先週は、想定通り3日下げて9,800円水準まで下落し週末反発で1万円回復

先週の12月7日(月)時点での分析では、目先下げても戻りを試していく形へとして、日足及び柴田罫線の形では、さらなる上昇という形であり、いずれ日足の上値抵抗ラインのある10,500円台(目先は10,250円~10,300円)を試す可能性がでてきたとしました。そうなるには2-3日下げて前の高値をぬくと理想的だともしていました。そして、この日の引け後のNYダウの日足の形から12月8日(火)に次のようなメッセージ(出島式投資ワールド情報)を書きました。

『NYダウの動きにはそろそろ要注意…
NYダウは、昨日の柴田罫線の分析でコメントしたように、高値圏では上下動となって高値更新がつづきましたが、実体は柴田罫線の引線では11月16日の10,406ドルから上にも下にも引線されていません。高値更新といってもわずかに更新するぐらいで、上値の重たさを感じさせ調整にはいる前のような動きといえます。その動きの中で先週末の小さな陽線と昨日(12月7日)の小さな陽線の連続は、売りにはなりやすい形です。NYダウが下落すれば日経平均は、ここまで5日間で1,128円も上昇(本日は▲27円の10,140円)してきていますので、当然それなりの調整も考えられます。その場合は、まず上昇幅の1/3押しの9,800円台が基本で為替の円高とNY株安の程度によって1/2押し9,600円水準も想定されます。』

12月8日(火)のメッセージでは、NYダウの下落の程度によってまずは11月27日の9,076円から12月7日の10,204円までの上昇幅の1/3押し(9,828円)水準と1/2押し(9,640円)水準を想定しました。結果としては日経平均は12月10日は9,843円と1/3押し水準まで下落しましたが、下げの要因は為替の急激な円高でした。為替は目先過熱感があるので、円安修正の動きは当然でてくるとみていましたが、目先90円をはさんだもみあいぐらいと思っていたところ、87円台の円高進行となって▲141円の9,862円で引けました。

週末(12月11日(金))はアメリカ株高と為替の88円台へのやや円安となっていたことで△95円の9,958円で寄り付くものの前場は合同SQ値の9,982円をこえることができず前引けは△79円の9,942円となりました。後場になると中国の11月の鉱工業生産指数が前年比△19.2%と市場予想の△18%を上回り為替も88円台後半までの円安となっていることで△129円の9,992円とSQ値を突破して寄り付きそのまま上昇して大引けは△245円の10,107円となりました。SQ値を上回って引けたので来週は基本的には戻りを試す動きとなります。始めの予測である目先2-3日下げて、NYダウ次第で11月27日の9,076円からの上昇幅の1/3押しである9,800円水準(さらに9,600円水準までを想定していましたが)から反発となっていくという目先のシナリオは為替の急激な円高で実現することになりました。

為替、NYダウと日経平均の関係

為替は、先週始めの12月7日(月)の90円後半から12月10日(木)の87円台へと一気に円高への揺り戻しとなりました。これはアメリカの雇用統計の大幅改善をきっかけに短期の金利が上昇し、これまでの超低金利政策の長期間維持というFRBの方針が変わるのではないかという懸念からドルが買われたためでした。しかし、バーナンキ議長が再び超低金利政策の長期間維持を強調したことで一気に円高へ揺り戻した形となりました。しかし、今のところ目先はまだ円安日柄となっていますので、これが続く間は日経平均も戻りを試すことができます。もし、12月11日(金)下げて12月3日に空けた窓である9,643円を埋めるようだと相場は弱いものとなり、上値は限定的になるところでしたが、そのまま反発して△245円の10,107円となって引けましたので、さらに戻りを試す可能性が高くなりました。NYダウは11月27日(金)の安値10,231ドルがポイントでありこれを切ると1万ドル割れ必至となります。目先は守って反発していますが、さらに上値をどんどん追っていく状況ではありません。結局は日経平均は為替がカギを握ってくるようです。年末から年明けにかけては公募増資などの円需要や輸出業者の需要も増すので円高トレンドとなってくる可能性があります。それを考えると月末接近までに日経平均がどこまで戻れるかということになります。

今週は、戻りを試す動きとなってもNYダウに要注意

先週は、NYダウのいったんの下落と為替の円高から12月4日(月)の10,204円を高値に6日ぶりの反落となり、3日続落となって12月10日(木)に9,834円の安値をつけ、週末の12月11日(金)は△245円の10,107円の高値引けとなりました。オプションSQ値9,982円を上回って引けたので、経験則では今週は堅調さが想定されるところです。しかし、これには為替の円高一服とNYダウの高値圏でのもみあいが前提となります。為替については、もうしばらく円安日柄が続きますので円高トレンドとなっていくにはもう少し時間がかかりそうです。NYダウに関しては要注意といえます。12月8日(火)に要注意としましたが、この時はいったん下落したものの、重要な下値ポイントである11月27日(金)の10,231ドルを守ったことで反発となり10,230ドル~10,500ドル台のもみあいが続いています。このもみあいがもう少し続いて為替も円高一服であれば日経平均は戻りを試すことができることになります。日経平均の当面の動きは9,500円~10,500円のボックスの中で、目先は9,800円~10,200円の動きとなっており12月7日(月)の高値10,204円を上にぬけると10,360円→10,500円台、逆に9,800円を下に切ると9,600円という動きが想定されます。日経平均は日足でみるとさらに上昇という形ですが、NYダウをみると10,230ドル~10,500ドル台のもみあいの中で売りの形ができあがっており、これがいつでてくるのか気になるところです。世界の株価は、今年の3月以降アメリカを中心に世界的の上昇過程をたどってきました。その中で日本株式だけが出遅れており、出遅れ修正として外国人が買ってきた(12月第1週目の大量買い越し)ということがありますが、NYダウが下落に転じた場合、日本株式だけが買われ続けるというのは考えにくいといえます。今週は、以上のようにわかりにくい状況ですので基本は1万円をはさんだ±200円が基本となります。

チャートだけから上昇のパターンを考えた時は今週の週足が小さな陰線になる(来週まで陰線になることも)と週足での買いの形となりやすく、その場合は大きな上昇となって8月31日(月)の年初来高値10,767円を試す場合も考えられます。そのまま上昇するようですと10,204円をこえると10,360円→10,500円台ぐらいまでというところでしょう。本日(12月14日)は日銀短観の大企業非鉄製造業の改善度合いが弱く、銀行や不動産の内需関連株に売りがでて、中国市場も下落したことで10,009円まで下落する場面ありましたが、アブダビ政府がドバイ金融支援を発表したことで、ドルが買われて円安となったことで下げ幅を縮小し大引けは▲2円の10,105円となりました。

(指標)日経平均

12月10日(木)の下げで、11月27日の9,076円から12月7日の10,204円までの上昇幅の1/3押し水準まで下げ、予想以上の早い下げのため為替の円高以外に追加の景気対策を促進する動きもあるかもしれないとしましたが、為替が89円近辺を受けて12月11日(金)は△245円の10,107円の大幅反発となりました。ということは12月8日(火)の緊急経済対策はまだ完全に織り込んでいないということになりますので、追加の景気対策を促進する相場はまだあとのことになります。この柴田罫線の形ですと12月9日の10,204円をぬけるとまずは10,362円、さらに10,500円台を試す動きとなります。逆に終値引線で9,842円(確実には12月10日の9,834円)を切って引けると一段安となって12月3日に窓をあけた9,643円を埋める動きとなってきます。本日(12月14日)は10,126円で寄り付き、日銀短観で大企業非製造業DI指数が期待ハズレだったことや、為替が円高方向にあったことで10,009円まで売られました。その後、アブダビ政府のドバイ支援の発表でドル買い・円安となったことで下げ幅を縮小し、▲2円の10,105円で引けました。

日経平均

(指標)NYダウ

12月8日(火)のメッセージで12月4日(金)と12月7日(月)の2日連続の小さな陽線は売りの形として要注意とし、この日の引け後のNYダウは▲104ドルの10,285ドルとなりました。久しぶりに陰線が出たことで1万ドルを試す動きが想定されましたが、それには11月27日(金)の安値10,231ドルを終値で切ることでした。しかし、12月9日に10,235ドルまで下げるものの10,231ドルを守って反発となり、12月10日は△68ドルの10,405ドルの続伸となって上に陽線がでて、週末(12月11日)も△65ドルの3日続伸となっています。12月4日(金)と12月7日(月)は日足での売りの形でしたが、今度は引線で10,283ドル以下(特に終値で10,231ドル)を切ると1万ドル割れは必至となってきます。そうでなければ目先は現水準でのもみあいがしばらく続くことになります。NYダウがまだ続く場合は12月4日の10,516ドルを終値でこえた場合となります。

NYダウ

(指標)ドル/円

前末(12月4日)にザラ場で90.777円まであって終値90.46円の円安となりましたが、先週の分析ではさらに大きくドルの上昇とはなりにくいものの日足の上値抵抗ラインまであるとすれば92円の手前(91円台)までは多少もみあったあと91円ぐらいまではあるかもしれないとしました。

しかし、12月7日(月)に90.357円をつけたあと急激な円安に対する反動から円高へとブレてドバイ問題の再燃やギリシャの格付けの引き下げ、FRBの超低金利政策の長期化観測からのドル売りで12月9日(水)には87.352円まであって終値は87.873円のドル安・円高となりました。週末(12月11日)は11月小売売上高の好調さから早期の金融引き締め観測が台頭し89.165円のドル高・円安となっています。チャートでみると12月4日の90.777円の高値は8月7日の97.756円からの下降トレンドの上値斜線にアタマを押さえられて12月9日の87.352円までのドル売り、円高となっており、まだ円安日柄が続くことから再度ドルの戻りを試すところとなって週末は89.786円まであって89.165円となっています。戻しては90円台ぐらいのもので目先は87円~90円台のもみあいとなりそうです。月末にかけては、このボックスを下放れてドル安・円高となる可能性があります。

ドル/円