4月12日(月)に想定した75日移動平均線を一気に下に切る-今年2回目の買チャンス
久しぶりに今年2回目の買チャンスがやってきました。株式投資でリスクを少なく着実に資金をふやすには大きく下がるのを待つという忍耐が最大の技術といえるかもしれません。4月5日(月)に11,408円の年初来高値更新となったあと4月12日(月)の分析でSQの週明けのこの週の前半に当面のピークになる可能性を述べ(結局、4月12日の11,351円が戻りのピークとなりました)この時にまずは75日移動平均線(この時点で10,634円)を目指すとしました。あとはNYダウの下落待ちとしましたが、買われ過ぎの中での上昇でしたのでキッカケ次第では大きく下がることが予想されました。4月26日(月)の分析では、連休の間に何が起こるかわからない以上キャッシュ化が基本であるとアドバイスしました。日経平均は4月28日の10,924円で売転換が出現し、その後ナスダックが4月30日に2,461Pで売転換、最後にNYダウが5月4日に10,926ドルで売転換となって欧州の財政問題の拡大の思惑から暴落となったわけです。しかし、この下げは株式市場が基本的には企業業績を評価するとすれば、アメリカ企業の△53%の増益は評価されるべきであり調整はそんなに長引かない可能性もあります。しかし、発注ミスとはいえ1,000ドル近い下落で、あまりにも大きい下ヒゲとなっており、これだけの亀裂を生んだ訳ですからリバウンドはあっても、すぐに修正して高値を試す動きになるとは思えません。ただ、日経平均はどちらかというと通常の下げ方であり、相場環境が落ち着けば反発場面にはいってくる可能性は高いといえます。買い場としてはリスクの少ない今年2回目のチャンスですが、とりあえず利益確定は早めにということになります。以下、先月後半からの動きをみてみます。
想定したように、4月28日(水)に日経平均は10,924円で売転換
4月26日(月)のメッセージでは、大型連休はキャッシュ化が基本としました。証券関係者はゴールデンウィーク明けは高いという見方が多かったようですが、将来のことはわからない以上、リスクを限定する意味からは、利益が確定できるものはキャッシュ化が基本となるわけです。連休明け、相場が高いとしても、それは偶然勝ったというだけのことで、そのような投資法を続ければ、どこかで大負けすることになります。この時に、日経平均を柴田罫線でみると、4月22日の終値10,949円を20円切ると久しぶりに売転換が出現するとしました。そして、4月28日(水)の日本市場は、前日のアメリカ市場で格付会社の(S&P)がギリシャの3段階の格下げ、ポルトガルの2段階の格下げを発表したことで、ユーロ安・ドル高から原油先物が急落し、NYダウは▲213ドルの10,991ドル、ナスダックは▲51Pの2,471Pの大幅下落となり、これを受けて日経平均は▲287円の10,924円となって売転換出現となりました。4月29日(木)の休日明けは、アメリカ株式の反発から△132円の11,057円で引けました。
日本がゴールデンウィークの間、アメリカ株式は高値波乱のあと売転換出現
これまで何度も述べてきましたが、アメリカ株式はすでに買われすぎのゾーンに入っているとしながらも、上値を試しているのはFRBによる超低金利政策の長期間維持の強調にあるとしてきました。これを背景に、企業決算が予想を上回る好調ということで上昇し、足を引っ張るものとしてギリシャの財政問題がありました。このような相場環境の中で、日本のゴールデンウィークの間、アメリカ株式は当面の天井圏で大きな上下動を繰り返しました。高値圏での大きな上下動が起こるのは、方向感が定まらないことを示しており、この上下動の中で、再度上へ向かうのか下落となるのかの力関係(方向性)が決まってきます。柴田罫線は中期トレンド分析が基本ですから、このような上下動が繰り返されることによって売買法則が出現することになります。これまでは、他の柴田法則がある関門観測(トレンドラインや抵抗ラインの利用)、上昇の仕方(2段上げや3段上げなど)を応用して予測していましたが、今回は柴田罫線がもみあった結果、日経平均に続いて4月30日(金)にナスダックが2,461Pで売転換、5月4日(火)にNYダウが10,926ドルで売転換出現となりました。そして、本日(5月6日)にトピックスが売転換出現となり、日米の主要株式が揃って売転換しました。5月4日(火)に、NYダウが主要指標で最後に売転換が出現したあと、5月6日(木)には欧州各国に財政問題が拡大するとの思惑から下落となり、売り仕掛けが加わって売りが売りを呼ぶ展開となり、その間にシティの発注ミスから1,000ドルに近い暴落となって9,869ドルまで下落しました。翌日(5月7日)も、雇用統計の改善にもかかわらず欧州の財政問題がくすぶり、▲139ドルの10,380ドルの続落となりました。
今年2回目の買チャンス突入は、じっくり狙える可能性高い -NYダウは5月6日(木)の異常に長い下ヒゲを埋める動きとなることも想定しておく-
先週5月6日(木)に、久しぶりに今年2回目の買チャンスがやってきたとして5銘柄を推奨しました。昨年は、5回のタイミング投資でパック銘柄を出しましたが、3回目の2009年7月10日と5回目の2009年11月20日、そして今年になって1回目の2月8日は、推奨してすぐに反発となっていったために、じっくり買っていくということができなかったといえます。それは、昨年の調整は、2009年3月10日の7,021円からの上昇トレンドが明白な形となっていたことで、調整にはいっても日足の下値抵抗ラインを少し切ったところから、すぐに反発するという形になったためでした。しかし、今回は、昨年のような日足での一区切りというより、週足での一区切りとなる可能性が高く、じっくり狙って少しずつ買い下がる気持ちでの対応でよいかもしれません。その中で、個別銘柄として、上昇すれば確実に利益確定していくことになります。昨年のように指数がどんどん上昇していくというより、当面は個別物色となるかもしれません。それは、日経平均自体の問題よりもNYダウの動きに左右されるからです。
NYダウは、業績的には株価がどんどん下がっていくという状況はないものの、発注ミスとはいえ、5月6日(木)に一時1,000ドル近い下げとなって9,869ドルまで下落し、その後急激に戻して▲347ドルの10,520ドルとなり、週末も▲139ドルの10,380ドルとなりました。このあまりにも長い下ヒゲが亀裂を生んだことは間違いなく、もう一度ザラ場での長い下ヒゲを埋めにくる可能性があります。そうだとすれば、NYダウが下ヒゲを実体で埋める動きの時は、日経平均も10,000円を切って2月9日の9,867円を試す可能性もあるわけで、この時こそ最適なタイミングとなりますが、現実にそうなるかどうかはわかりません。例えそうなっても、5月7日(金)に日経平均は10,257円まで下落しているわけですから、それほどの大きな下げではありませんので恐れることはないと思われます。NYダウが下ヒゲを埋める動きとなれば、為替の方も既に95円水準でドルのダブル天井となると予測してそうなったように、今度は90円水準で円のダブル底となって、その後金利差に注目がいって円安へと再び進んでくる形になるかもしれません。
本日(5月10日)の日本市場はEUとIMFの支援が正式に発表され、EUによる欧州各国の財政問題に対して支援基金の設立が合意され、これを受けてグローベックス先物の大幅反発となっていたことで△34円の10,399円の寄り付き、値頃感からの買いが入って△166円の10,530円で引けました。この上昇は自律反発とみてよく10,700円までの戻りの可能性はありますが、再度安値模索となるとみています。
- 出島昇のブログ http://ameblo.jp/zubakabu80
(指標)日経平均
4月28日(水)に売転換が出現し、5月6日(木)は▲361円の10,695円と今年1番の大幅下落となって、4月19日(月)に想定した75日移動平均線に接近してきました。しかし、日経平均は75日移動平均線で止まらず、もう一段下を想定しておくところとしました。そして、5月6日の日本市場の引け後のアメリカ市場で、NYダウが一時1,000ドル近い下落となって終値は▲347ドルの10,520ドルとなりました。これを受けて、週末5月7日(金)の日経平均は10,257円まであって、終値は▲331円の10,364円と2日連続の大幅下落となりました。この水準からは、個別銘柄を少しずつ買っていくところです。日経平均の下値メドは、昨年3月10日の7,021円からの上昇トレンド(A)をみると、10,200円水準が下値ポイントとなります。最大で今年2月9日の9,867円を想定しておけばよいでしょう。本日5月10日(月)は、EUでの緊急支援基金の設立で合意したことやグローベックス先物が大幅高となっていることを受け△34円の10,399円で寄り付き、値ごろ感から買いが入って△166円の10,530円で引けました。もう少し戻りがあっても、現時点では自律反発とみてよいでしょう。買いは、再度下げてきたところを狙うことになります。
(指標)NYダウ
4月28日(水)の分析では、4月16日(木)の10,973ドルを守れるかどうかとしていましたが、ゴールデンウィークの間に大きな上下動をくり返し4月5日の11,154ドル、4月29日の11,197ドル、5月3日の11,177ドルと日足での三尊天井を形成し、5月4日(火)に▲225ドルの10,926ドルとなって4月16日(木)の10,973ドルを下に切り柴田罫線で売転換出現となりました。このタイミングでギリシャの財政問題に関してEUとIMFの支援合意ができたものの、ポルトガルやスペインも格下げとなりヨーロッパ各国に財政問題が波及するという思惑からユーロや欧州株式が急落し、アメリカ株式も急落となりました。上海市場も中国政府の金融引締め策の発表から年初来安値を更新し続けています。連休明けの日本市場は5月6日(木)に▲361円の10,695円スタートとなりましたが、引け後のアメリカ市場では「シティが取引単位を間違えてプログラムトレーディングエラーが起きた」という要因もあって一時1,000ドル近い暴落となりました。その後急速に値を戻しましたが▲347ドルの10,520ドルで引けました。しかし、下落の背景には欧州財政悪化が拡大するという懸念があるため週末の5月7日(金)も雇用統計が改善したにもかかわらず▲139ドルの10,380ドルの続落となりました。10,300ドル水準は下値のフシとなるところですが相場には行き過ぎがあり10,000ドル近辺も想定しておいたほうがいいかもしれません。それにあわせて日経平均がつれ安すれば格好の買チャンスとなります。
(指標)ドル/円
4月26日(月)の予測では、前々週末(4月23日)に93.936円で引けたことで、このまま戻りを試して4月2日の94.685円に対するダブル天井か2番天井のような形となってそのあと90円水準を目指す動きを想定しているとしました。4月26日(月)以降は、NYダウの上昇につれてドル高・円安の動きとなりジリジリと95円を試す動きとなりました。5月5日(水)は薄商いの中、ドルの買い仕掛けで94.963円までの円安となりましたが、ギリシャ問題でユーロ売り・円買いの流れとなり、ドルに対しても円が買われ終値では93.803円となりました。5月6日(木)は欧州各国に財政問題が拡大するとの懸念や上海株式の大幅安、NYダウの1,000ドル近い急落でリスク回避の円買いが一気に高まり、87.948円までの円高進行となりました。その後は買い戻しから90.501円で引けました。週末(5月7日)は買い戻しが続き93.146円までのドル高となりましたが、NYダウが大幅安となったことで、91.56円の終値となりました。チャートをみるとダブル天井をつけて急落し90円水準の抵抗ラインで止まっていることになります。このあとは欧州の財政問題次第となますが、5月6日の87.948円を実体で埋める動きか、それとも90円水準でもみあったあと円安方向となっていきます。もしNYダウが5月6日(木)の9,869ドルまでの異常に長い下ヒゲを埋める動きとなるとすれば3月4日の88.131円に対するドルのダブル底を形成し、その後日米金利差からドル買い・円売りとなって円安トレンドに戻ってくることも考えられます。
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