5632 三菱製鋼 東証1部

決算発表は10月28日の予定ですが、その前の10月21日に11年3月期の連結経常利益を40億から70億円に上方修正しました。建設機械・自動車業界の販売が回復し、主力の特殊鋼材事業の売上が計画を大きく超過したことによります。チャートをみると、2008年6月20日の559円の高値からリーマンショックによる暴落を受けて2009年3月12日の157円でいったんの底打ちとなって、2009年6月15日の250円まで上昇しました。しかし、業績が悪化したことで2009年11月19日には138円とリーマンショック後の安値157円を更新しました。2010年3月期は赤字転換したこともあり、2010年3月31日に244円の高値をつけるものの2009年6月15日の250円に届かず下落となり、5月26日に165円の安値をつけました。その後、6月21日の213円まで戻すものの、ここから下値を165円、上値を213円とする直角三角形の保ち合い(B)となっており、この煮詰まってきたところで10月21日の164円を安値に上方修正発表となったことで10月22日(金)に△18円の183円で買転換出現となっています。ただし、まだ三角保ち合いの中での買転換ですので、三角保ち合いを上放れるのは190円以上の終値が必要です。

三菱製鋼

8031 三井物産 東証1部

チャートでは、2008年5月19日の2,760円の高値からリーマンショックを受けて暴落となり、2008年11月21日の656円で底打ちとなりました。2008年11月21日の底打ちから世界景気回復期待と11年3月期の最終増益予想を背景に緩やかな上昇トレンド(A)を形成していました。この中で、2010年1月15日に1,509円の高値をつけて、2月9日の1,270円まで調整後、再上昇となって4月12日には1,665円の年初来高値更新となりました。その後は、この1,665円をピークに4月22日の1,490円で売転換が出現し、5月の連休明けに欧州財政問題から世界同時株安となったことを受け、上昇トレンド(A)を下に切って7月6日には995円の昨年来安値をつけました。業績自体が悪化したわけではありませんでしたが、5円以下の下げで逆に買チャンスとみた投資家の信用買い残が10倍以上に膨れ上がり、その後の日経平均の下落につれて7月6日には大きな投げが出て995円の安値をつけたといえます。その後、8月10日の1,216円まで戻すものの、再び買い残が増加して上値が重くなり安値圏での三角保ち合い(B)を形成する動きとなりました。9月1日に1,076円の安値をつけてもみあいながら信用買い残が減少し(10月15日の時点では3.2倍へ)、9月13日には1,163円で買転換出現となって三角保ち合いを上放れし10月14日に1,367円まで戻しました。その後、10月19日の中国の利上げを受けて中国の成長が鈍化し、商社にとってマイナスという見方から売られました。当面は1,400円台が上値のフシとなりますが、押し目買いの形と考えられます。

三井物産

6140 旭ダイヤモンド工業 東証1部

9月7日に日経新聞で「2011年3月期の連結営業利益が前期比6倍の100億円前後の公算が大きい」と報じられ、20期ぶりの営業最高益の見通しとなりました。従来予想は前期比5倍の81億円。さらに、9月17日に自己株式の消却(発行済み株式総数の6.23%に相当する393万株)を発表したことで9月21日に1,701円の年初来高値更新となりました。チャートをみると、2007年のサブプライム問題からの暴落後に三角保ち合い(A)を形成し、この中でリーマンショックを受けて下放れとなり、2008年10月28日に395円で当面の底打ちとなるものの、大底圏での左下を直角とする直角三角形の保ち合い(B)となりました。この中で、2009年10月28日の395円に対するダブル底の形となって反発に転じ、(1)→(2)→(3)と上昇角度を大きくし、2010年2月1日の1,604円からは2011年3月期の連結営業利益の急増予想から6月14日の1,612円まで暴騰しました。ここで好材料を織り込んで調整入りとなり、上昇トレンド(3)を下に切って8月25日には1,174円の安値をつけました。ここでもみあって小さな三角保ち合いをつくり、9月3日に1,280円の買転換となって上放れし、2011年3月期の連結営業利益が従来予想を上回る見通しから9月21日には1,701円の年初来高値更新となって、上昇トレンド(3)の斜線にアタマを抑えられ、この高値圏でもみあって再度10月6日に1,715円の年初来高値更新となってダブル天井の形を作り10月14日に1,516円で売転換出現となりました。これで、現時点でわかっている好材料は織り込んでしまったとみることができます。10月29日発表の決算で9月7日の日経新聞の発表通りであれば下値を確認したあと戻りの二番天井を試す形となります。

旭ダイヤモンド工業

6506 安川電機 東証1部

10月15日に2011年3月期の連結最終損益が65億の黒字(前期は56億の赤字)になる見通しであることを発表しました。ただし、10年10月期~11年3月期の受注高は4-9月期に比べて減少を見込んでいます。チャートをみると、大底圏で2008年10月27日の301円を一番底、2009年2月2日の320円を二番底として反発し、2009年6月18日の686円まで上昇。ここから2009年7月13日の562円まで下げたあとは、上向きの末広がりの上昇(A)となりました。この中で、2010年4月6日の889円で天井をつけて大幅下落となり、末広がり三角形の下値斜線を切って8月17日には575円まで下落しました。この水準でもみあって9月2日に563円の年初来安値をつけたあと9月9日に614円で買法則が出現して10月8日の705円まで上昇し、もみあったあと10月15日に上方修正が発表され10月19日に703円をつけました。日足では、10月8日の705円、10月19日の703円とダブル天井のような形となって押し目形成となっています。押し目が浅く、二山を上に抜けると(つまり10月8日の705円)一段高となる形です。

安川電機

5471 大同特殊鋼 東証1部

7-9月期の決算発表は10月28日(木)の予定となっています。7月28日の4-6月期の発表では経常利益を従来比2.2倍に上方修正し、11年3月期は経常黒字転換となりましたが、すでにこの好材料は5月11日の433円に織り込まれており、7月29日の424円を高値にもみあいとなりました。チャートをみると、2008年8月18日の637円の高値からリーマンショックで暴落となり、2009年3月24日の201円で底打ちとなりました。ここから急反発となって2009年6月5日の488円まで上昇しましたが、ここが当面のピークとなって大きな三角保ち合いを形成しています。この中で、2009年6月5日の488円、2010年5月11日の433円、7月29日の424円と三山を形成し、2009年11月20日の275円と2010年6月9日の347円を結ぶ上昇ライン(B)を切って10月25日に382円で売転換出現となりました。10月28日(木)の決算発表が想定通りであれば材料出尽しで下値を探る動きとなるものの、信用取り組みが長期にわたって0.5倍の売り残が多い状況ですので、一方的な下げとはならずリバウンド狙いとなります。ただし、下方修正あれば見送り。

大同特殊鋼