先週はコール有利のSQの週で想定通り高値圏のもみあい
先週は、週末の4月9日(金)にSQ清算日を控え、前週末に日経平均は高く終わっていることからコール(買い)有利となっており、テクニカルな過熱感から利益確定売りがでても大きく下げるというより、高値圏でのもみあいの形になるかもしれないとしました。ただし、為替は雇用統計の改善を受けて、4月2日(金)に1ドル=94.685円まで上昇し、95円接近となりましたが、目先は材料出尽しとなっていったんの円高にふれるタイミングにきているかもしれないとし、又アメリカ株式もいったんの調整にはいってもおかしくないので様子見が基本としました。結局、為替は円高にふれたもののアメリカ株式は上昇となりました。
日経平均は4月5日(月)に11,408円の高値をつけたあと上げ幅を縮小して△53円の11,339円となって年初来高値を更新しましたが、4月6日(火)は利益確定売りから▲56円の11,282円となり、4月7日(水)は△10円の11,292円と反発しました。この日の引け後、アメリカ株式はギリシャの財政問題の懸念がくすぶり、2月の消費者信用残高が予想を下回ったことで、NYダウは一時▲124ドルの10,845ドルまで下げて終値は▲72ドルの10,897ドルとなりました。これを受けて4月8日(木)の日経平均は、寄前の2月の機械受注が▲5.4%と市場予想の△3.7%を大きく下回ったこともあり▲124円の11,168円の大幅安でした。週末は、アメリカ株式が反発したこともあり、△36円の11,204円で週の終値となりました。この日のSQ清算値は11,146円で決まり、終値はこれを上回って引けましたので、経験上は、少なくとも週前半は堅調になることが想定されました。為替は想定通り円高にふれ93円台前半となっています。
先週末の4月9日(金)のアメリカ市場は、EUでギリシャ支援について前向きの発言を好感し、更に今週から発表される1-3月期の決算への期待で、NYダウは一時11,000ドルにのせ終値では△70ドルの10,997ドルとなりました。為替の方は、2週間ぶりにギリシャ国債が反発してユーロが上昇し、ドル安(円高)となっていることで93.20円となっていました。
日米ともに決算発表-材料出尽くしの可能性も
今週は、週後半には日米の企業業績の決算発表があるわけですが、4月13日(火)にはインテル、4月14日(水)にはJPモルガンと日本の株式市場に影響を与えるハイテクと金融の大手の発表があります。ただし、自動車やハイテクといったところは、足元の業績回復はすでに織り込んでいる可能性が高く、新たな材料でもない限り上値を追っていくことはないと思われます。一方で、金融などの内需株はハイテクが一服すれば循環物色的に出遅れとして買われる可能性があります。これまで、野村證券などの主力株が出遅れていると指摘してきました。
日経平均は、先週末の終値が11,204円となってSQ値11,146円を上回って引けたことで、今週は堅調な動きから始まることが予想され、ギリシャの財政問題の落ち着きとアメリカ株高から△96円の11,300円の寄り付きとなりました。為替の93円台前半の円高にあるものの、今のところは悪材料視されず、輸出関連の値ガサ株が買われて日経平均の指数を引き上げています。再び騰落レシオが一時150%を超え、為替が円高基調にもかかわらず悪材料が無視されるのは強気相場の特徴ですので、買いたい気持ちが生まれるところですが、ここは我慢し続けることが重要です。
NYダウは、先物に売りの形があるにもかかわらず、一時11,000ドルのせとなりました。目先は、買われすぎのゾーンに入っていますので、とにかく何かのキッカケ待ちとなります。日本市場の方は、為替が更に一段の円高となれば、これまで相場を引っ張ってきた輸出関連の主力株が影響を受けますので、為替の動きに注目となります。為替の方は、すでに円高日柄に入っている可能性があり、最終的には90円近辺ぐらいまで入る可能性があります。ただし、そうなっても為替は円安トレンドへ転換していますので、一時的な円高への動きとみていいでしょう。現在、93円台前半ですが、このまま円高となる場合と、もう一度4月2日(金)の94.685円というドル高に対する戻りを試した後、90円に向かうというパターンもあります。そうなると、日経平均は高値圏での動きがもう少し続くということも考えられます。ここで1つの下落のパターンとして、11,290円を超える連続の陽腺になると、売りの形になるところでした。本日は△96円の11,300円で寄り付き11,351円をつけたあと前引けは△110円の11,314円でした。後場になるとアジア株式の軟調さと今後本格化する決算で材料出尽くしとなる不安から上げ幅を縮小し、△47円の11,251円となりました。日足では陽線となりました。この3日間は寄り前外国人の注文状況が売り越しとなっていますので外国人もいったんの利益確定を行っていることになります。
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(指標)日経平均
先週は、コール(買い)有利のSQの週であるため、テクニカルな過熱感はあるものの、為替やナスダックの調整待ちとしました。ただし、下げてもコール有利のため下値は限定的なことが想定されました。為替は想定通り93円台の前半への円高にふれましたが、アメリカ株式はNYダウ、ナスダックの先物に売りの形があるものの、ギリシャ問題の落ち着きや1-3月期決算の期待から上値を試す形となりました。日経平均は4月8日(木)には▲124円の11,168円となりましたが、週末は△36円の11,204円となってSQ清算値の11,146円を終値で上回って引けました。本日(4月12日)はアメリカ株高、ギリシャ問題の落ち着き、企業業績への期待から為替は93円台前半の円高にもかかわらず、値ガサ株が買われ△96円の11,300円で寄り付いて、11,351円まで上昇しましたが、後場は上げ幅を縮小し△47円の11,251円となりました。高値圏のもみあいとなり、大引けは11,251円でした。今のところ悪材料は無視して循環物色となっていますので高値圏のもみあいとなっています。目先は11,500円水準のフシを前にもみあっているところです。騰落レシオは本日、再び150%にのる場面もありました。又、寄り前の外国人の注文状況が3日連続の売り越しとなってきています。
(指標)NYダウ
4月5日(月)の分析では、すでに先物では売りの形がでているため、あと連続して2本の陽線がでると売り線になるとしましたが、4月5日(月)に△46ドルの10,973ドルと1本でたあと4月6日(火)は▲3ドルの10,969ドル、4月7日(水)の▲72ドルの10,897ドルとマイナスになったことで、もう少し上昇余地がでてきました。4月7日(水)はギリシャ問題の再燃や2月消費者信頼残高が予想を下回ったことで、個人消費の回復懸念から一時▲124ドルまで下げて終値は▲72ドルの10,897ドルとなりました。しかし、4月8日(木)は1-3月期の業績への期待が高まって△29ドルの10,927ドル、週末はギリシャ問題の解決が近いという観測と業績への期待から一時11,000ドルにのせ、大引けは△70ドルの10,997ドルとなりました。この上昇の背景はFOMC議事録で「超低金利政策の一段の長期化もありえる」という内容から金余りとなって株式市場に資金が流れていることになります。こういう資金は逃げ足が速いので今の上昇はリスクを含んでいるといえます。
(指標)ドル/円
先週の分析では、円は三角保ち合いをドルが上放れし、当面は完全に円安トレンドへ転換したとしました。目先は95円水準は抵抗ラインであり、又、急激なドル高・円安で今度はドル売りのタイミングを待っているためきっかけ次第で近々いったんの円高となるとしました。4月5日(月)は、前週末の米雇統計の改善を受けて96.664円の高値をつけました。4月6日(火)はFOMC議事録で「超低金利政策は一段の長期化の可能性」との内容から早期の利上げ期待が後退しドル売り、円買いとなって93.657円まで下落しました。さらに4月8日(木)には中国が通貨切り上げの発表の可能性の報道で、ドルは92.823円まで売られましたが終値は93.376円でした。週末は終値で93.199円となっています。想定したように95円に接近する94.685円を4月2日につけたあと、「中国の通貨切り上げ報道」をきっかけにドル売り・円安の方向となっています。目先は円の下値ポイントは92円半頃ですが、ここを切ると91円が次のポイントとなります。今回は円高が進んでも91円台の水準ぐらいかもしれません。いったん4月2日の94.685円に対する戻りを試す場面があるかもしれませんが、最終的には、今回の円高は90円水準を目指す可能性があります。ただし、トレンドは円安へ移行しています。
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