先週は一服して10,000円台固め

先週の11月22日(月)の予測では、日経平均は一服場面も想定されるが10,000円台固めの動きとしました。為替からみると、1つ目のドルのフシである83円70銭台を11月18日に試したものの、ここを超えることができず円安が一服し、日経平均も10,120~10,150円は上値抵抗ゾーンであり、ちょっとした調整があってもおかしくないとしました。いずれ83円70銭台を突破するドル高・円安を想定していますが、それまでの間は循環物色となって相場を下支えし、出遅れの総合電機や内需株(中小型株も)にも波及していくとしました。11月22日(月)は10,157円まであって終値は△92円の10,115円でしたが、目先は一服感の出るところで、新規の買いは押し目買いに徹することが重要ともしました。

日本市場が勤労感謝の日で休場だった11月23日(火)に、北朝鮮が韓国を砲撃したことによる地政学リスクやアイルランドの債務問題も重石となり、NYダウは▲142ドルの11,036ドルの急落となりました。これを受けて、11月24日(水)の日本市場は▲172円の9,942円で寄り付き、9,904円まで下げると押し目買い意欲強く、下げ幅を縮小して▲85円の10,030円と10,000円台を回復して引けました。北朝鮮による砲撃事件を受けて、やや値幅調整のある一服局面となりました。引け後のアメリカ市場では、朝鮮半島の武力衝突は拡大しないとの見方が広がり、堅調な経済指標(新規失業保険申請件数の減少やミシガン大学消費者信頼感指数の5カ月ぶりの良い数値)を受けて、NYダウは△150ドルの11,187ドルの急反発となりました。11月25日(木)の日本市場は△87円の10,117円で寄り付くものの10,123円をつけると上値は重く、利益確定売りで上げ幅を縮小し10,000円台の値固めの動きとなり△48円の10,079円で引けました。

週末の11月26日(金)の前場は、アメリカ市場が休場ながら欧州株式が堅調だったことで前日変わらずの▲1円の10,078円で寄り付き、10,134円まで上昇する場面ありましたが、週末要因もあって上げ幅を縮小し、前引けは△9円の10,088円でした。後場になると、日曜日(11月28日)に米韓の軍事演習を控え、北朝鮮の出方が分からないことから韓国市場が大きく下落し、日経平均も大引けにかけて売られて▲40円の10,039円となりました。為替が83円80銭台の円安をつけているものの、ユーロが111円台の円高の状態をみると、ドルに対する円安進行は米韓軍事演習に関連して北朝鮮の不透明な行動からのカントリー・リスクによるドル買い・円売りとみた方が良いかもしれません。日経平均は想定通り一服となり、25日移動平均線との乖離率も解消されてきています。日本市場の引け後のアメリカ市場では、アイルランドの財政危機がスペインなどへ拡大する懸念や朝鮮問題からリスク回避としてのドルが買われ、NYダウは▲95ドルの11,092ドルとなったものの、為替は1ドル=84円台にのってきました。

今週はSQ1週前の攻防で週末高く終わるかに注目

先週末(11月26日)のアメリカ市場は、年末商戦は順調な滑り出しとなって期待は高いものの、アイルランド問題が他の欧州の債務国に飛び火すると大変な事態になるという見方からスペイン株が大幅に下落し、それを受けて好調な年末商戦が掻き消されて、NYダウは▲95ドルの11,092ドルとなりました。先週は、日米の祝日を挟み、また欧州の財政不安や北朝鮮問題もあって、いったん一服して10,000円固めの動きとし、結果的にはそのような動きとなりました。もう少し調整が欲しいところですが、このまま再上昇となってもおかしくない状況だともいえます。今週が、来週の特別SQ日(12月10日)の1週前であり、オプションの1週前の攻防を考えると、コール(買い)有利に持っていくためには、週前半軟調で週後半高く持っていくのが通常のパターンといえます。現状では、北朝鮮問題と欧州財政不安がありますが、これを相場がどうこなしていくかとなります。私が思うには、北朝鮮の問題は基本的には、当面は一過性のものであり、欧州財政不安も今の段階ではまだアイルランド一国の話で、影響は限定的とみています。

それよりも、今の日本株式市場でにとっては、基本は為替の動向にあります。この為替の方向をうらなう意味で、今週はアメリカでは住宅価格指数、ISM景気指標、週末には雇用統計が控えています。それを前に、先週末のアメリカ市場では注目としていた83円70銭台をクリアし84円台にのせてきました。83円70銭台を突破すると85円台がみえてきます。このような為替の動きをみていますと、ドルが買われやすい状況にあり、基本的には85円台を目指す円安トレンドが今週末から来週にかけて出てくる可能性があります。日経平均が外部環境の悪材料にかかわらずあまり下げないのは、円安方向への動きを示唆しているのかもしれません。

11月29日(月)は、先週末にNYダウが▲95ドルの11,092ドルと下落したものの、アイルランドの支援合意を受けてグローベックス先物がしっかりしており、為替も1ドル=84円台にのっていることから△36円の10,075円で寄り付き、一時10149円まで上昇しました。しかし、北朝鮮問題など懸念材料多く前引けは△29円の10,069円でした。後場になると、先物主導で上昇し前場の高値まで買われるものの、その後10,100円台での膠着状態となり、大引けは△86円の10,125円で引けました。先週示したように日足での上値抵抗ゾーン10,120~10,150円で止まったことになります。次にここを抜いてくると、6月21日の10,251円を試す動きとなりますが、週前半もみあって後半高くなれば理想的です。

(指標)日経平均

先週の予測では、前週末の11月19日(金)は10,130円まであって終値は△8円の10,022円となり、週の終値で10,000円のせということもあり、目先は一服あってもおかしくないとしました。11月22日(月)に10,157円まであって△92円の10,115円となりましたが、この時点での日足の上値が10,120~10,150円にあり、ここから上値は重いとしました。11月23日(火)の休日の間に、北朝鮮が韓国を砲撃し地政学リスクが高まり、また欧州財務懸念から、NYダウが▲142ドルの11,036ドルと急落したことで、11月24日(水)の日本市場は▲172円の9,942円で寄り付きました。しかし、9,904円をつけると押し目買いが入り、終値は▲85円の10,030円と10,000円をすぐに回復しました。11月28日(木)は、前日のNYダウが△150ドルの11,187ドルと急反発したことで10,123円まで上昇するものの、上値重く△48円の10,079円でした。週末の11月26日(金)は、円はドルに対して83円台半ごろで推移しているものの、ユーロに対しては111円台の円高となっており上値は重く、さらに11月28日(日)に米韓軍事演習が行われることで、カントリー・リスクから日経平均は▲40円の10,039円で引けました。その後の海外市場で、有事のドル買いとなってドルは注目とした1ドル=83円70銭台を突破し、84円台となっていました。本日は84円台の円安を受けて先物主導で上昇し、一時10,149円と11月22日の10,157円に接近する場面もありましたが、ここからの上値は重く終値は△86円の10,125円となりました。来週に合同SQを控えており、週後半高く引ければコール有利となって6月21日の10,251円が視野に入ってきます。

日経平均

(指標)NYダウ

先週末11月19日(金)は、中国の預金準備率を0.5%引き上げる金融引き締め策(今月に入り2回目)やアイルランド債務問題の不透明さを嫌気して、NYダウは▲61ドルの11,119ドルまで下げるものの、コンピュータ大手デルの好決算を受けてプラスに転じ△22ドルの11,203ドルとなりました。週明けの11月22日(月)は、アイルランドの救済問題が他の欧州諸国へ広がる懸念や、ムーディーズによるアイルランド国債についての数段階の格下げ見通し発表で一時▲149ドルの11,054ドルまで下落しましたが、ハイテク株が買われて下げ幅を縮小し▲24ドルの11,178ドル、ナスダックは△13Pの2,532Pでした。11月23日(火)は、北朝鮮が韓国を砲撃し地政学リスクが高まり、また欧州債務問題も引き続いて重石となったことで一時▲186ドルの10,992ドルと11,000ドルを割り込み、終値は▲142ドルの11,036ドルの大幅下落となりました。11月19日(金)の柴田罫線分析では、さらに大きく上昇すれば問題はないが、戻り弱く11,000ドル(11月6日の10,978ドル)を引線の終値で切ってくると売転換出現となるとしました。11月23日(火)は10,992ドルまで下げて終値は10,036ドルとなったものの、翌営業日11月25日(木)に△150ドルの11,187ドルと切り返してきました。結局、高値圏でのもみあいの形となっていますが、このまま大きく上昇できずに11月23日の安値10,992ドルを切ってくると売転換が出現する形となります。週末11月26日(金)は欧州財務問題への懸念が高まり▲95ドルの11,092ドルで引けました。

NYダウ

(指標)ドル/円

先々週の11月18日(木)に83.769円まで買われましたが、83.7円台は上値のフシであるためいったん下落となっています。しかし、次にここを抜けてくると84.7円台がフシになってくるとしました。11月18日(木)の83.769円を引け値でいつ突破してくるかに注目とし、下げても82円台で止まり、ドルは上値を目指していくともしました。11月23日(火)は、北朝鮮の砲撃で地政学的リスクから日本の円が売られ、一時83.842円まで上昇しました。その後は、欧州財政懸念からリスク回避の円買いとなり、82.782円までのドル売りとなりましたが、米国債利回りが低下幅を縮小したことでドルが買い戻され83.154円で引けました。その後は83円台の半ばの動きとなっていましたが、週末の11月26日(金)は北朝鮮リスク、欧州財政不安などからリスク回避のドル買いが加速、83.7円台を突破して84.181円まで買われ、引け値でも84.02円となりました。柴田罫線では、11月23日の83.15円で短期の売法則が出ましたが、すぐに切り返すことで11月24日の83.54円で再度の買転換となって一段高となり、11月26日(金)に84円台のせとなりました。次は84.7円台がフシですが、ここを抜くと9月17日の85.92円を最終的に試す可能性があります。

ドル/円