7-9月期に予想を上回る13%増益、欧州市場での販売が好調

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00992 聯想集団(レノボ・グループ) 6.58 HKD
(11/09現在)
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レノボ・グループの2012年7-9月期(13年度第2四半期)決算は、純利益が前年同期比13.2%増の1億6289万米ドルと、予想を3%余り上回った。売上高は11.4%増の86億7260万米ドル。税引き前利益率は引き続き上向き、各四半期ベースで9期連続して最高記録を更新した。また、欧州・中東・アフリカ(EMEA)市場は市場平均を大きく上回るパソコン出荷の伸びを達成した。IT調査会社の米ガートナーによれば、同社のパソコン出荷台数は7-9月期に世界トップ。BOCIは同社が急成長期にあるとし、スマートフォン部門も2014年度(14年3月期)に1億米ドルの利益を計上すると予想。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

7-9月期には税引き前利益率が一段と上向き、季節要因を除いた場合、四半期ごとの上昇傾向も鮮明となっている。経営陣は向こう3年間にわたって同利益率が一段と上向くと予想。BOCIは2013-15年度の増益率が年率20%を超えるとみている。

2012年4-9月期(13年度上期)には世界全体のパソコン出荷台数が前年同期比5%の落ち込みを示す中、同社の出荷台数は17%の伸びを達成した。特にEMEA部門が急成長を遂げ、7-9月期には部門純利益を計上。出荷台数は27%増加し、ドイツ、ロシア、デンマークの各市場でトップシェアを獲得した。ちなみにEMEA市場全体のPC出荷台数は8%減。BOCIはレノボの好調について、「値下げ競争ではなく、販路拡大が奏功した」との見方だ。過去の比較対照値の低さなどから、BOCIはEMEA部門の12年10-12月期の急成長を予測している。

携帯端末部門は今のところ赤字が続いているが、経営陣は2四半期後の黒字化を見込む。7-9月期には自由流通経路での端末出荷台数が全体の3分の1以上を占め、その収益性は通信キャリア経由の出荷分を大きく上回った。さらに同社はインド、インドネシア、ベトナムなど海外新興市場向けにスマートフォン出荷を開始している。

携帯端末部門の自由販路網は同業他社の中国無線科技(02369)、TCLコミュニケーション(02618)を上回る規模。この同業2社の純利益率は12年6月中間期にそれぞれ2.44%、1.97%だった。BOCIによれば、端末メーカーの純利益率は在庫管理に左右される部分が大きく、仮に在庫レベルが正常であれば、レノボはスケールメリットを活かして3-4%の純利益率を確保できる見通しという。スマートフォンの平均販売価格を130米ドル、出荷台数を3500万台と想定した場合、2014年度の端末部門売上高は45億5000万米ドル。さらに純利益率を3%と想定すれば、14年度の部門純利益は1億3650万米ドルとなる。ブルームバーグのコンセンサス予想を見ると、同年度の予想純利益は同社全体で7億米ドル。BOCIは市場が携帯端末部門の収益力を過小評価し、14年度の予想利益を低めに設定している可能性を指摘している。