株価上昇を踏まえ投資判断を「中立」に下方修正、目標株価は据え置き

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00763 中興通訊(チュウコウツウシン) 14.76 HKD
(01/18現在)
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中興通訊の株価がBOCIの目標株価である16.05HKドル(2013年予想PER14倍)に近づいてきている。インドのプロジェクトと設備投資状況が不安材料。BOCIは現在の株価上昇を踏まえて見通しを「中立」の見方に下方修正したが、13年のファンダメンタルについてはポジティブな見方を維持し、目標株価を据え置きつつ、動向を注視している。

BOCIは中興通訊の13年予想純利益を29億元、目標株価を13年予想PER15倍の水準に設定している。同社は昨年末に子会社の深セン中興力維技術有限公司の出資持ち分82%を売却。売却による投資収益8億2000万-8億8000万元は13年業績に計上されるため、BOCIの示した予想の値達成はほぼ確実とみられる。

株価は徐々にBOCIの目標株価に近づいている。目標株価の見直しについては、3月下旬に予定されている国内通信会社、特にチャイナ・モバイルの13年投資計画を判断材料にする予定。その他の直近のポジティブ要因は織り込み済みのため、現在のバリュエーションを妥当と判断し、投資判断を引き下げた。

7-9月期決算発表を受け、市場は中興通訊の12年通年業績を収支均衡と予想している。しかしBOCIは、12年設備投資が当初計画の80-85%程度にとどまっているとの独自調査に基づき、10-12月期業績が期待以下となる可能性を指摘した。さらに、同社は12年7月にインドの国営通信事業者、バーラト・サンチャル・ニガム(BSNL)のGSM設備導入プロジェクトを獲得したが、設備納入価格のトラブルから進行中の同プロジェクトが赤字となる可能性もあると懸念している。

10-12月期の投資収入は、11月に発表した深セン市長飛投資有限公司の売却益およそ7億元がメインとなる見通し。BOCIは13年の中国および海外のTD-LTEプロジェクトに関して引き続きポジティブな見方を示し、同市場でシェアを高めると予想している。ワイヤレスネットワーク、光通信設備、およびスマートフォンは13年の業績の牽引役となる見込み。

リスク要因として、海外市場の政情リスク、世界的な景気後退による通信業界の投資減速を挙げている。