結果的には、2月17日(水)から反発-ただし、戻りの程度はNYダウ次第
先週の予測では、日柄(変化日)からみると確率の高い日柄を2月17日(水)とし、このパターンとなるには、この日に2月9日(火)の9,867円の安値をいったん下回って反発することでした。NYダウの日柄が連休明けの2月16日(火)でしたので、この日の大きく下げていれば、翌日の日本の2月17日(水)の日柄とピッタリ一致して、日米同時に上昇にはいることができたといえます。
今回の反発は、ちぐはぐとなってしましましたが、想定ではSQ前後(SQの翌週の前半)に9,800円水準まで下げて、そこを安値に3段目の上昇となることを想定していましたが、2月9日(火)に9,867円の安値をつけ2月17日(水)の日柄(変化日)としたところで大きな上昇となりました。これは底打ちからの3段目の上昇という形にはなりませんでした。今回このようなチグハグの動きとなったのは中国の2度目の金利引き上げやギリシャの財政悪化問題からの欧州の信用不安が悪材料としてでてきたため、これらを早目に織り込んだとみた買い方による上昇かもしれません。現実にそれまでクレディースイス証券は大きく売り込んでいましたが、2月17日(水)はショートカバーとみられる大幅買い越し(つまり買い戻し)となって日経先物主導で今年最大の上昇幅の△272円の10,306円となりました。中国の金利引き上げは、中国が旧正月休み(1週間)にはいる前でしたので上海株式には織り込まれていませんが、世界の株式市場の上昇をみると無視していることになります。(つまり旧正月明けの上海市場は上昇することを前提にしています)
しかし、2月18日(木)のアメリカ市場の引け後に、FRBは公定歩合を0.25%引き上げて0.75%にすると発表したことで、為替が92円台の円安となり、2月19日(金)の日本市場では部分的に輸出関連銘柄が買われて始まったものの、グローベックス先物が大幅安となっていたこともあり▲212円の10,123円の大幅反落となりました。引け後のNYダウの動きが注目されましたが、公定歩合引き上げでもFFレートの早期引き上げはないとの見方から△9ドルの10,402ドルと続伸して週の大引けとなりました。この日続伸したことで、前日のNYダウに出たろあ買という買法則は、さらに戻りを試す形となります。
NYダウに2月18日(木)にろあ買出現し、本日(2月22日)は日経平均にもろあ買出現
日経平均がどこまで戻るかは、NYダウ次第となります。NYダウは2月18日(木)に△83ドルの10,392ドルとなってろあ買が出現してきました。この買法則は戻り弱くてすぐに下落すればろあ売という売法則となりやすいところでしたが、週末(2月19日)にFRBの公定歩合引き上げにもかかわらず△9ドルの10,402ドルと続伸したことで、さらなる上昇の可能性がでてきました。
FRBによる公定歩合引き上げは、実際には市場に与える影響は限定的であり、リーマンショック後の金融危機の終息を示したものということで、実際はFFレートの引き上げは先だという見方から、週末のアメリカ株式には目先影響を与えませんでした。FRBがコメントで今回の公定歩合の引き上げは、広範な金融引締めを示すものではないとし、セントルイス連銀総裁も「FFレートの利上げは2011年になる」と早期利上げ観測の見方をけん制しました。しかし、FRBも出口戦略を意識していることは間違いなく、ことあるごとに利上げ観測が今後でてくることになるでしょう。
先週は、NYダウと日経平均は相反する動きとなっていました。NYダウは柴田罫線でも買法則が出現し、テクニカルモードも完全に上向きにかかっているため、さらなる上昇という形といえます。1月19日の10,729ドルの高値を抜ける抜けないは別にして、この近辺ぐらいまでの上昇は十分に考えられます。それに対して日経平均は先週末は▲212円の10,123円と大きく下がり、週明けの本日(2月22日)も下げるようですと上向きに変化してきたテクニカルモードが再び下向きにかわるところでした。ただし、その場合は2月19日(金)の10,354円の高値から3段目の下げとなって9,000円~9,500円水準で止まれば先週説明した3段の縮小型の下げとなってそれから上昇相場が始まるパターンも想定されました。しかし、週末のアメリカ株式がFRBの公定歩合引き上げを中立要因として景気回復期待から小幅続伸となり、さらに旧正月明けの上海市場が先々週末の預金準備率引き上げ後の初めての相場で下落しなかったことで買安心感が広がり、日経平均は△178円の10,302円で寄り付いて全面高となり前場は△320円の10,443円で引けました。後場になると上海株式がマイナス圏となったことで利益確定売りが出て上値は押さえられましたが△276円の10,400円となって柴田罫線ではろあ買が出現しました。このろあ買は10,100円を引線の終値で切るとろあ売となりますので注意が必要です。
どこまで上昇するのか?
こうなると、どこまで上昇するのかはNYダウ次第となりますが、目先の日経平均のピークはNYダウを目安にすると1月19日の10,729ドル近辺まで上昇してくると要注意となります。日柄からは今回は2月17日(水)はこの日に反発したものの日柄とはなっておらず次の日柄(変化日)は3月の第1週にあります。もしこのまま戻りを試しながら上昇し3月の第1週の前半に高値をつけて週後半大きく下落すると下への日柄ということになります。3月の第1週はSQ1週前のオプションの攻防ですので、週後半大きく変動するという経験則があります。(今週何らかのキッカケで下落になって、3月の第1週に向けて下げれば週後半大きく上昇して上への日柄ということになります)日米ともにろあ買が出現して、戻りを試す形ですが日米ともに出来高が少ないのが気になります。一般的に値動きと出来高の逆行(指数は上昇しているのに出来高は減少するというもの)はトレンドの反転の前兆という見方もありますので出来高の推移には注目するところです。
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(指標)日経平均
2月15日(月)の分析では、日柄が2月17日(水)となるため、この日に向かって下落し2月9日の9,867円を切って反発すれば底打ちとなって上昇相場となるとしていました。しかし、ギリシャの財政問題からの信用不安が後退したことでユーロ高(円安)となって10,000円を割れずに2月17日(水)は安値を確認せずそのまま△272円の10,306円となりました。テクニカル的に売られすぎの水準にあったため前日のNYダウの急反発と為替の円安基調を受けての上昇でした。しかし、当面の底値を確認していないため戻り売りの形になるとしました。2月18日(木)にNYダウが△83ドルの10,392ドルでろあ買出現し、この日の引け後にFRBが公定歩合の引き上げを発表し2月19日(金)の日本市場は、これを嫌気して▲212円の10,123円となりました。しかし、この日のアメリカ市場は、公定歩合の引き上げを中立要因としてとらえ、景気回復期待からNYダウは△9ドルの10,402ドルの続伸となったことで、前日のろあ買はさらに戻りを試す形となりました。週明けの2月22日(月)は、アメリカ株高、円安、上海市場の大きな下落がなかったことで△178円の10,302円で寄り付き10,449円まであって大引けは△276円の10,400円となってろあ買出現となりました。NYダウの戻りにあわせて日経平均も戻りを試すことになります。
(指標)NYダウ
2月15日(月)の分析では、NYダウの日柄が連休明けの2月16日(火)であり、この日に2月5日の9,835ドルを下回って反発となれば明確な底打ちになるが、難しく現水準でもみあって次の日柄を待つが、現在3段目の下落の途中であるから下値を確認できれば3段下げの終了として再び上昇していくことになるとしました。しかし、2月16日(火)のEU財務相理事会でギリシャの財政再建計画が承認されたことで信用不安が後退し、商品相場が急騰、つれて資源関連株や素材関連株が相場を引っ張ってNYダウは△169ドルの10,268ドルと底打ちを確認しないまま大幅反発となりました。さらに好調な企業決算や経済指標の改善もあって2月17日(水)は△40ドルの10,309ドル、2月18日(木)は△83ドルの10,392ドルとなってろあ買が出現し、このろあ買はこの時点ではすぐに反落するとろあ売転換する形でしたが、週末(2月19日)のアメリカ市場では公定歩合引き上げはすぐにFFレートの引き上げには結びつかないとの見方や景気回復期待から△9ドルの10,402ドルと続伸しました。さらにS&Pが△2Pの1,109Pとなって上放れの形となりましたので2月18日(木)のろあ買はさらに戻りを試すことを意味します。1月19日の10,729ドル前後を試す可能性があります。
(指標)ドル/円
先週の予測では、90円をはさんだ小動きが基本で、2月12日(金)の高値90.408円を終値でこえると91円が上値ポイントとしました。2月12日(金)の終値は89.968円で買転換出現となっていたことで91円を突破し、さらに戻りを試す形となりました。2月15日(月)、2月16日(火)は90円をはさんで小動きとなって終値は90円を少しこえたところでした。2月17日(水)にはギリシャ財政問題が後退したことや、NY市場で1月住宅着工件数、1月建設許可件数、1月鉱工業生産指数が予想を上回ったことで、ドル買いとなり91.371円までドルが買われ2月18日(木)もFRBが公定歩合を0.25%引き上げたことで引き続きドル買いが続き91.772円まで買われました。週末(2月19日)はユーロ圏の2月非製造業PMIが弱い結果となるとユーロ売り・ドル買いとなって円に対して92.138円まで買われ終値は91.57円となりました。2009年8月7日の97.759円と2010年1月8日の93.778円の上値ラインを結ぶと92円台は抵抗ラインとなります。テクニカル的にはもう少し円安が続くところですが、大きな動きにならないとみています。90円~93円のボックスの動きとなります。
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