前日の株価チェックで買い・売りの対象とした銘柄は寄り付き前に成行注文を発注

今回も、前回に引き続き、筆者の日々のルーティンワークをご紹介していきます。今回は、売買注文を出す当日朝からです。

前日夜の株価チャートのチェックの結果、新規買いの対象となった銘柄や、保有株のうち売却ないしはヘッジ売りの対象となった銘柄については、寄り付き前に注文を出します。注文は、朝早い時間から出すことができますが、朝忙しいときや注文数が多いときなどは、前日の夜のうちに注文を出し終えておく場合もあります。

よほどのことがない限り、注文は全て成行注文です。指値注文はほとんど使いません。

アメリカ株や為替レートの動き次第では朝の注文を一旦保留にすることも

ただ、日本株の値動きは、前日のアメリカ株の株価や為替レートによる影響を大きく受けます。そこで、当日の朝、NYダウやナスダックの株価、円-ドルレートを確認します。

もし、アメリカ株が大幅に上昇したり、為替レートが大きく円安に振れた場合、日本株も大きく上昇してスタートする可能性が大です。そこで、前日夜の株価チェックで売却もしくは空売りの注文を出すこととした銘柄であっても、発注を一時保留とし、午前中は様子をみることがあります。

逆に、アメリカ株が大きく下落したり、為替レートが急速に円高となった場合は、日本株も大きく下落して始まる可能性が濃厚です。この場合、新規買いの注文を出す予定だった銘柄については、午前中は発注を一旦保留し、株価の動向を見守ることがあります。

昼休みはトレンド転換間近の銘柄や転換が微妙な銘柄を優先的にチェック

次に、昼休みに行う作業についてです。前場は11時半に終わり、後場は12時半に始まります。この間の昼休みに、前日夜に行ったのと同じ要領で保有株やウォッチ銘柄の株価チェックを行います。

ただし、時間に限りがあるので、1銘柄ごとに株価チャートを見ることはしません。でも、毎日継続的に株価チャートをチェックしていると、株価を見るだけで「トレンドが変わっているかも知れない」とおおよその見当はつきます。

株価をチェックして、トレンド転換の可能性がありそうな銘柄についてのみ株価チャートも確認します。その上で、トレンド転換の可能性が濃厚な場合は新規買いないしは売却・空売りの注文を後場が始まる前に出しておきます。

また、前日夜に、トレンドが転換したかどうか微妙な銘柄や、トレンドが転換しそうな銘柄をメモしています(前回コラム参照)。これらの銘柄は昼休みの時間帯には優先的に株価や株価チャートを確認するようにします。

さらに、アメリカ株や為替レートの動向によって、発注するつもりだった注文を午前中の間保留した銘柄についても、株価や株価チャートを確認して、必要であれば注文を出し直します。

逆指値注文で午前中の予期せぬ株価の動きをフォロー

日本株はアメリカ株や為替レートに大きく影響を受けるのは間違いありませんが、影響を受けるのは前場の寄り付き直後の短い時間だけで、その後は株価が朝方とは逆方向の動きに転じることも結構あります。そうなると、朝の寄り付き段階での売買注文を一旦保留した銘柄が、午前中のうちに大きく動いてしまうことも否定できません。

そこで、朝(前場)の寄り付きで一旦成行注文による発注を保留にしたものにつき、寄り付き前に「逆指値注文」を出しておく方法もあります。

アメリカ株が急落すれば、買い注文を発注するはずだった銘柄の株価も朝から大きく下がるはずです。でも、もしそこまでの逆風下でも株価が前日より高くなるならば、その銘柄は強いと判断でき、さらなる株価上昇も期待できます。そこで、買い銘柄について、例えば前日の終値の1円上で逆指値の買い注文を出しておくのです。

同様の考え方で、売り銘柄についても、前日の終値の1円下で逆指値の売り注文を出しておいたりします。

直近の株価が弱い銘柄は、朝方こそアメリカ株の大幅上昇を好感して株価が上昇するものの、すぐに失速して前日比マイナスに転じてしまうことがよくありますので、この逆指値注文は結構有効になります。

「そこまではできない」と思われた方への対処法

さて、ここまでお読みいただいた感想はいかがでしょうか。「とてもじゃないけどここまではできないよ」と思われた方も多かったのではないでしょうか。

なにしろ、株式投資が好きな筆者自身でさえも、この日々のルーティンワークは骨が折れる作業です。株式市場が開いている限り、毎日これを続けなければならないのは大変です。筆者も仕事が忙しいときなどは、眠い目をこすりながら深夜に頑張って株価チェックをしながら、「よほど株式投資が好きでないとここまではできないだろうなあ」と思ったりもします。

そこで、上記でご紹介したルーティンワークの労力を軽減するポイントをお話しします。

まず、保有銘柄やウォッチ対象とする銘柄数を減らすという方法があります。ウォッチ対象銘柄が200銘柄ともなると大変ですが、これを50銘柄にすれば、労力や時間は4分の1で済みます。

また、昼休みの株価チェックは省略して、1日1回としても結構です。筆者が昼休みに株価チェックをするのは、前場に少し株価が動意づいた銘柄を後場寄りで買っておかないと、後場に株価が急騰してしまって翌日になると手が出せなくなるという事態をできるだけ回避したいからです。そうしたケースはそんなに頻繁にあるわけではないので、無視してしまっても構わないでしょう。

さらに、毎日の株価チェックは大変だ、という方は週末の週1回とすればよいのです。もちろん、毎日チェックするよりも売買のタイミングは粗くなってしまいますが、十分通用すると思います。