の高値をつけました。ここをピークに2009年11月30日の292円まで調整し、再上昇となって2010年4月12日に368円をつけました。2009年8月24日の365円を抜いたものの、ダブル天井となって大幅調整となり、8月31日に271円の年初来安値更新となりました。その後、底値圏でもみあって10月8日に284円で買転換が出現するものの、もみあいが続いて11月16日の260円とダメ押しの下げを入れ、もみ合いの上放れとなって12月9日には300円まで上昇し、現在押し目となっています。

日本紙パルプ商事

7731 ニコン 東証1部

8月5日の決算発表で、10年4-9月期を上方修正。その後、11月4日の決算発表では、円高が想定以上に進んだとして、従来計画より売上高を200億円、営業利益を40億円減額。

チャートをみると、2010年1月15日の2,116円、3月17日の2,210円、4月30日の2,159円と三尊天井を形成し、5月7日の2,002円で売転換となって下向き先細三角形(A)の下げとなりました。この中で、7月22日に1,440円の安値をつけ、8月10日に1,590円で短期の買転換となったものの、急激な円高が進み、すぐに下落となって9月15日の1,357円まで下げました。投資ワールド(弊社の有料コース)では、この時点で1ドル=85円を割って一段の円高が進めば7月22日の1,440円を試す動きになるので、この水準からはリバウンド狙いで1,440円以下で買って、1,700円台で利食いとしました。結局、円高が80円台まで進行し、ニコンは9月15日に1,357円まで下落となったあと、円高一服を受けて9月6には1,462円で買転換が出現し、11月22日には1,744円まで上昇しました。8月11日の分析で、本格的な上昇は6月4日の1,767円を終値で抜けてからのため1,700円台は上値重いとしていました。1,744円を目先のピークに下落となり、12月10日に1,620円で短期の売転換出現となりました。

ニコン

9104 商船三井 東証1部

11月30日の日経新聞によると、商船三井(他海運大手2社)はアジア向け自動車輸送が黒字化。2011年3月期の輸送計画は前期比40%の高い伸び。コンテナ船の回復やばら積み船も新興国向け堅調で経常増益。

チャートをみると、2008年10月28日の357円を底値に緩やかな上昇となっているものの、上値では2009年6月2日の736円を戻り高値に700円水準が上値の抵抗ゾーンとなっています。この中で、2009年12月15日の455円を安値とし、2010年4月21日の714円を高値とする三角保ち合い(A)のような形になっており、この中でさらに5月21の593円を安値、6月21日の671円を高値として下向きの先細三角形(B)を形成していました。しかし、この煮詰まったところで11月2日の499円の年初来安値をつけたあと、11月8日に548円で買転換が出現し、12月6日の594円まで上昇して押し目を形成しているところです。ここは押し目買い有利ですが、目先は三角保ち合い(A)の上値斜線が630円水準にあり、ここを突破すると6月21日の671円が上値ポイントになると考えられます。

商船三井

8804 東京建物 東証1部

12月2日の四季報先取りでは、11年12月期は新ビル寄与や住宅も用地費低下で採算が改善し、営業益底打ちとなっています。

チャートをみると、2009年3月13日の194円で底打ちとなって反発となり、2009年6月15日の622円と短期で3倍化し、その後2009年8月31日に565円で二番天井となって下降トレンド(A)を形成しています。この中で、2009年11月27日の266円を一番底、2010年7月1日の261円を二番底に反発となり、10月7日の364円まで上昇したあとは、11月2日の316円まで押し目を入れて緩やかな上昇トレンド(B)となっています。しかし、12月7日に351円で買転換すると同時に2009年8月31日の565円からの下降トレンド(A)を上に抜け、10月7日の直近高値364円も抜いてきましたので、押し目買いの形と考えられます。

東京建物