13年1月の販売台数は67%増と好調、不採算事業からの撤退と電気自動車への参入も発表

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00175 吉利汽車(ジーリー・オートモービル)  4.64 HKD
(02/18現在)
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吉利汽車の2013年1月の新車販売台数は、月間で過去最高の6万3000台超を記録した。成長率は業界平均の49%をしのぐ前年同月比67%増。主力の「Emgrand EC7」のほか、GLEagleシリーズの「GX7」、Englonシリーズの新型「SX7」、「SC3」、「SC6」が貢献した。輸出が同69.5%増の8400台に成長。国内販売も前年同月比66.3%増、前月比13.2%増と回復基調を維持した。シリーズ別では、「EC7」の人気によりハイエンドのEmgrandシリーズが前年同月比90.1%増、大衆向けのEnglonシリーズが同60.7%増と大幅に伸びた。GLEagleシリーズは低価格モデルの「Free Cruiser」や「Panda」が減速した一方、SUVの「GX7」が台数を伸ばし、シリーズ全体の販売台数は同55%増に達した。

BOCIは13年通年の販売台数について、経営陣予想(56万台)を上回る、前年比25%増の60万台超と予想。国内販売は前年比ほぼ横ばいだった12年に対し、13年は同19%増の45万台に回復する見通し。輸出は50%増の15万台達するとした。車種別では人気のSUVが12年の3万2000台から9万5000台に成長すると予想。SUVの販売比率拡大でプロダクトミックスの改善も期待される。

同社は先ごろ、子会社を通じて康迪車業(カンディテクノロジーズ)傘下の浙江康迪車業有限公司と折半出資で電気自動車(EV)製造の合弁会社を設立すると発表した。新会社の資本金は10億元。EV事業への進出は吉利汽車にとって新たなステップアップとBCOIは評価しているが、同事業は業界内において未だ開発の初期段階にあり、利益貢献には時間がかかる見通しを示している。

吉利汽車はまた、ロンドンタクシーの製造販売を手掛ける上海英倫帝華汽車部件有限公司の株式51%を1億7335万元で売却すると発表した。売却に伴い上海英倫帝華汽車部件との資本関係は消滅。不採算のタクシー製造業務から撤退し、中核事業の乗用車製造に専念する。また、同社の親会社である浙江吉利控股有限公司 がロンドンタクシー製造会社、英マンガニーズ・ブロンズの一部資産を買収することで合意しており、撤退はロンドンタクシー事業での親会社との競合回避にもつながるとしている。

BOCIは吉利汽車の今後の販売台数の伸びと製品構成の改善、新モデル発売の効果を見込み、同社の13-14年予想利益をそれぞれ11%、13%上方修正した。株価は現在13-14年予想PER13倍、11倍で取引されている。BOCIは目標株価を13年予想PER15倍に相当する5.30HKドルに0.58HKドル引き上げ、投資判断を強気の見方に据え置いている。