1月の販売台数は87%増、需要に供給が追いつかず1-3月期予想は50%増

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02333 長城汽車(グレートウォール・モーター)  31.75 HKD
(02/19現在)
 株価
 企業情報
 チャート

長城汽車が発表した2013年1月の自動車販売台数は前年同月比86.7%増の7万3000台。大幅な伸びで月間販売台数の過去最高記録を更新した。12年の月間販売台数を四半期ごとの平均でみると、1-3月期の4万2000台以降、4万5000台、5万4000台、6万6000台と増加傾向にあり、この傾向を維持した。特に12年下期はSUVの主力モデル「H6」と「M4」の貢献で月間販売台数を毎月更新。13年1月も車種別ではSUVが同150.8%増と引き続き強く、「H6」および「Mシリーズ」の販売台数はそれぞれ1万6500台、1万1700台に達した。一方、1月のセダンの販売台数は同55.2%増の2万4000台と12年10-12月期に続き上向きを維持している。セダンの主力であるAクラス「C30」は1万6000台に回復。新型の「C50」はモデルチェンジ以降人気が上昇傾向にあり1月は6500台を販売した。また、ピックアップトラックも好調を維持し、1月は同39.4%増の1万3000台だった。

エンドユーザーからの需要増を背景に、1月末時点の工場および販売店における在庫は0.6カ月と12年12月末から横ばいの低水準を維持している。工場はフル稼働を続けているが人気車種の供給は需要に追いつかず、13年半ばの天津工場の新ライン稼動まで品不足の状況が続く見通し。このため、販売台数も旧正月以降は減速が見込まれる。こうした点を踏まえ、BOCIは13年1-3月期の販売台数を50-60%増と予想。ただ、製品構成の改善により増益率は増収率を上回る見通し。

13年通年の販売台数については26%増の7万8000台と予想し、車種別内訳はSUVが38%増の39万台、セダンが20%増の24万台、ピックアップが10%増の15万台とした。13年下期は比較対象の前年同期の利益水準が高い上、新ラインの稼動やライン移設などで費用がかさむことから利益成長は減速する見通し。ただ、新ライン稼動により利益率の高いSUVの生産を拡大し需要に応えることができるため、粗利益率への影響は限定的と判断。さらに同社は部品の自社調達率、コスト管理、販売価格の点で優位にあり、他社に比べて高い粗利益率が保てることから、業界平均を上回る25%以上の増益率を確保するとBOCIは予想している。

BOCIは13-14年予想EPSを3-4%引き上げそれぞれ2.35元、3.04元とした。株価は現在13年予想PER11倍の水準。BOCIは目標株価を36.56HKドルから37.70HKドルに引き上げ、強気の投資判断を継続している。