13年6月中間期に13%増益、利ざや拡大と手数料収入の伸びが寄与

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03988 中国銀行股フン有限公司(バンク・オブ・チャイナ) 3.28 HKD
(08/30現在)
 株価
 企業情報
 チャート

中国銀行の2013年6月中間期の純利益は前年同期比12.9%増の807億2000万元と、BOCIの予想から4.9%上振れた。うち4-6月期の純利益は同17%増の409億元と、1-3月期の同8%増から加速傾向を示した。手数料収入の伸びとコスト管理の強化が予想を上回る好決算を支えた要因。中でも4-6月期に純金利マージン(NIM)が改善したことが目を引いた。BOCIは同行のNIMが今後も安定的に推移すると予想し、その理由として、世界的な景気回復を背景とする海外ビジネスの成長や、効率改善を通じた国内業務の収益性維持を挙げている。また、採算性の面で同業銘柄との格差が縮小する中、現在株価がその他大手行に比べて低水準にあることや、配当利回りの高さなどに言及。目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

6月中間期には純手数料収入が前年同期比33%増と、4大国有商業銀行の中で最大の伸びを示した。資産運用業務の成長を受け、代理業務収入は同60%増。コンサルタントおよびアドバイザリー収入は同173%増を記録した。BOCIは資産運用業務の抑制を背景とした手数料収入の伸び率減速を見込みながらも、相対的に堅調な伸びが続くと予想。この点が収益性向上に寄与する見通しを明らかにしている。

同業銘柄のNIMが軒並み低下傾向を示す中、同行の4-6月期のNIMは2.24%と、1-3月期の2.22%を上回った。主に資金コストの軽減が背景。国内の人民元業務のNIMは、企業貸し付けの比重拡大や当座預金の比重拡大、銀行間資金調達コストの低減を受け、前四半期の2.49%から2.53%に上向いた。BOCIは国内部門のNIMがこの先横ばいで推移すると予想している。また、海外業務のNIMについては上向く可能性が高いとし、同行全体での安定推移を見込んでいる。

4-6月期の不良債権比率は前期比で小幅に上昇し、上期の延滞債権残高は前期を60億元上回る水準。上期の国内経済の減速を背景に、資産の健全性の点ではやや圧力が増した。4-6月期の信用コストは12年比で41%増。BOCIは不良債権比率の悪化を予想しながらも、海外資産の健全性や国内のリスク管理強化を理由に、悪化の度合いは限定的との見方。14-15年の不良債権比率に関する予想値を小幅に引き上げ、この点で利益見通しを1.3-3.5%下方修正した。

一方、費用収入比率は4-6月期に33%と、前四半期の35%からやや改善した。BOCIはこの先のコスト抑制を見込んでいる。また、新たな算出法に基づく中核的自己資本(Tier1)比率は9.27%。資本の面でもややプレッシャーが増したが、BOCIは短期的には問題のないレベルと受け止めている。また、景気減速下での資産の質的悪化や資金コストの増大、手数料収入の減速などを潜在的なリスク要因としながらも、同行に対する強気見通しを継続している。