市場の過小評価により魅力的なバリュエーション、IT投資拡大で上値余地大

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00861 神州数碼控股有限公司(デジタル・チャイナ)  12.20 HKD
(02/28現在)
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デジタル・チャイナが発表した2012年10-12月期決算は、純利益が前年同期比11.69%増の4億3000万HKドルと、コンセンサス予想を8%上回った。同社の株価はBOCIの14年予想PER7.05倍の水準と、過去の平均値に比べて割安な水準にある。IT投資の拡大を背景に、近い将来には10倍超に調整されるとみて、BOCIは投資判断を強気見通しに継続。目標株価を14年予想PER10倍の17.30HKドルに上方修正した。

同社の過去5年間のヒストリカル平均PERは9.66倍。さらに08年半ばから09年後半まではこの平均値を下回っている。過去3年間のヒストリカル平均PERは11.2倍。BOCIは、現在の株式市場とセクター環境の双方が過小評価されていると判断。業界の回復に伴い市場で見直しが進むとみられるため、同社の株価の上値余地は大きく、向こう12カ月のパフォーマンスはハンセン指数を上回ると予想している。

また、経営陣による持ち株比率引き下げや子会社の入札違反など、最近のネガティブな情報に対し市場が過剰反応しているとBOCIは指摘。株価が割安な今が買い時としている。持ち株比率の低下は、経営陣が持ち株を売却し、3年前の自社株購入の際の負債を返済したもの。子会社の入札違反に関しても、政府のペナルティが業績へ与える影響は少ないとBOCIはみている。同社は2月4-26日の間に政府や銀行などから163のプロジェクトを受注しており、見通しは明るい。

12年10-12月期売上高は、前年同期比2%増の192億7000万HKドル。粗利益は同7.90%増の15億4300万HKドルだった。純利益は同11.69%増の4億3000万HKドルと、コンセンサス予想を8%上回る水準。子会社売却による投資収入は1900万HKドルにとどまっており、増益の要因は主力事業の好調によるもの。特にサービス部門が前年同期比68%増収と好調。秋の第18回全人代の影響で政府や国有企業からの発注に遅れが生じたが、10-12月期には回復した。販売部門は前期の利益ゼロから10-12月期には8300万HKドルの黒字に回復。システム部門は予想どおり前年同期比横ばいだった。政府の指導者交代は3月には落ち着くとみられ、中国IT市場を牽引する政府および国有企業の13年度の調達が4月には開始される見通し。また、2月に米調査会社のガートナーが13年の世界IT投資額成長率を前年比3.8%から4.2%に見直しており、IT投資の回復基調が同社の株価を押し上げるとBOCIは指摘している。