6月中間期に20%減益、2桁増収も粗利益率が悪化

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02899 紫金鉱業集団股フン有限公司(ズージン・マイニング・グループ)  2.61 HKD
(08/13現在)
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紫金鉱業集団の2012年6月中間決算は、ほぼBOCIの予想通りの結果となった。製錬金および精錬銅の販売量の伸びや金価格の上昇が寄与し、売上高は前年同期比32%増の209億9000万元。ただ、生産コストや販売管理費がかさんだ上に、利幅の低い製錬金および銅の生産増が響き、粗利益、営業利益がそれぞれ6%、15%減少した。純利益は20%減の23億8000万元(EPSは0.109元)と、BOCI予想の23億1000万元を3%ほど上回る水準。通期予想の達成率は40%にとどまったが、BOCIは金価格の上昇や生産量の安定推移を見込み、下期の業績改善を予想。同社株のバリューに目を向け、株価の先行きに強気の見通しを示している。

6月中間期には多くの品目で、経営陣が示した通期予想生産量の50%弱を達成。経営陣は通期の生産見通しを据え置いた。品目別の通期予想値をみると、金採掘量(鉱山産)が30トン、金加工品が50トン、銅採掘量が100キロトン(kt)、精錬銅が124 kt、銀採掘量が125トン、亜鉛精鉱が42kt、亜鉛地金が200kt、鉄精鉱が196万トン。BOCIも経営陣が示した通りの通期生産量を見込んでいる。

中間期の粗利益率は前年同期の35%から25%へ大きく低下したが、これは主に◇利幅の低い製錬部門の売り上げ比重の拡大、◇人件費や原材料調達費、環境関連コストの増大、◇鉱石のグレードの低下――が原因。ただ、BOCIは粗利益率の大幅な悪化は想定内とし、サプライズはないとしている。また、輸送費、人件費の上昇を受けた販管費の増大や銅精錬所の商業運転開始が影響し、営業利益率も29.5%から19%に低下した。

一方、BOCIは同社の潜在的なリスク要因として、商品相場が予想を下回る可能性や予想を超える生産コストの増大、環境関連問題の発生などを指摘している。