どのような調整局面でも対応できる方法を考えよう
先週末(1月25日)時点で、日経平均株価は10,926円65銭と年初来高値更新に迫る位置まで上昇、TOPIXは年初来高値更新と、株価の勢いはとどまるところを知りません。
しかし、騰落レシオはじめ各種指標にもかなりの過熱感が生じていることから、いつ調整局面に入っても不思議ではありません。そこで、今回のコラムでは、調整局面に入ったとき持ち株をどのように対処していけばよいのかを考えていきたいと思います。
短期間の浅い調整で済むのか、それとも調整が長期間にわたり押し目も深いものになるのか、もしかしたら株価上昇はこれで終了となり再び長い下落が始まってしまうのか、それは残念ながら後になってみないと分かりません。
したがって、今後株価がどう転んでもよいように、対応方法を考えていく必要があります。
とはいえ、日経平均株価や多くの個別銘柄の中長期トレンドが上昇に転じていることを鑑みれば、筆者は今後調整局面が訪れたとしても比較的短期間で終わり、株価の押しも浅いものとみて戦略を立てています。コラムをご覧の皆様も、そうした前提で読み進めてください。
調整局面入りかどうかはあくまでも「個別銘柄ごと」に判断
まず、調整局面入りしたかどうかは、日経平均株価やTOPIXといった株式指標ではなく、あくまでも個別銘柄ごとに判断すべきです。
なぜなら、日経平均株価やTOPIXと個別銘柄とが、常に同じ値動きをするわけではないからです。特に、新興市場銘柄は東証1部銘柄と異なる値動きになることが多いため、注意が必要です。
実際、1月27日時点では日経平均株価、TOPIXとも上昇トレンド継続中であるにもかかわらず、上昇トレンドが止まりつつある、あるいは上昇トレンドが一旦終了した可能性が高い個別銘柄は結構でてきています。
上昇トレンドなら多少調整しても基本的に保有継続
筆者は、以下のようにして持ち株の保有を続けるか、あるいは売却するかを判断しています。
基本的に、日足チャートでみたトレンドが上昇トレンドにある間は、株価が多少調整したとしても持ち株は保有を続けます。
ただし、次の場合はそれとは異なる行動をとることがあります。
上昇トレンド途中の、株価が高い局面で買ったため、上昇トレンドが続いているにも関わらず株価が買値を下回ってしまった、もしくは下回りそうな場合は、上昇トレンドの終了を待たずに売却ないし損切りをする場合があります。
また、株価が短期間に大きく上昇した場合は、上昇トレンド途中であっても持ち株の一部を売却することがあります。筆者は最近では、ケンコーコム(3325)の株価が短期間に急騰した際に持ち株の半分を売却しました。
調整局面に入ったら「ツナギ売り」でしのぐ
株価の調整が進み、株価が25日移動平均線を下回ってきた場合は、上昇トレンドが終了する可能性が高まるため、持ち株に「ツナギ売り」を行います。
ツナギ売りとは、保有する銘柄の一時的な株価下落をヘッジするため、保有銘柄と同一銘柄に空売りを実行することをいいます。
ただ先ほども述べたとおり、筆者は調整局面が来ても短期間の軽いものと思っていますので、持ち株と同株数ではなく、半分程度にだけツナギ売りをすることとしています。
ツナギ売りを解消するのは、以下のような場合です。
- 再び株価が上昇トレンドに復帰した場合(この場合、損切りとなることもあります)
- 株価が持ち株の買値を下回った場合(ツナギ売りをする意味がなくなるため、持ち株の売却とツナギ売りの解消の両方を実行する)
ツナギ売りではなく、保有株を単純に売却するという選択肢もあります。しかし、保有株の買値が株価よりも非常に低い(=多額の含み益がある)場合、一度売却して高値で買い直すことに非常に抵抗を感じることがありますし、多額の含み益の存在により多少の株価の上下にも動じない精神的な余裕が生まれるのも事実です。そのため、筆者は買値の低い持ち株は余程のことがない限り、大事に保有することとしています。
ツナギ売りのできない銘柄はどうするか
ただし、全ての銘柄でツナギ売りができるわけではない点に注意が必要です。東証1部銘柄であれば、大部分がツナギ売り可能ですが、一部できない銘柄もあります。新興市場銘柄になると、ツナギ売りができない銘柄が数多くあります。
そうした銘柄の場合、上昇トレンド終了の可能性が高まったときの選択肢としては、持ち株の保有を続けるか、売却するしかありません。
筆者もツナギ売りできない銘柄について上昇トレンド終了の可能性が高まると、非常に困ってしまいます。もし買値と株価がそれほど離れていない(=含み益が小さい)場合は、いったん売却し、その後上昇トレンド復帰が確認できたら買い直します。また、買値が株価を大きく下回っている(=含み益が大きい)場合は、我慢して保有を続けたり、一部のみ売却する、という対応を取っています。
後者の場合でも、週足ベースでの上昇トレンドさえも終了するようなら、ひとまず売却して再度の上昇トレンド入りを待った方がよいのではないかと思います。
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