先週の動きのポイント
4月1日の木曜日(翌日は休場)のアメリカ市場は、新規失業保険申請件数や3月ISM製造業景況指数の改善と4月2日に発表される雇用統計への期待から一時△99ドルの10,956ドルまで上昇し、3月25日の10,955ドルを更新しました。引けにかけては3連休を控えて利益確定売りから△70ドルの10,927ドルとなりました。ナスダックは2,423Pをつけたあとマイナスに転じる場面もありましたが、△4Pの2,402Pとなっています。NYダウは11,000ドル水準までの上昇の余地はありますが、ナスダックは現時点では上値一杯のところへきており、何か強力な好材料が出ない限り、いったんの下落が近づいているといえます。その場合の調整の目安は75日移動平均線ぐらいまでの調整がでてくることを想定しています。
日経平均は、為替が94円台を試す動き(昨日はNY市場で94.05円)となっており、テクニカルな過熱感の中を円安に支えられた上昇が続いています。雇用統計の結果によっては一時的にザラ場で95円接近もあるかもしれませんが、このような急激なドル高(円安)に対して利益確定のドル売りのタイミングを待っているのが普通ですから、そのきっかけが雇用統計なのかどうか注目するところです。日経平均は、週末の4月2日(金)は△154円の11,244円となって前日の時点での日足のフシに到達しましたが、本日は△41円の11,286円となりました。この日足の上値は日経平均の上昇とともに上昇しており、4月2日の時点では11,320円水準となります。4月2日の騰落レシオは149.7%、移動平均乖離率は5.2%といつ下落してもおかしくありませんが、相場全体が強気ムードの時はテクニカルな過熱感と日経平均のピークは必ずしも一致しません。その現象として例えば騰落レシオが高値圏で張り付いた動きがしばらく続き、そのため日柄(変化日)も伸びて(3月30日の分析では4~5日伸びるとしていました)、下げるためのキッカケを待つことになります。その場合、反落してもそのまま大きく下げていくというより数日上下動をくり返し、それで高値圏にはりついた騰落レシオが徐々に下向きへと変化して調整にはいっていくというのが経験則からみられます。今回は調整しても相場環境が変わって(例えば日銀の追加の金融緩和の実行など)きており週足テクニカルの上昇中のため、さらに上値を試す形となります。現時点で調整した場合の目安を考えると25日移動平均線(4月2日時点10,697円)、もしくは75日移動平均線(4月2日時点10,498円)を目安とすれば良いと思われます。
今週はSQの週でコール有利の週だが要注意の週
先週末のアメリカ市場は休場でしたが、為替の方は雇用統計の大幅改善を受けて94円台半ばの円安となったことで、4月5日(月)の日経平均は△94円の11,380円で寄り付き一時11,408円まであって、その後は上げ幅を縮小し△53円の11,339円となりました。今週はSQの週で先週の後半に日経平均が上昇したことでコール(買い)有利となっていますが、テクニカルな過熱感が一層高まり利益確定もでてくるところから上値は重くなっていく展開が想定されます。先週末に為替について雇用統計の改善を受けて一時的に95円台接近もあるかもしれないが、このような急激なドル高に対してはドル売りのタイミングを待っているのが普通ですから何かのきっかけ待ちとなるとしています。アメリカ株式の方に変化が起きそうな動きがあり注意するところです。
この過熱相場で考えなければならないこと
当面の相場としては、全体的な上昇相場は継続するもののテクニカルな過熱感からいったん調整局面を迎えることになります。そういう局面接近の場面では利益の多少にかかわらず利益確定優先で望んでキャッシュを増やし、調整にはいったら新たに出遅れ銘柄などへの新規投資を検討することになります。
ここで考えることは、上昇相場にのって買おうとするのではなく日経平均が高値をこえる上昇になってきたことは、自分の保有株の最高の売り場になってきたと考えることです。これまでのほとんどの投資家はここで買おうとします。その結果、出来高が増加してさらに上昇することもないとはいえませんが、結果は一般投資家の高値づかみ、万年塩漬けの歴史が物語っています。日本の株式市場自体、大きな戻り相場の中の上昇にしかすぎませんので、株を長く持ち続けることはリスクがあります。長く保有していいのは100円以下で買う低位株ぐらいのものかもしれません。ただし、当面は日銀の追加の金融緩和政策の実行が相場を支え、円安基調になったことで、ここで調整してもまだ上昇は続く形となります。買いたい人はいったんの調整を待つことになります。
現在、循環物色となっていますので、手持ちの低位の保有株でいったんキャッシュ化したい方は商いを伴って急騰し、前高値に接近した時が1つのキャッシュ化のポイントといえます、その後、その銘柄が下げたら再び買い直せばよいのですが、それができない方は中期保有(2年ぐらい)に徹したほうがよいでしょう。
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(指標)日経平均
先々週末の3月26日(金)は△167円の10,996円と終値で1月15日の10,982円を上に抜け、さらに戻りを試す形となりました。この流れを受けて3月30日(火)には△110円の11,097円となり、3月31日(水)は▲7円の11,089円と小反落したあと、4月1日(木)は日銀短観の企業の景況感の持ち直しの確認を受け、さらに為替が93円台の円安となったことで△154円の11,244円の一段高となりました。週末の4月2日(金)もNYダウの昨年来高値更新を受け円安もさらに進行していることで△41円の11,286円で引けました。しかし、騰落レシオは149.7%と14年ぶりの高水準となり、乖離率も5.3%と過熱感を示しています。本日の4月5日(月)は為替の94円台半ばへの円安を受け日経平均は輸出関連株中心に11,408円まで買われ終値は11,339円となりました。騰落レシオはさらに上昇して153%水準となっています。今週はコール(買い)有利のSQの週ですが為替やナスダックのいったんの下落を待つ状況といえます。
(指標)NYダウ
NYダウの先物とナスダックの先物には売りの形があらわれているために先週は注意しておくところとしましたが、3月29日(月)は2月の個人消費支出が5ヶ月連続の増加、3月30日(火)は1月ケース・シラー住宅指数、3月消費者信頼感指数が改善し、4月1日(木)は新規失業保険申請件数、3月ISM製造業景況指数が予想を上回ったことで、NYダウは一時10,956ドルと3月25日の10,955ドルを更新し、終値は△70ドルの10,927ドルとなりました。この形であればあと連続して2本の陽線がでると売り線となってきます。ナスダックは一時マイナスに転じ△4Pの2,402Pとなりましたが、上昇から横向きの動きへと変わっており、いったん下落する前の兆候かもしれません。
(指標)ドル/円
先週は、小さな三角保ち合い(B)を突破したことで、次は大きな三角保ち合い(A)を試すことになり、その上値斜線が1月8日の93.778円水準にあるため、1ドル=93円台でいったんの一服を想定しました。しかし、ここも突破し95円を目指す上放れとなりました。3月29日(月)は前週末にギリシャ救済策が進展したことで、円売り優勢となり92.472円となりました。翌日(3月30日)も続伸して終値92.786円となって1月8日の高値93.778円を終値でぬいてろく買が出現しました。4月1日(木)は94.032円まであって終値は93.793円、週末は94.685円まであって94.571円となって大きな三角保ち合いを上放れしました。これでチャート上は当面は円安トレンドへ転換したことになります。目先は昨年10月27日の92.31円と今年の1月8日の93.778円を結んだラインが95円水準にありますので、ここで抵抗ラインとなるところです。急激なドル高・円安で今度はドル売りのタイミングを待っているのが普通ですので、近々いったんの円高となるでしょう。91円~95円の動きを想定しています。
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