12年7-9月期に32%増益、オンライン広告と電子商取引部門が好調

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00700 騰訊控股(トウジンコウコ) 267.8 HKD
(11/15現在)
 株価
 企業情報
 チャート

騰訊控股の2012年7-9月期決算は、売上高が前年同期比54%増(前期比10%増)の115億6600万元と、BOCIの予想を2%上振れた。一方、純利益は同32%増(同4%増)の32億1900万元と、BOCI予想およびコンセンサス予想から3%下回った。営業外損失(財務費用や証券投資損など)が予想以上に膨らんだことが背景。また、営業利益は、BOCI予想やコンセンサス予想通りとなる前期比5%増の41億2400万元。BOCIはオンライン広告業務、電子商取引業務の予想以上の成長に言及し、オンラインゲーム部門も堅調を維持したと前向きに評価。同社株価の先行きに強気見通しを継続している。

7-9月期には既存部門の売り上げが堅調推移した。個別に見ると、オンラインゲーム部門の収入は前期比7%増の59億7300万元に上り(売上構成比52%)、夏場という季節効果を背景にBOCIの予想水準を確保した。既存のゲームタイトルの好調や新規タイトルの投入、さらに海外市場での収入増が寄与した。また、オンライン広告収入は前年同期比69%増、前期比15%増の10億1500万元。ロンドン五輪効果や動画およびソーシャルメディア広告の堅調を受け、BOCI予想を5%上回った(売上構成比9%)。一方、電子商取引部門の収入はB2C強化戦略などが奏功し、前期比32%増の11億3400万元と、予想を15%上振れた。「QQbuy」プラットフォームは1万3000件の加盟店舗を集め、全体の取引規模、取引手数料収入ともに拡大した。BOCIはオンライン広告業務、電子商取引業務の7-9月期業績が予想を上回ったとして、2013年の同社利益見通しを1%上方修正している。

このほか、7-9月期の業務統計を見ると、インスタントメッセンジャー「QQ」の月間アクティブアカウント数は7億8400万件とほぼ横ばい。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「Qzone」のアクティブアカウントは5億9300万件と、前期を0.8%下回ったが、これは主に9月末から大型連休に入ったという季節要因によるもの。また、手数料ベースのインターネット付加価値サービス会員数は前期比1%減の7400万件、モバイル付加価値サービスの会員数は2.6%減の3400万件といずれもやや減少したが、一部無料会員や休眠会員などの整理を実施したことが一因という。

同社は現在、モバイル・インターネット向けのエコシステム構築を進めている。この先、携帯端末だけでなくパソコン・ユーザーに対しても、より長時間の利用を促す意向。一方、無料のボイスチャット/メッセンジャー・アプリ「WeChat(微信)」については、引き続きユーザー基盤の拡大を目指すとともに、広告やモバイルゲーム、電子商取引を通じた多様な収益モデルを模索していく方針。経営陣によれば、スマートフォンの普及やモバイル・インターネットの利用時間の拡大を背景に、「QQ」および「WeChat」のユーザー総数はこの先、健全な伸びを維持する見通しという。