太陽光発電需要の回復を予想、13年は部品供給過剰の改善に期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03800 保利協キン能源(03800)(ジーシーエル・ポリー・エナジー) 2.08 HKD
(02/07現在)
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太陽光発電設備の各種部品価格がこのところ上向きに転じているが、BOCIは中国-欧米間のダンピング提訴合戦や季節的な在庫調整に起因すると指摘し、こうした要因が向こう数カ月以内に消えると予想、価格回復トレンドの持続性を疑問視している。ただ、世界の太陽光発電市場の長期成長ペースについては従来より強気の見方に転じ、2013年には全体で37ギガワット(GW)まで拡大する見通しを示した。中国での補助金措置や米国の導入加速、欧州での需要回復期待などが背景。需要サイドの伸びが段階的な部品需給の改善につながると予測している。BOCIはまた、向こう2年にわたる平均販売価格の緩やかな回復が、保利協キン能源の粗利益率改善につながるとみているが、14年の予想ROE(株主資本利益率)が依然、10-11年のピーク時を大幅に下回る点に言及。再評価は時期尚早とみて、同社株価の先行きに対して中立的な見通しを継続している。

太陽光発電部品の多結晶シリコン、ウエハー、電池、モジュール価格はここに来て上向きに転じ、うち多結晶シリコンの平均スポット価格は12月半ばから約5%上昇した。BOCIは現在のトレンドが3月まで続くと予想。底値から10%の回復を見込んでいる。

最近の部品価格の回復を支えている要因の一つは中国-欧米間のダンピング問題。中国商務部は昨年7月、米国製、韓国製の多結晶シリコンを対象にダンピングおよび報復措置に向けた調査を開始すると発表した。続いて9月には、欧州委員会(EC)が中国製結晶シリコンモジュールや電池、ウエハーを対象にダンピング調査を開始すると発表。11月には中国商務省がダンピング、報復措置の調査対象にEU製多結晶シリコンを加えるとした。ECは向こう15カ月以内、中国側は6月20日までに調査を終える運びだが、BOCIは中国商務省が早ければ2月にも欧米、韓国製に対する課税を開始するとの見方。これが国内多結晶シリコンメーカーの値上げを後押しする可能性を指摘している。

世界全体の太陽光パネル市場は2012年末に29GWと、前年比でわずか6%の伸びにとどまったが、ドイツやイタリアをはじめとする欧州の伸び悩みを、中国(4.6GW)がある程度カバーした。中国政府は13年に発電容量10GW分を新設するとの目標を掲げており、15年までには送電網接続分以外の約15GWを対象に補助金を支給する方針。また、地方の送電網接続プラントや独立系プラントなども対象に含める形で買い取り補助を実施する。国内の環境汚染が深刻化する中、「2015年に21GW」との現行目標を引き上げる可能性もあるという。BOCIはこうした支援策を受けた中国での導入加速や、欧州の需要回復、米国の需要増、日本の需要の安定推移を予想。世界全体の総容量が13年末に前年比26%増の37GWに達すると予測した。一方、供給サイドは13年も横ばい推移するとみて、この先の供給過剰の緩和を見込んでいる。