12年本決算は12%増益、教材販売事業と小売事業が好決算に寄与

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00811 新華文軒出版伝媒股フン有限公司(シンファ・ウィンシェア・パブリッシング・アンド・メディア) 4.60 HKD
(03/11現在)
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新華文軒出版伝媒股フンの2012年12月本決算は、売上高が前年比2.4%増の45億9200万元、純利益が同12.3%増の5億7600万元に達した(EPS0.56元)。前年並みとなる1株当たり0.30元の期末配当(特別配当を含む)を実施する方針で、配当性向はヒストリカル平均値を下回る54%となる。BOCIは2013-15年の予想EPSを0.62元、0.66元、0.71元に修正した上で目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対して強気の見通しを継続している。

12年通期の利益成長を支えたのは学校向け教科書・教材販売事業と小売事業(オンラインおよびオフライン)の好調。また、川上の出版事業の統合を受け、粗利益率は前年を0.6ポイント上回る39.4%に改善した。

部門別に見ると、出版部門はコア売上高が6.3%減の15億7500万元(うち対外売上高は同6%減の5億9100万元)にとどまったが、スケールメリットの拡大を受けて粗利益率は27.9%と、前年比で4.1ポイント改善した。同社は教育出版物用に自前の研究開発プラットフォームを構築する意向。12年には教育出版ビジネスの統合を実施し、マスマーケット向けにおいては製品ラインの調整を実施している。

一方、学校向け教材販売や取次ぎ業務、小売業務などを含む発行部門のコア売上高は前年比4.7%増の39億8000万元。粗利益率は前年を2.6ポイント下回る33.8%にとどまった。オンライン小売販売事業と新規参入したショッピングセンター事業の低利益率が響いた。事業別に見ると、学校向けの教科書・教材販売事業は、12年通期のコア売上高が6.2%増の28億2900万元。高校向けの教科書販売や高品質を売りとするデジタル教育プログラムが増収に寄与した。小中学生向けデジタル教育サービスの同期売上高は170.7%増の1億5300万元を記録したが、この種のサービスは発展途上にあり、粗利益率は低水準にとどまっている。

このほか、発行部門に属する小売事業のコア利益は0.8%微増の8億700万元。粗利益率は前年の36.9%から37.7%に上向いた。この事業分野においては書店のアップグレードを実施。新たなブランド名で8店舗を開業した。また、新規参入したショッピングセンターおよびスーパーマーケット事業の売上高は1億700万元。初期投資段階に当たるため、粗利益率は13.8%にとどまった。一方、オンライン小売販売事業の売上高は90.5%増の1億4600万元を記録したものの、大幅値引きが響く形となり、粗利益率は前年の15.7%から11.9%に低下している。

なお、BOCIは同社の潜在的なリスク要因として、ニューメディアやインターネットの普及によるマイナス影響が予想を上回る可能性を挙げている。