液晶テレビの販売が好調、プロダクトミックスの改善により利益率アップ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01070 TCL多媒体科技控股有限公司黴€(ティーシーエル・マルチメディア・テクノロジー・ホールディングス)  3.51 HKD
(08/10現在)
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TCL多媒体科技控股の12年6月中間決算は、売上高が前年同期比25%増、純利益が同231%増と、増益率はコンセンサスを36%上回る水準に達した。液晶テレビの販売好調とプロダクトミックスの改善、さらにTCL光電科技(恵州)有限公司の完全買収による特別利益が貢献した。

国内市場では3Dテレビやスマートテレビへの買い替え需要、海外市場では新興国での液晶テレビ需要が見込まれ、今後も粗利益率が上昇する可能性をBOCIは指摘。川上製造部門の買収や子会社からのパネル調達拡大による生産体制効率化の恩恵も期待される。下期の販売ピークシーズンおよび国慶節休暇を踏まえ、12年通年の販売目標1520万台は充分達成可能とした。BOCIは同社の株価の先行きを強気見通しに据え置いた上で、目標株価は5.18HKドルから4.60HKドルに引き下げた。

12年上期の液晶テレビ出荷台数は前年同期比60.6%増の648万台。特に海外市場への出荷台数は同108.4%増と躍進した。また、LEDバックライトテレビが販売台数に占める割合が右肩上がりに推移。上期は全体の66.5%を占めた。7月には前年同月比153.7%増の81万2386台を出荷し、液晶テレビ出荷台数の73.1%を占め過去最高の割合に達した。

12年上期の国内のテレビ市場は概して低調だったものの、同社の液晶テレビ出荷台数は前年同期比32.1%増と好調を維持。下期も利益率の高い3Dテレビの販売増が国内市場減速の影響を相殺する見通し。7月の3Dテレビ出荷台数は前年同月比571%増の13万8269台に急成長を遂げた。

同社は先ごろ、恵州TCLサン宇光電有限公司の株式40%を追加取得し、完全子会社化すると発表した。LCDモジュールの生産を手掛ける恵州TCLサン宇光電への影響力を高めることで、川上製造部門の効率化を図り、粗利益率の改善を見込む。一方、同系列のパネルメーカー、深セン市華星光電技術有限公司(CSOT)の生産能力が拡大し、12年上期にはTCLのテレビパネルの20%を供給。同期には32インチパネルのみを生産していたが、今後は42インチ、55インチの生産も開始する。同社は今後CSOTからの調達量を通年販売台数の3分の1に引き上げる計画で、大型パネルの値上がりや輸入コストの上昇といったリスクを軽減する。