目先下げても、戻りを試していく形へ …予想外の上昇のシナリオも描けるが?…

11月9日(月)の終値9,808円時点で1~2カ月以内に大きな調整を想定したシナリオを描き、9,000円水準あれば理想的な買い場だとし、そのような下落になるのは為替の円高、中国株とNYダウの下落が重なった時の可能性が高いとしました。そして11月20日(金)の終値9,497円の時点で買推奨銘柄を5銘柄出し、日経平均の9,500円から9,000円水準に向かう前提で買い下がっていくアドバイスをしています(有料会員の方のみ)。連休明けの11月24日(火)の週は円高が急激に進みドバイショックで1ドル=84円台となったことで11月27日(金)は▲301円の9,081円となりました。この9,000円水準までの下げは想定通りとなりましたが、ドバイショックによる急激な円高という予想外の下落であったため、週明けの11月30日(月)に△264円の9,345円という反発は粗底打ち感を感じない反発でしたので、戻りは限定的かもしれないとして「目先は反発だが為替からみると底打ち感ナシ」とした分析となりました。ただし、短期的には9,000円水準は強力な下値抵抗ゾーンですので、下ブレすれば買っていくとしましたが、1週間上昇し続け1万円台を回復して引けました。

為替からみると、先々週のドバイショックをきっかけにドルの全面安となって円も1ドル=84円台の急激な円高となりました。ここでは円は買われ過ぎとなってドルが買い戻され、さらに政府・日銀の円高・株安に対する対応が一致して、日銀の臨時の金融政策決定会合による10兆円の資金供給報道で12月1日(火)には87円台の円安となりました。発表後は不十分という見方から再び円高となる場面もありましたが、追加の第2次補正予算もあり、さらにアメリカ経済の回復期待もあってドル買い・円売りの流れとなり、週末はアメリカ雇用統計の改善により、短期金利が上昇して、一気にドルが買い戻され終値は90.151円となりました。現時点でドルの日足の上値抵抗ラインは91円70銭ぐらいのところにあり、この水準まで一直線に上昇してくるようですとテクニカル的にはすでにピークとなって円高方向となってきます。しかし、目先は過熱感があるので少しもみあって多少上下動があると横向きで推移していくかもしれません。そうなると日経平均はさらに戻りを試す日柄が長くなることになります。

日経平均は、先週の5日連続の陽線で1万円台を回復しましたが、この形は日足ではさらなる上昇という形になります。その場合は、ふつうは2~3日下げて前の高値をぬくと理想的なのですが、そのまま上昇が続くと過熱感がでて、いったん急激な下落となることもあります。前場・後場と分けてみると半日足の動きでは、本日の前場、後場、明日の前場と3本以上連続して陽線になると10,250円~10,400円が目先のピークとなって、いったん下落というパターンがあります。このパターンは先にそのまま上に上昇してしまうと過熱感がでていったん急激な下落となるところです。逆にちょっと下げると、すぐに切り返してさらなる上昇というパターンですが、本日の動きは先にそのまま上昇してしまうパターンとなりました。

日経平均をチャートの今後の上昇の可能性という点からみると、先週末の5日連続の陽線での1万円台のせで日足でのさらなる上昇という形がでて本日の△145円の10,167円で柴田罫線でろあ買が出現したことで、いずれ日足の上値抵抗ラインである10,500円台(目先は10,250円~10,300円台がピークとなるかもしれません)を試す可能性がでてきました。もし、終値で10,600円を突破できれば、柴田罫線での三尊天井(日足では8月31日の10,767円)をぬけることになり、三尊天井崩れ型という再騰の形となります。そうなると週足での現時点での上値ゾーンである11,000円が今回の戻りの最終地点というシナリオも描けることになります。もちろんこの前提には、為替が先々週の84円台を割る動きにならにことやNYダウが高値圏での上動が続いていることが必要です。

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(指標)日経平均

先々週末(11月27日)は、ドバイショックから為替が一時84円台となったことで日経平均は▲301円の9,081円の急落となって9,000円水準接近となりました。ドバイショックは予想外の出来事でしたので、もう一段下がる可能性も考えられましたが、アブダビが協力することになって信用不安が後退したことで、為替が円高一服となり11月30日(月)は△264円の9,345円の反発となりました。柴田罫線でみると昨年の6月20日の18,297円からの下降トレンド(A)にあたり、同時に今年の7月13日の9,050円という水準にも接近したことで、チャート上は当然の反発となりました。ただ、為替の円高局面がせいぜい88円台ぐらいまでの戻りであり日経平均も1万円はこえることは難しいとみていましたが12月3日(木)に三菱自動車への仏プジョーシトロエングループの資本参加で自動車業界の再編期待が高まり、海外勢の買い戻しから△368円の9,977円となり、週末は続けて△44円の10,022円となりました。先週は11月30日(月)から12月4日(金)まで連続5本の陽線ですので、この形ですとさらに戻りを試す形(1~2本陰線がでても)といえます。

本日は、△145円の10,167円となってろあ買出現という買法則出現。明日も前場陽線(後場も続くことがありますが)ならば目先いったん下落も。目先の上値ポイントは10,250円~10,300円台。

日経平均

(指標)NYダウ

先週は、NYダウの当面の戻りのピークとして3月9日の6,440ドルからの上げ方が1段上げ、7月8日の8,057ドルからの上げ方が2段上げとする同幅の2段上げの形であればピークは10,488ドルとしました。先々週の11月25日(水)に10,481ドルをつけたあと、ドバイショックで11月27日(金)に10,231ドルまで下げて▲154ドルの10,309ドルとなりました。11月2日の9,678ドルを切らない限り本格調整はまだ先で、高値圏での大きな上下動になるとしましたように、先週はドバイショックによる信用不安が後退してきたことで12月1日(火)は△126ドルの10,471ドルの上昇となり、12月3日(木)はISM非製造業景況指数の結果をきっかけに▲86ドルの10,366ドルと下落、週末は一時10,516ドルと年初来高値を更新したものの終値は△22ドルの10,516ドルと急速に上昇幅を縮めるというように高値圏での大きな上下動となっています。柴田罫線でみると11月16日の10,406ドルの引線を最後に全く動いていませんので、単に高値圏での上下動となっているだけであり、これは強弱感が同じレベルで対立していることを意味しています。つまりボックス圏の中での上下動であり、目先はどちらかに放れた方に動くことになります。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測としては、11月27日にザラ場で84.769円までの急激な円高となり、下降トレンド(C)の下値斜線にサポートされて、いったん反発するところとしました。ドルの戻りを試したあとは再び円高へとしていましたが、予想をこえたドル買いとなり週の終値は90.46円と90円を回復するドル高・円安となりました。

先々週の円高・株安阻止のため政府と日銀が一致した対応をとることになり、まず日銀が臨時会合で10兆円の資金供給を決定し、一時87円台の円安へと進みました。その後ドバイの信用不安も後退し、NYの経済指標の好調さを受けてドル買いがさらにすすみ12月3日(木)には88円台となりました。ここが1つ目のフシになって再び円高かと思っていたところ、週末にアメリカの雇用統計、失業率が改善したことで、短期金利が上昇しドルの買い戻しが進んで90.46円で終わりました。柴田罫線では、ろあ買が出現してもう少し、ドル買いが進むところですが下降トレンド(C)の上値斜線近辺にあたり、又、90円台では輸出企業の円買い需要が大きいので、さらに大きくドルの上昇とはなりにくいところです。ただし、日足の上値抵抗ラインは92円の手前のところにあるため、まだ円安方向への日柄があるため、少しもみあって91円台まではあるかもしれません。又、一気にこのまま91円台にはいっていくとテクニカル的にはドルの戻りのピークになってしまいます。

ドル/円