先週末円売り介入らしき動きが出るが続かず再び円高へ

3連休明けの9月21日(火)のメッセージでは、前週までのNYダウの上昇は売りの形を含んでいるため要注意としてきました。日本市場が連休中の9月20日(月)に全米経済研究所の景気循環判定委員会が昨年6月に底を打っていたという判断を示したことで8月9日の戻り高値10,719ドルを更新して△145ドルの10,753ドルとなり売りの形はいったん消滅したとしました。そのため、日経平均の戻りは政府・日銀の円安介入効果がどこまで続くのかにかかるとしました。そして、円安介入の持続性がなければ、日経平均は9,800円を超えるのは難しいとしています。

9月21日(火)は、NYダウの戻り高値更新と1ドル=85円台後半の円安を受けて△74円の9,700円と8月3日以来の9,700円台となったものの9,704円をつけると上げ幅を縮小し、FOMCの様子見となって、▲23円の9,602円と3日ぶりの小反落となりました。日本市場の引け後のアメリカでは、FRBがFOMCで政策金利の目標(0~0.25%)を据え置き、「必要ならば追加の金融緩和を実施する用意がある」との声明を発表したことで、NYダウは一時△80ドルの10,833ドルと上昇するものの目先材料出尽しで△7ドルの10,761ドルとなり、為替はドルが売られて84円台前半まで円高が進行しました。そのため9月22日(水)の日本市場は円高懸念や中国の強硬姿勢も重荷となり▲35円の9,566円の続落となりました。9月23日(木)は秋分の日で休場でしたが、この日のNYダウは欧州財政不安が再燃して利益確定売りで▲76ドルの10,662ドルとなっており、このため円が84円台前半まで買われました。

9月24日(金)の日本市場は、NYダウの下落と84円台前半の円高を受けて▲131円の9,435円で寄り付き、前引けは▲119円の9,446円でした。後場になると、13:15過ぎに大口のドル買いが入って一気に85円台へと円が下落したことで、円売り介入の観測も流れて9,601円まで上昇しましたが、その後は何もなく再び円高となったことで日経平均も▲94円の9,471円の3日続落となりました。政府・日銀による円安介入なのか、投機筋による仕掛け的な大口のドル買いで値が飛んだのか、わからないままでした。

 

NYダウの上昇に対して日経平均はどこまで追随できるのか

NYダウは、9月20日(月)に 全米経済研究所による景気底打ち判断(昨年の6月が底)を好感し、8月9日の戻り高値10,719ドルを更新する△145ドルの10,753ドルとなったことで、NYダウの売りの形がいったん消滅し、さらに戻りを試す形となりました。9月21日(火)はFOMCの「追加の金融緩和の用意がある」との声明を好感し、一時10,833ドルまであって、終値は△7ドルの10,761ドルでした。9月22日(水)のメッセージで、目先は急激な上昇でいったんの反落があるとしても、金融緩和期待で支えられて戻りを試すことができ、そうなると日経平均も戻りを試すところですが、1ドル=85円前後の水準では戻りも難しいところがあるとしました。結局、NYダウは9月22日(水)の ▲21ドルの10,739ドル、9月23日(木) の▲76ドルの10,662ドルとスピード調整をしたあと、9月24日(金)は、欧州財政不安の落ち着きや、8月の耐久財受注の結果や好決算を好感し、△197ドルの10,860ドルと4カ月ぶりの高値となったことで、週明けの9月27日(月)は△85円の9,557円で寄り付き、9,606円まで上昇するものの、ここからは為替が一時84円12銭と9月15日の円安介入が実施されて以来の円高水準となったことで上値は重い展開となっています。

NYダウは、次回のFOMCでの追加金融緩和期待から上昇しています。形としては、1つ目の日足の上値ポイント11,000ドル水準を目指す形ですが、その前に5月13日の高値10,920ドルが上値のフシとなりますし、7月2日の9,614ドルからの上昇トレンド(B)の上値斜線にもアタマを押さえられるところですので、現水準(9月24日の10,860ドル)からは上値重く、ちょっとした調整になる可能性があります。この高値水準でもみあえば、さらに上値(11,000ドル水準)を試す動きが想定されます。これに対して日経平均は、NYダウと比較するとますます出遅れ感が顕著となってきますが、NYダウの上昇がFRBの金融緩和期待に支えられていることを考えると、ドル安の流れに対するアメリカ株式の流れであり、これは逆に円高の流れですので、輸出関連株中心の日経平均はどうしてもストレートにNYダウに連動して上昇できないということになります。そうはいっても、最終的にはNYダウの上昇に対して日経平均もそれなりに上昇してくる可能性は高く、その上昇の程度が、円安がどこまで進むことができるかにかかっています。1ドル=85円台水準では、日経平均は9,800円くらいがやっとで、1万円台を試すには88円水準までの円安介入が欲しいところです。日経平均は、今のところ25日移動平均線が上向きになりつつあり、下値は9,300円台でサポートされる形ですので、下値不安はそんなにないと考えられます。先週9月21日(火)に9,704円でアタマを押さえられていますが、もう少しもみあいを続けると上昇余地が生まれてきて9,704円を突破できることも考えられます。

(指標)日経平均

3連休明けの9月21日(火)は、為替は85円台後半の円安水準にあるものの、それ以上の円安は難しく寄り付きに△74円の9,700円となって9,704円をつけると、上げ幅を縮小して手掛かり材料がないこともあって、▲23円の9,602円と3日ぶりの反落となりました。翌日9月22日(水)は、前日のFOMCで追加の金融緩和を実施する用意があるの声明からドルが売られ、84円台の円高となったことで▲35円の9,566円と続落となりました。9月23日(木)は秋分の日で休場でしたが、この日にアメリカ株式が利益確定売りから続落し、為替も84円台前半となっていたことで▲131円の9,435円で寄り付き、午後に円安介入の噂で一時プラスとなって9,601円まで反発するものの、その後再び84円台の円高となったことで▲94円の9,471円で引けました。先週末のNYダウが△197ドルの10,860ドルと4カ月ぶりの高値となったことで、△85円の9,557で寄り付き、9,613円まで上昇し、終値は9,603円でした。為替が一時84円12銭と政府・日銀の9月15日の円安介入以来の円高となったことで上値は重い展開となりました。9月21日の9,704円を終値で超すと9,800円を試すことになりますが、9,415円を切るともみあいが続くことになると思われます。

日経平均

(指標)NYダウ

先週のNYダウの動きは、9月20日(月)に 全米経済研究所の景気循環判定委員会が昨年の6月が底だったという判断を示したことで△145ドルの10,753ドルとなって、8月9日の戻り高値10,719ドルを更新し、9月21日(火) FRBがFOMCで政策金利目標(0~0.25%)を据え置き、「必要ならば追加の金融緩和を実施する用意がある」との声明を発表したことで一時10,833ドルまで上昇し、その後は直近の戻り高値更新の反動から利益確定売りとなり、上げ幅を縮小して△7ドルの10,761ドルとなりました。その後は、利益確定売りから9月22日(水)は ▲21ドルの10,739ドル、9月23日(木) は▲76ドルの10,662ドルとなりました。追加の金融緩和期待にサポートされますので、調整後は再度戻りを試すことになります。週末の9月24日(金)は、欧州財政不安が後退して欧州株式が大幅上昇したことや、8月の耐久財受注額が大きく改善したことを受け△197ドルの10,860ドルとなりました。チャートをみると、7月2日の9,614ドルの安値からの上昇トレンドを形成しており、目先は上値斜線に接近し、また5月13日の10,920ドルは上値のフシになるため、いったんちょっとした調整(もみあい)になる可能性が高く、そのあとは11,000ドルを試す動きとなりそうです。

NYダウ

(指標)ドル/円

9月15日(水)に政府・日銀が6年半ぶりに円安介入し、この日の82.885円の円高から、一気に85.767円までの円安となりました。欧米でも円安介入が続いたことで9月17日(金)は85.923円と86円接近の円安となりました。先週の予測としては、このまま円安が進んでも86.26円は強力な抵抗ラインになるところであり、ここを抜けなければ政府・日銀の出方を見る動きとなり、85円台のもみあいを想定しました。

9月20日(月)の85.791円を円の安値に、9月21日(火)までは何とか85円の円安水準を維持していましたが、この日の引け後のアメリカでFRBがFOMCの声明で「必要ならば追加金融緩和の用意がある」と発言したことで、ドルが売られ84円台前半までの円高となりました。9月24日(金)の前場まで84円台前半の動きとなりましたが、後場に大量のドル買いが入ったことで円安介入の噂となり、一気に85.390円までの円安となりました。しかし、その後政府・日銀の動きがなかったことで再び円高が進み、アメリカ市場では再び84円台前半の動きに戻りました。目先は、円安介入の警戒感もあり、84円を大きく切る動きとはならず84~86円の間での動きを想定しています。

ドル/円